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Chapter4 「逃避行 気仙沼を目指せ」

Chapter4 「逃避行 気仙沼を目指せ」


 米子達は県道106を黙々と歩き、農作業をしている人間にも警戒をはらった。周りに木々が増え、森の中に入った。細い獣道は登りが続く。時刻は夕方になり、辺りは暗くなってきた。

「今どのあたりだ? 山の中だぞ、県道や国道を歩いた方がいいんじゃないか?」

山田が言った。

「偵察衛星を避けるためです。宮城県に入りました。新月渓谷の近くです。気仙沼まで4キロです。今夜はここで野宿です。暗闇で動くのは危険です」

米子がGPS受信機を見ながら言った。

「野宿だって? 勘弁してくれよ」

鈴木が言った。


 米子達は獣道から外れた場所に腰を下ろした。米子がリュックから小型LEDランタンを取り出して点けた。

「アルミブランケットです。使って下さい」

米子は山田と鈴木に名刺サイズに折り畳まれたアルミブランケットを渡した。

「用意がいいなあ」

山田が言う。

「お湯を沸かしてコーヒーを淹れます。水もたっぷりあります。チョコレートバーがあるので食べて下さい。コンビーフと焼き鳥の缶詰もあります。ミントちゃんもリュックを開けて。そっちのリュックにミニコンロと飯盒とアルミのマグカップが入ってるんだよ」

「米子はこうなる事を予想してアウトドアグッズを用意したんだね。どうりでリュックが重いはずだよ」

「食料と水は2人で4日分入ってるから、4人なら2日は持つよ」

米子はミニコンロと飯盒でお湯を沸かし、インスタントコーヒーを人数分淹れた。山田と鈴木はチョコレートバーを齧っている。

「インスタントだけど、こういう場所で飲むと美味しいね」

ミントが言った。

「コーヒーは体が温まるな。9月でも夜は冷える。しかし君達はたいしたもんだな。内閣情報統括室の工作員はレベルが高いな。アウトドアも訓練してるのか?」

山田がコーヒーを飲みながら言った。

「私は自衛隊の上級レンジャーと同じサバイバル訓練を受けてます」

米子が言った。

「そいつは凄いな。正直いって君達を舐めてたよ。ニコニコ企画だっけ? 昼のニセ警官の件は見事だった。俺達とは敵対関係だったが、今は運命共同体だ。『赤い狐』に負ける訳にはいかないからな。仲良くやろう」

「俺はその赤い狐関連の極秘情報を持っている。データはSSDチップだ。それを内閣に提出しなければまずい事になる」

鈴木が言って、コーヒーを飲んだ。

「SSDチップは無くさないようにして下さい」

「大丈夫だ。俺の体に埋め込んである。右脇腹を切開して深さ3cm、幅7cmのポケットを体に作ったんだ」

「それって任務のため?」

ミントが訊いた。

「そうだ。ロシアに入国する前に手術をしたんだ。外務省の工作員だって体を張ってるんだ。任務に失敗すれば日本に帰ってこれない。行方不明扱いだ。戦闘訓練は少ししか受けてないが拳銃くらいなら撃てるぞ。一応護身術も習得してる。君達とは役割が違うがこっちも命懸けなんだ」

「なるほどねー。内閣情報統括室に警視庁公安部に外務省か。みんな政府の駒だね」

「君達に命を託すから本名を言うよ。俺の本名は安本輝明、32歳だ。鈴木一郎でもスパロー8でもない」

鈴木が言った。

「じゃあ俺も名乗ろう。一蓮托生の仲間だからな。俺は藤谷和樹。歳は36歳だ」

山田が言った。米子が淹れたコーヒーのおかげで2人とも口が軽くなったようだ。

「スパロー8(エイト)って変わったコードネームだね。スパローってスズメだよね?」

ミントが言う。

「スパローは今回の諜報作戦に参加した工作員のコードネームだ。スパロー1(ワン)からスパロー13(サーティーン)まで13人の工作員が参加した。生存が確認されているのは3人で10人が消息不明だ。おそらく拷問死してるだろう」

