Chapter20 「ターゲットはアメリカ商務長官」
Chapter20 「ターゲットはアメリカ商務長官」
米子は警視庁本庁庁舎2階の小会議室にいた。桜山学園の制服姿だった。
「沢村君、君にやって欲しい仕事がある」
テーブルを挟んで正面に座った神崎が言った。メタルフレームの眼鏡の中の目が米子を射るように見ている。
「なんでしょうか?」
「山荘に集まっていた赤い連隊の主要メンバーは全員殺したようだな。吉村さんから聞いたよ。我々の情報も役にたっただろ」
「たいへん役にたちました。でも、赤い連隊は情報を活かせなかったようですね」
「なんの話だ?」
「作戦が洩れていました」
「どういう事だ? 詳しく話したまえ」
「漏れていた事は問題じゃありません。誰が漏らしたかが問題なんです。あなたですね、神崎さん」
米子がキッパリと言った。
「何の根拠があってそんな事を言ってるんだ」
神崎の顔が歪んだ。
「具体的な作戦を知っているのは如月カンナと吉村さんです。でも あなたも知ってましたよね?」
「知っていたが漏らしてはいない。漏らす理由も無い」
「赤い連隊に漏れていた情報は中途半端でした。だから危機感が薄く、お酒を飲んでいたのだと思います。あいつらは半信半疑で『敵が来る』って言っていました。作戦の全てが洩れていたのなら私達の正体も知っていたはずです。そして全力で待ち構えていたはずです。意図的に中途半端な情報を流したとしか思えません」
「ふん、それは推測だろ。根拠がない推測にすぎん」
「じゃあ今回の仕事は受けません」
米子は冷静に言った。
「断るのなら君の家族の命を奪った実行犯2人の詳細を教えるわけにはいかない」
「かまいません、自分で探します」
米子は席を立とうとした。
「待て、君は何が知りたいんだ?」
神崎の顔に焦りの色が浮かんだ。
「本当の事を知りたいだけです。作戦を中途半端に漏らした理由はなんですか?」
暫く沈黙があった。米子は神崎をじっと見ていた。
「仕方ないな、本当の事を話そう。実は君と赤い連隊をぶつけようと思ったんだ。ある人の意向だ。もちろん君が勝つと思っていたよ。だから赤い連隊にハンデを与えようと思っていくつか部分的な情報を流したんだ」
神崎は沈黙に耐えかねたように口を開いた。
「阿南さんですか? 私の力を試そうとしたんですね?」
「阿南さんを知っているのか?」
「いえ、あなた達のトップもしくはそれに近い存在だという事くらいしか知りません」
「まあいい、本当の事は話したぞ。これを見るんだ」
神崎はテーブルの上に写真の束を置いた。写真が10枚ほど重ねられていた。米子は写真の束を手に取った。一番上の1枚目は作業着を着た男が立った姿勢でタバコを吸っている写真だった。男の横には、腰までの高さの鉄のパイプに載った四角い赤い缶の吸殻入れが置いてあった。どこかの施設の喫煙所の様だった。場所は屋外の様で、背景に建物のクリーム色の壁と灰色の鉄製のドアが写っていた。男は横を向いて俯き加減なので顔はよく見えない。もう1枚の写真はしゃがんだ男の姿が映っていた。男は右手にボトルのような物を持っている。洗剤の並んだ棚にボトルを置こうとしていた。男は業務用の青いエプロンを着けており、横顔が写っていたが暗いのではっきりと顔は認識できなかった。
3枚目の写真は白黒写真だった。室内を映したものだ。和室の部屋だった。部屋の真ん中と奥には盛り上がった布が置かれている。米子は頭の中に稲妻が走ったように感じ、写真に釘付けになった。その写真の部屋は間違いなくかつて米子が家族と住んでいた家の部屋だった。そして布の下に置かれてものは両親と弟の遺体である事が想像できた。背景に写る押入れの戸が開き、広い範囲に染みが広がっている畳の上には懐中電灯と漫画の単行本が落ちている。4枚目以降もいろんな角度から撮った犯行現場の鑑識写真だった。盛り上がった袋、畳に広がる大きな染み。床に散らかった鍋や割れた食器にすき焼の材料。そして父が戦って殺した赤い連隊の男達の死体。