「なんでそんな危険な仕事をしてるんですか?」

米子が訊いた。

「国のためだ。まあ、出世のためっていうヤツもいるけどな。ノンキャリアで出世しようと思ったら工作員で実績を上げるのが一番だ」


 「11時だよ。支給されたこの腕時計、暗いのにはっきり見えるね。ネオンみたいだよ」

ミントが言った。

「Luminoxのネイビーシールシリーズだよ。インデックスと針に付いてるトリチウム発光ガスのカプセルが常に自発光してるんだよ。私も普段このメーカー別のシリーズを着けてるよ」

「米子の腕時計、このメーカーだったんだ。前から気になってたんだよね。私はGショックだよ。でもこの時計もいいね。今度このメーカーの買おうかな。この仕事してるとミリタリーウォッチを着けるようになるよね。樹里亜ちゃんも瑠美緯ちゃんもゴツい腕時計だったよ。お洒落な腕時計より頑丈で視認性が高い腕時計が欲しくなるよね」

「もし女の子でLuminoxの腕時計着けてたら同業者かもね」

「腕時計ってその人の性格や職業が出るっていうもんね」

「明日は6時から行動開始しよう。気仙沼までは2時間かからないよ」

米子が言った。

「木崎さん達が待ってるんだよね。気仙沼ってフカヒレが有名らしいね。食べたいね」

「うん。木崎さんにお願いしておいたよ」

米子とミントはアルミブランケットを体に巻いて地面に横になった。

「意外と暖かいね。これなら寝れそうだよ。銃の手入れはしなくていいのかな? 昼間に撃ったよね?」

「大丈夫だよ。HK416はM4カービンのガスピストンの方式を変えて、発射ガスが機関部に入らないようになったから作動の確実性とメンテナンス性が上がってるんだよ」

「へえ、今まで使ってたM4A1よりいいかも。小さいから取り回しも楽だよ」

「木崎さんも今回はいいチョイスをしたよね。私もこの銃気に入ったよ。そういえばミントちゃん最近P226を使ってるけどどうしたの? この前まではベレッタ92だったし、パイソン357も持ってたよね?」

「実は米子の真似してSIG-P229を愛銃にしようと思ってるんだよ。9mm弾もいいけど、やっぱ威力ある弾を撃ちたいからね。SIGの操作性に慣れる為に今はSIG‐P226を使ってるんだよ。丁度倉庫にあったからね。パイソンもいいけど、あれは357マグナム弾を使った暗殺用だね。SIGの操作性に慣れたらP229の357SIG弾仕様に変えるよ。米子と弾の貸し借りもできるしね」

「弾の貸し借りが出来るのはありがたいよ。装備品は統一性があったほうがいいしね」

「グーー」

「クォーーー」

藤谷と安本のイビキが響いた。

「2人とも寝たみたいだね。今日は疲れたね、私達も寝よう。ランタン消すよ」

「なんか変なキャンプだよ。米子、お休み」

「お休み」


 米子は鳥の鳴き声で目を醒ました。腕時計の時刻は5:30。日の出直前の時刻だが山の中はまだ薄暗かった。遠くでガサガサと草を掻き分ける音がした。

「みんな起きて!」

米子が言った。

「米子おはよ~。コーヒー淹れてよ」

ミントが目を覚ました。再びガサガサと音がした。

「米子、今の音は何?」

「わからない。ライフルを出そう」

米子とミントはキーボードケースからHK416Cを取り出した。HK416Cの全長は57cmと短いが5.56mmNATO弾を毎分900発撃つことができる。各国の軍隊と警察の特殊部隊が使用している信頼性の高い銃だ。

「ふあー、ライフルなんか出してなんの騒ぎだ?」

藤谷が起きて伸びをしている。

「さっきから周りでガサガサと音がしてます。イノシシかもしれません」

米子が言った。

「イノシシ!? 勘弁してくれよ。イノシシって強いんだろう?」

安本も目を醒ました。

「銃声が響くので銃は使いたくありませんが、イノシシが襲って来たら撃ちます。素手では絶対に勝てません」

米子達は姿勢を低くして待った。

「人の話し声がするよ」

ミントが低い声で言った。ガサガサという音も近付いてくる。

「中国語だね。無線機を使ってるよ」

米子が小さな声で言う。微かではあるが人間が話す声とスピーカーを通した声が交互に聞こえた。

「ロシア語も混ざってるぞ」

安本も小声で言った。米子とミントはさらに身を屈め、HK416Cを構えた。藤谷もグロック17を構えている。

「あんた達、こんな所で何してるんだ」

後ろから声がした。米子が振り返ると男が3人が猟銃を構えていた。ハンターの様な服装をしている。

「キャンプです。気にしないで下さい」

「その銃は何だ? 前沢でテロがあったようだがあんた達も関係してるのか?」

「私達は政府の関係の人間です。特殊任務の最中です」

米子が言った。前方からも猟銃を構えた男が2人現れた。絶対的に不利な状況だ。

「怪しいな」

茶色い皮のハンチング帽を被った男が言った。歳は40代くらいだ。

「貴方達こそ何をしているんですか?」

「猟だ。鹿とイノシシを狩ってる」

「猟が許可されている時間は日の出から日没までですよね?」

「今は獲物の形跡を探してるんだ。日が出たら猟を開始する」

「あんた達、狩猟許可証を見せてくれ。俺は警視庁の警官だ」

藤谷が警察手帳を提示して言った。

「警視庁? この土地の者でねえな。宮城県警の言う事なら聞かんでもないが、警視庁なんて知らんわ。少佐が言ってた獲物はこいつらみたいだな。連行しよう。銃を捨てろ!」

「ビーナス、前をよろしく」

米子が呟くように言った。

男達が猟銃の引き金に指を掛けた。

「ヒイッ!」

安本が声を上げる。

「ねえ、おじさん達、見逃してくれたら私達の事好きにしていいよ。2人とも18歳だよ」

米子が言った。

「バカな事言うな!」

「ビーナス、レッド1、銃を置いて。勝ち目が無いよ。この人達と話し合いましょう」

米子は正座の姿勢になって言うとHK416Çを地面に置いた。藤谷とミントも米子に従って銃を地面に置いた。米子はボタンを外して赤いチェックのシャツを脱ぎ、インナーのTシャツも捲り上げて脱ぐとブラジャーも外した。形のいい豊満な胸がほぼ露わになった。左右それぞれの胸の頂点は手の平の先半分で隠している。限りなく無為防備な姿だ。男達の目が米子の胸に釘付けになった。