「なんですかこれは!? 説明して下さい!!」
米子は叫んだがその声は震えていた。
「君の家族を殺した実行犯の写真と、事件直後に鑑識が撮った現場写真だ。その男2人は今でも生きている。その写真は2週間前のものだ。鑑識が撮った写真はあえて白黒に焼き直したんだ。畳が血の色で真っ赤だったからな」
「この2人の居場所を教えて下さい!」
米子は動揺していた。あの事件現場の写真を見たのは初めてだった。そして映像として事件の光景が頭に蘇っていた。
「ん? 自分で探すんじゃなかったのか? 我々はその2人の住所も勤務先も知っている。もちろん通勤経路やよく行く飲食店なんかも知っている。監視しているからな。2人目の男は酒好きで、池袋のキャバクラに入り浸っているよ。1人目の男なんか先週は恋人とデートを楽しんでいた。君の家族を殺しておいていい気なものだな。まあ2人とも人生を楽しんでいるようだ。君の弟も生きてれば14歳か。青春の入り口でこれからが楽しい歳なのに残念だな」
神崎が落ち着いた声でいった。
「お願いです。教えて下さい」
米子は力なく言った。
「我々の仕事を受けるなら教えよう。ただしこの情報は成功報酬だ。任務が成功したらこの男達の詳しい情報を教えよう」
「やります。必ず成功させます」
米子の頭の中には米子の家族を襲った実行犯と父の栄一が戦うシーンがリピートするように流れていた。
「よし、では任務の概要を話そう。もし失敗しても我々の事は絶対に口外しないと約束できるかな?」
「はい、約束します」
「もし約束を破った時は、君の友達が我々のターゲットになる事を忘れないくれ。高梨ミント、浅井樹里亜、水谷瑠美緯、浜崎里香、野沢瑠香、大屋美里、岸本きらりだ。夜桜は壊滅したが、第2の夜桜を構築中なんだ。いい暗殺訓練になるだろう」
「その人達は関係ありません!」
「保険だよ。君の事は信じるが、万一に備えての保険だ」
「わかりました。任務は絶対に成功させます。口も割りません」
「本題に入ろう。再来週の金曜日にアメリカ商務省のゼニゲーバ長官と経済産業省の真野大臣の会談がある。場所は経済産省本官17階の国際会議室だ。会談の後に大掛かりなレセプションがある。場所はホテルオークレ東京の平和の間だ。君にはそこでゼニゲーバ長官を暗殺してもらう。詳しい事はこの資料に書いてある。会場やフロアの見取り図やレセプションの式次第に主だった出席者の名簿だ」
「レセプションですか? 会場にはどうやって入るんですか?」
「心配するな。君には高校生代表としてゼニゲーバ長官に花束を渡してもらう段取りになっている。ゼニゲーバ長官の至近距離に近づける。そこで殺るんだ」
「わかりました。拳銃を使います。嵩張るのでサイレンサーは使いません。必ず命中させます。逃走経路やバックアップはどうなってますか?」
「おそらく日米双方のSPがいるだろう。SPは我々の仲間が牽制する。君は銃撃の後、レセプション会場のドアから廊下に出て廊下の突き当りの階段を使うんだ。車寄せには警視庁のパトカーを待機させておくからそれに乗って逃走するんだ」
「わかりました、資料をもらいます」
「銃は何を使うんだ?」
木崎が訊いた。
「銃はまだ決めてませんが9mm弾を使います。頭に2発、左右の胸に1発ずつ撃つつもりです」
「ほう、9mm弾を頭に撃つなら間違いないだろう。君の射撃の腕はSAT隊員以上だと聞いている。期待しているよ」
「よく狙えば20メートルの距離で10円玉に当てられます。高速の連射なら同じ距離でバスケットボールに全弾当てる事ができます」