「な、何してるんだ?」

ハンチング帽の男が驚いたように言う。

「死にたくないからさ、見逃してくれるならなんでもOKだよ。それに私、嫌いじゃないんだよね。極度に緊張した後ってしたくなちゃうんだよね」

米子が色っぽい目で男達を見まわして言った。男達は米子の美しい顔と目線に魅了された。

「班長、どうします?」

黒いワッチキャップを被った若めの男がハンチング帽の男に言った。その声は『やりましょうよ』と言っている。

「この手、邪魔だよね。でも恥ずかしいな」

米子が笑顔で言った。

「アジトに連行する。手を縛るんだ」

ハンチング帽の男が言った。

「こんなカワイイ娘達、滅多にいませんよ! 勿体ないです」

ワッチキャップの男が言った。

「そうだ! 勿体ないぞ! こんなチャンスもうないぞ! その女たちの顔を見てみろ、2人とも上玉だ」

別の男もワッチキャップの男に同調した。ハンチング帽の男が米子をまじまじと見た。

「うーむ、時間はあるしな、見張りを立てろ。順番だ」

ハンチング帽の男が猟銃を後ろの男に渡そうとした。後ろの男は自分の猟銃を肩に掛けて受け取ろうとする。他の男達も銃口を下に向けた。

「オッペケペーーー!!」

米子が叫ぶ。ミントが転がるようにして地面に置いたHK416Cを掴んだ。

『ダン ダン  ダン ダン』

『ドン』

『ドン』

『バン バン バン』

ミントの撃った5.56mmNATO弾が前の2人を倒した。弾は男達の胸に2発ずつ命中した。男達は反射的に猟銃の引き金を引いて発砲したが狙いは付いていなかった。米子は右腰に付けた樹脂製のマルチフィットホルスターから素早くデコッキング状態にしておいたSIG-P229を抜くと3発発砲した。357SIG弾はハンチング帽の男の頭を吹き飛ばし、他の2人も額の真ん中に弾を受けて瞬時に絶命した。ハンターの恰好をした男5人は一瞬で倒された。

「早く移動しましょう。きっと仲間が来ます。こいつらも多分スリーパーです」

米子が後ろを向いてブラジャーを着けながら言った。

「君達は本当に凄いなあ!! もうだめかと思ったよ いやー助かった 凄い 凄い!」

安本は涙を流して喜んでいる。

「米子の色気に抗える男なんかいないよね」

ミントが愉快そうに言った。

「また君達に助けられたな。凄い早撃ちだ。本当に女子高生なんだよな?」

藤谷が呆れたように言う。

「正真正銘のJKだよ。普段は制服着て学校に通ってるよ」

ミントが言う。

「親は何も言わないのか? 知ってるのか?」

安本が不思議そうに訊く。

「親なんていないよ。JKアサシンはみんな孤児なんだよ」

「噂では聞いていたがここまでとは驚いたな。制服を着てカモフラージュしている暗殺部隊くらいに思ってたが、戦闘力も高いな。俺達の仲間が負けたのも頷ける。射撃の能力が桁外れだ。よほど訓練をしてるんだな」

「訓練所では毎日拳銃を120発撃つのがノルマだったよ。格闘でも負けないよ。爆発物も扱えるし、非合法の組織だからなんでもありなんだよ。訓練は滅茶苦茶厳しいんだよ。14歳から鍛えてるんだよ。そうしなきゃ暴力団やテロリストと戦えないよ」