「凄いな、何処で習ったんだ?」
「内閣情報統括室の訓練所です。13歳の時から毎日200発撃ってました。応用射撃も問題ありません」
「ほほう、内情は子供にそんな厳しい訓練をさせているのか。鬼のような連中だな」
「中学生の頃の思い出はすべて、銃の発砲音と爆発物の衝撃波と硝煙の臭いの中にあります」
米子がきっぱりと言った。
「まるで戦闘マシーンだな。お洒落をしたり、ボーイフレンドを作りたいとか思わなかったのか?」
「お洒落は戦闘服やヘルメットでした。ボーイフレンドは沢山いました。SIG‐P226、ベレッタ92F、グロック17、コルトパイソン、S&W M29、S&W M500、コルトガバメントに各種アサルトライフルです」
「うーん、信じられん。私の娘は今中学生だ。部活でバレーボールをやっている。男性アイドルに夢中で、クラスに好きな男子もいるみたいだ。色んな青春があるようだな」
「青春なんてありません。春が来たとしても、黒か灰色でしょう。それがJKアサシンです」
「たいした覚悟だな。とにかく任務を遂行してくれ」
「全力を尽くします。そして成功させます。阿南さんにもそう伝えて下さい」
「わかった、伝えよう」
米子は台東区東上野の骨董品店『戦士の寝床』に入って真っすぐレジに向かった。制服姿だったが桜山学園の制服ではなく、青いスカーフを着けた冬物のセーラー服姿だった。店の中は箪笥などの大きな物から卓上ランプなどの小物まで、様々な骨董品が所せましと並べてあった。甲冑や日本刀やレトロなライフルなども陳列してある。レジでは大学生風の若い男が漫画雑誌を読んでいた。
「大場さんはいますか?」
米子がレジの男に声を掛けた。
「あっ、はい、マスターは地下で作業してるよ。作業中は取り次ぐなと言われてるんだ。探し物なら手伝うよ。何を探しにきたの? アンティーク小物かな?」
男は米子を見て、その美貌にときめいていた。
「急ぎなんです。沢村が来たって伝えてもらえますか。それでダメなら今日は帰ります」
「わかった、伝えるよ。でも俺もこの店の商品には詳しいから案内するよ。この前ヨーロッパから貴族のアンティーク小物が入ったんだ」
「大場さんをお願いします」
店員はしぶしぶとインターフォンの受話器を持った。
「作業中すみません、沢村さんという方がお見えになってますけど、どうしますか はい、女子高生みたいです はい、わかりました」
店員は受話器を置いた。
「そこの扉から入って。地下に続く階段があるから気を付けて降りてね」
「ありがとうございます」
米子は礼を言うと扉を開けて地下室に続く暗い階段を降りた。地下室に入ると初老の男が大きな作業机に向かって作業をしていた。机の上には工具や部品が置かれ、机の端には大きな万力が備え付けられていた。部屋の中にはドリルや旋盤の機械が設置されていて町工場のようだった。
「久しぶりです、沢村です」
米子が大場に声を掛けた。
「おう、米子ちゃん、久しぶりだね。どうしたんだ? 銃の修理か?」
「バレルを中心に点検して欲しいんです。最近使い始めたばかりの銃なんですけど、撃ち心地が硬い感じがするんです」
「硬い?」
「はい、果物でいえば熟してなくて、まだ酸っぱい感じです」
「なるほど、面白い表現だな。いいよ、お安い御用だ。費用は会社に請求すればいいね?」
「いえ、今回は自費でお願いします。会社の銃じゃないんです」
「わかった、とにかく見よう」
米子は作業机の上に吉村からもらったSIG-P229を置いた。
「すみません、作業中でしたよね?」
「いいんだ。これは趣味みたいなもんだ。小型手榴弾と小型のフラッシュバン(閃光音響手榴弾)を作ってたんだ。小さいけど効果は抜群だ。手榴弾はC4を使ってる。フラシュバンはSATが使ってるのより効果があるぞ」
大場彬は68歳のガンスミスだった。歳の割には恰幅が良く、短めの髪はほぼ白髪だった。元々は大手工作機器メーカーの研究員だったが、35歳の時に会社を辞め、骨董品屋を開業したのだ。中学生の頃からガンマニアのミリタリーオタクで、モデルガンを改造したり、手製のパイプ爆弾を作って実家の裏山で試していた。店を運営するために暴力団に改造拳銃を売ったり修理をするようになった。40代前半の時に1年間店を閉め、アメリカに渡って本物のガンスミスに弟子入りしてさらに技術を磨いた。内閣情報統括室でも技術部が銃の修理や調整を行っているが時間が掛かるので、ニコニコ企画は急ぎ場合、この店を使っている。木崎と大場は長い付き合いのようだった。
「木崎さんやミントちゃんは元気かな?」
「はい元気です」
「そうか。米子ちゃんも大分活躍してるようだな」
「そんな事ないですよ」
米子は焦った。大場は自分の活躍を知らないはずであった。
「オーラが変わったよ。それに見た目も変わった。透き通った目をしている」
大場が静かに言った。
「えっ、どういう事ですか?」
「殺しを続けてる人間には二通りある。殺すごとにオーラと瞳が濁っていく人間と、逆に澄んでいく人間がいるんだ。米子ちゃんは後者のタイプだな」
「どっちがいいんですか?」
「どっちがいいとは言えない。濁っていく人間はいずれ壊れる。殺した人間の魂に押し潰されるようにな。澄んでいく人間は、ある意味人間じゃ無くなる。際限なく命の遣り取りをしながら生きていく」
「どっちも悲しいですね」
「ああ。それが人の命を奪うという事だ。よし、バレルを点検してみよう。個人の銃ならイニシャルでも入れるかい? 識別しやすくなる。マークでもいいぞ。タダにしとくよ」
「お任せします」
「じゃあ2時間くらい掛かるから、店の中でも見ててくれ。まあ大した物はないけどな」
そう言うと大場は作業机の上にあるSIG-P229を手に取った。米子は階段を昇った。1階では相変わらず店員の男がレジで漫画雑誌を読んでいた。
「どうだった?」
店員の男が米子に気付くと漫画雑誌をレジ横に置きながら言った。
「要件は聞いてもらえました。2時間ほどしたら戻ってきます」
「店の中を見たらどうかな? 商品を説明するよ。さっきも言ったけど、アンティーク小物が入ったんだよ。18世紀のフランス貴族が使ってた本物だよ。安くするからさ! 君、本当にカワイイね。若い時のガッキーにそっくりだよ」
店員の目は色めき立っていた。
「骨董品には興味ありません。お店の周りを散策してきます」
米子は店を出ると路地を歩いて骨董品屋から5分ほどの距離にあるアメ横を散策した。冷やかしのつもりで軍装服店に入ると、耐火性のあるタイタンクロス生地のCWU36Pフライトジャケットが売っていたので即買いした。前から欲しかったレア物だったのだ。色もガンメタルとセージグリーンの中間の色でレアな色だった。
米子はフライトジャケットを買った後、上野公園をゆっくり周ると骨董品店に戻った。
「銃身は問題なかったよ。むしろ新品に近い状態だった。銃身内部のライフルマークの溝もしっかりしていた。部品の組み合わせも問題ない。良いロットに当たったと思うよ。各パーツは磨いて潤滑剤を差しておいた。スライドが若干硬いのも新品に近いからだ。スライドとフレームの嚙み合わせ部分を研磨剤で軽く磨いておいからこれでどんな連射をしてもズムーズに動作するだろう」
「ありがとうございます。新しいから硬い感じがしたんですね。射撃場で馴らしの射撃をします」
「それがいいだろう。銃は育てるものだ。それとスライドの左側面にマークを刻んでおいた」