ミントが言った。

「いいなー、私の訓練所なんて1日のノルマが200発だったよ」

米子が言った。

「1日200発って・・・・・・警官の訓練は1年に1回で50発だ」

藤谷は呆れたように言った。


 米子達は急いで荷物をまとめると出発した。時刻は6:20。

「米子、今回も勝ったね」

「まだ油断は出来ないよ。それに勝ち負けなんてあまり意味がないよ」

「どういうこと?」

「戦いは死ぬか生き残るか、それだけだよ。負ければ死ぬし、勝てば生き残る。生き残った方はその先を生きるだけ」

「その先を生きるだけか。そうかもね。私達もそうやって来たんだね」

「うん、これからもそうだよ」

「ねえ、前から聞こうと思ってたんだけど、何で合図が『オッペケペー』なの?」

「昔、親戚が集まると、酔っ払ったお爺ちゃんがよく『おっぺけぺ節』を歌ってたんだよ。なんか耳に残ってるんだよね」

「ふーん、親戚の集まりか」

ミントが寂しそうに言った。捨て子のミントには家族や親戚の記憶が無かった。


 木々が疎らになり景色が開けた。

「おお、街が見えるぞ」

藤谷が言った。眼下に街が広がっていた。

「海も見えるね」

ミントが言った。

「気仙沼です。私達のリーダーに連絡を取ります」

米子は衛星携帯電話を取り出した。

『木崎だ、無事だったか?』

『全員無事です。気仙沼に着きました。途中でニセ警察官による接触と、スリーパーと思われる集団に襲撃を受けましたが両方とも排除しました。死体はそのままです』

『そうか、よくやった! みんな待ってる。県道284号線沿いのファミレス『ジョイフェラ』の駐車用で合流しよう』

『わかりました。30分で行けると思います』

米子は衛星携帯電話をポケットに仕舞った。

「ファミレスの駐車場で私達の仲間と合流します。そこからは車での移動です」

「そうか。しかし東京まではまだ遠いな」

藤谷が言った。

「俺はなんとしても東京に行くぞ。頼む、守ってくれ。仲間達が命と引き換えに盗み出した情報だ」

安本が言った。

「フカヒレを食べてる余裕は無さそうだね。残念だよ」

ミントが言った。


 『ジョイフェラ』の駐車場に入ると黒いハイエースと青いハリアーが停まっていた。米子達が近づくとハリアーのドアが開いて樹里亜と瑠美緯が飛び出してきた。

「米子先輩! 無事で良かったです」

瑠美緯が笑顔で言った。

「野宿したんですか? 大変でしたね」

樹里亜が言う。藤谷と安本は樹里亜と瑠美緯を見て驚いた顔をしている。木崎とパトリックも車から降りて来た。

「警視庁公安部の藤谷です」

「外務省の安本です」

藤谷と安本が木崎に挨拶をした。

「内閣情報統括室の木崎です。無事で何よりでした」

木崎が言った。

「いやあ、助かりましたよ。この2人本当に凄い。おかげで命を拾った。このお礼は上を通して正式にさせてもらいます」

安本が言った。

「あの、ウチの連中はいないんですか?」

藤谷が訊いた。

「こちらには来ていません。東京に連絡されたらどうですか?」

木崎が言った。

「なんだよ。気がきかねえな。仲間が19人も死んだっていうのに上層部は本部でふんぞり返ってるのかよ」

藤谷が不満そうに言う。

「お仲間の件は残念でした。遺体は岩手県警が収容し、検死を行ってますので行かれたらどうですか?」

「そうですか。でも私は任務を続行します。スパロー8(エイト)、いや、安本さんを東京まで護衛します。公安刑事の意地です」

「わかりました。車では危険なので自衛隊のヘリコプターで移送します。申し訳ありませんが指揮権は我々に委譲されました。一緒にヘリに乗って下さい。ヘリは気仙沼港の『コの字岸壁』から飛びます」

「自衛隊の協力を取り付けたんですか? さすが内閣情報統括室だ」

藤谷が感心するように言った。

「ヘリコプターに乗るんですか?」

米子が訊いた。

「そうだ。市ヶ谷の防衛省までヘリで行くんだ。米子とミントも引き続き同行してくれ。俺達は車で東京へ向かう」

木崎が言った。

「内閣情報統括室に警視庁公安部に外務省に防衛省か。なんか凄い作戦だね。映画みたいだよ。でもフカヒレが食べられなかったのは残念だったよ」

ミントが言った。

「ミントさんすみません。私達は昨夜ホテルに泊まったんですけど、フカヒレ食べました。『フカヒレの姿煮』、凄く美味しかったです。それに気仙沼ってカツオの水揚げが日本一で名物らしいんです。カツオの刺身もめちゃウマでした。戻りガツオっていうらしくて脂が凄くのってました」

樹里亜が満面の笑顔で言った。

「ああ、美味かったなあ。フカヒレもカツオも反則級の美味さだったぜ。日本の料理は奥が深いぜ」

パトリックも笑顔だった。

「樹里亜ちゃん、そりゃズルいよ。こっちは野宿だったんだよ。でも、良かったじゃん。樹里亜ちゃんも瑠美緯ちゃんもよくやったよ。おかげで私達も前沢サービスエリアから脱出できたんだからね。それに仲間の誰かがいい思いをするのは嬉しい事だよ。フカヒレにカツオかぁ~」

ミントが言った。

「ミントちゃんお姉さんみたいだね」

米子が言った。

「この仲間は私にとって家族なんだよ」

「さあ、車に乗るんだ」

木崎が言った。米子、ミント、藤谷、安本の4人はハイエースに乗り込んだ。


米子のお色気作戦いかがでしたか? 次回は市街戦、意表を突いた戦術


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