米子は大場からSIG-P229を受け取った。スライドには漢字で『米』と刻まれ、文字には赤く色が付けられていた。字体は明朝体に近かった。
「これって『米』ですか?」
「そうだよ。米子ちゃん仕様だ。一目でわかるだろ」
「でもあんまり自分の名前が好きじゃないんです。古臭くて」
「何を言っているんだ。日本人らしくていい名前じゃないか。米は日本人の主食だ。戦国時代の大名は石高といって、領地で取れる米の量で格が決まったんだ。武士は給料を米で貰ってたんだぞ。キラキラネームなんかより何百倍もいい名前だよ」
「あの、料金は幾らですか?」
米子が話を切るように訊いた。名前の話をしたくなかったのだ。
「いらないよ。米子ちゃんの顔を見れただけで満足だ。相変わらず美人でカワイイ。こんなにカワイイ女子高生と話せるだけでも有難くて涙が出そうだよ。それにP229にも久しぶりに触れて嬉しかったよ。P226なら此処にも何丁かあるけどな。良かったら弾頭を刻んでダムダム弾にしてあげようか?」
「357SIG弾は威力がありますから大丈夫です。それと小型で威力のある銃はありませんか? 掌サイズの銃です。LCPやポケットコルトみたいな小口径じゃなくて9mm弾で装弾数5発以上の銃です。無いですよね?」
「ははーん、本当の狙いはそっちだな?」
大場が笑顔で言った。
「バレましたか? 近々必要になるんです」
「丁度いいのがあるよ。SIG-P365だ。まさに掌サイズで9mmパラベラム弾を10発装弾できる。同じコンセプトのグロック43もあるが、SIGの方がいいだろう」
「えっ? P365ですか? 実物を見るのは初めてです。グロックよりSIGの方が撃ち慣れてるので嬉しいです」
大場が一旦工房から出ると箱を持って帰って来た。机の上に箱を置くと蓋を開けてSIG∸P365を取り出した。
「小さいですね! これで9mmが撃てるんですか。しかも10発も」
米子は明るい笑顔になった。
「そうだ。米子ちゃんだから特別に安くしておくよ。32万円でどうかな。マガジンも1つサービスしよう。しかし拳銃に目を輝かせる女子高生なんていないけどな」
「ありがとうございます。これなら今度の任務にぴったりです」
「それは良かった。この銃を使うなんて至近距離での暗殺かな? 個人用って事は訳アリだな。まあ詳しい事を聞くのはよそう」
米子はSIG-P365を手に持つと構えて見た。
「いいですね。暗殺じゃなくてコンシードキャリーとしてディフェンスにも良さそうです」
SIG-P365は非常にコンパクトながら9mmパラベラム弾を10発装弾できるユニークな銃で、ハンマーの無いストライカー方式である。
「気に入ってくれて良かったよ。弾はどうする?」
「フルメタルジャケット10発とホローポイントを10発下さい」
「わかった。4万円でいいよ」
「安い! 1発2000円ですね。ありがとうございます」
米子が微笑んで言った。
「安くはないよ。アメリカだったら1発50円以下だ」
「そうだ、徹甲弾はありますか? 市販品では無い事は知ってますけど、大場さんなら持ってるんじゃないですか?」
米子が訊いた。
「ああ、あるよ。アメリカ陸軍のAP弾だ。タングステンを弾芯に使っている。ただし高いぞ。1発5000円だ」
「それも10発下さい」
「じゃあ銃と弾で40万円でいいよ。1万円はサービスだ」
米子は50万円が入った封筒から1万円札40枚を抜くと大場に渡した。
「そうそう、まだ試作品だがさっきの小型手榴弾とフラッシュバンもサービスしよう。両方とも上のボタンの押して6秒後に爆発する」
大場は小型手榴弾と小型フラッシュバンを米子に渡した。両方ともカンコーヒーのショート缶くらいの大きさの円筒形だった。




