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冒険者達の挑戦

対竜人戦です。

戦闘シーンの力をつけたくて書きました。

「はあ、はあ、く……そっ」


 バタン!と名前の知らない冒険者が倒れた。死んではいない。体力の限界を迎えたみたいだ。


 今俺達は竜人と戦っている。と言っても俺は何もせずただ見ているだけなんだが。


 竜人が現れておおよそ20分経った頃だろうか。俺のパーティーのクリス達はまだ元気にやっているが、他のパーティの連中はもうほとんどがボロボロだ。さっきのように体力の限界を迎えて倒れている奴もいれば、竜人の爪に体を貫かれて絶命した奴もいる。


 本当は俺が出れば一瞬で終わるってのになんでこいつらはこんなに血気盛んなのか。まあ俺もそうだったから仕方ないのは分かるが、自分達よりも格上の竜人相手だともうちょっと考えろよと思う。今見てる限りではクリス達も多分勝てないだろう。まあ前回と比べれば善戦しているのは分かるんだけどな。


「モリソン!俺に速度上昇の術をかけてくれ!それであいつを撹乱するからクリス!お前が仕留めてくれ!」


 スレイルがモリソンから速度上昇の術をかけてもらうと、何倍にも跳ね上がったスピードで竜人の背後へと回り攻撃をしかけていく。


 普通の人外だったらこの時点でスレイルの一撃で終わりだが、竜人はそうはいかない。


ガキン!


 竜人の体を覆う竜の鱗はその硬さゆえに攻撃がほとんど効かない。攻撃系の術もほぼ通じない。スレイルの一撃もただ自分の拳を痛めつけただけだ。


 攻撃が効かないと言ってもスレイルは諦めず、すぐにまた竜人の背後に回って一撃を見舞う。それを繰り返していると竜人もスレイルの方に気が向いたようでスレイルの動きに合わせ動き始めた。


 それを確認したクリスが矢に力を込めて弓を引く。最近のクリスはこの技を覚えたおかげでだいぶ攻撃力が上がった。うまくいけばダメージを与えられるかもな。


ビュン!


 クリスが竜人目がけて矢を放つ。矢は竜人の鱗を貫通し左肩に突き刺さった。


「ウギャアアアアアアアアアアアア!」


 おお!やっと竜人にダメージを与えられたな!竜人は絶対的な防御力があるからダメージを受けることがない分、痛みには弱い。現に今あまりの痛さに地面で転がり続けている。


「よし!この調子で俺達であいつをたお……うわぁぁぁ!」


 突然竜人が転がりながら口から炎を吐き出し始めやがった。そしてスレイルと他のパーティーの連中がその炎に飲み込まれてしまった。しばらくして炎が止むとスレイル達の姿が現れたが全員酷い火傷で倒れていた。


「スレイル大丈夫!?今回復術をかけるから!」


 モリソンがスレイルに近づき回復術を発動させる。スレイルだけじゃなく全体にかかるようにしてくれたみたいでどうやら死者が出た感じはなさそうだ。でももう戦える状態ではないな。


「だめだ……。僕ももう術の使い過ぎで力が……な……い……」


 バタン!パワー切れでモリソンも倒れた。モリソンのような回復術が使える奴がいなくなると非常に厳しい状況になる。もう残っているのはクリス達弓士達だけだ。奴らは遠距離攻撃ができるけど近づかれたら終わりだ。さあどうするんだ?


 ふとクリスを見ると先ほどよりも力を込めて弓を引いている。矢がものすごい光を放っている。どうやらクリスはこの一撃に全てをかけるようだな。


「くらえ!これで終わりだ!」


ビュン!


 光を纏った矢が竜人に迫る。それに合わせて他の弓士達も矢を放つ。


ズバン!


 起き上がった竜人はクリスの矢を手刀で叩き落とす。先ほどの攻撃がよほど効いたのだろう。その分警戒心を与えてしまったみたいだ。他の弓士の矢は竜人に刺さることもなく全て弾かれてしまった。





 ちっ、結局こうなっちまったか……。今俺の周りには屍も含めて冒険者達が全員倒れている。俺と竜人との一騎打ちとなってしまったってわけだ。まあ4年前と比べれば全員成長している。死者もそこまで出ていないし、街にも被害が出ていない。


 クリスの矢を弾いた後、竜人はあっという間に弓士達を倒していった。当然力を使い果たしたクリスもあっけなく倒されてしまった。


 助けてやれだって?俺だってそうしたいけど冒険者ってのはチャレンジャーなんだ。自分達の力を向上させるためには敗北だって必要だ。そこから学べることもある。俺もそうやってここまで来たんだ。だから手は貸さないし助けない。それで死んでしまえばそれまでだったってことだ。それが冒険者のルールなんだ。


 まあそんなことはどうでもいい。ここからはようやく俺の出番だ。って言っても一瞬で終わっちまうと思うけどな。


「オマエタダモノデハナイ」


「ほう、お前人間の言葉が喋れるのか」


「アタリマエダ!リュウジンリュウノチノウモッテル。コトバツカエルクライカンタン」


「カタコトな癖して何が知能があるだ。それで只者じゃない俺相手にどうするつもりだ?」


「オレワカル。オマエコノマチニツヨイオモイモッテル。ダカラオマエノマエニコノマチホロボス」


 竜人が人差し指を上に向け天に掲げるとその上にはどんどん大きくなる火球ができあがった。まずい!これが放たれたら街は一瞬で黒焦げだ!


「コノヒノタマハオマエデモイキノコレナイ。マチニアテルカオマエニアテルカドッチガイイ」


「そんなの決まってるだろ。俺に向けてこいよ。この街を滅ぼしたいなら俺を倒してからにしな」


「ハハハハハ!バカナヤツダ!コレデイキノコレルヤツナンテイナイ。サヨナラダ」


 竜人は俺目がけて火球を放ってくるのだった。





Sideヴィヴィアン


 私とナターシャは屋敷を出て一目散に街の入口を目指した。入口に近づくにつれて戦ってる冒険者達の声や衝撃音が聞こえてくる。「うわぁぁぁ!」とか「ぎゃぁぁぁぁ!」という声を聞くとあまりの怖さで体が震えあがってくる。


 でもここで立ち止まっちゃいけないわ。この先にはもう二度と会えないと思っていたハンベルトがいるんだから。お願いだから私が辿り着くまで生きていて……。


「ヴィヴィアン、あそこを見て!街の人々が集まっていて前に進めそうにないわ!」


 坂を下りながら入口の方を見ると人集りができている。私は皆この街から逃げると思っていたけど、街の人々も固唾を飲んで戦いの行く末を見守っているってことね。


 人集りの手前まで来た時、急に静かになった。どうしたんだろうと思い、人をかき分けながら一番前まで辿り着いた。そこには竜人と対峙しているハンベルトがいた。


 え?ハンベルト一人?よく見ると周りにはたくさんの冒険者達が倒れていた。この状況はどういうこと?


「ねえ、これって一体どういうこと!?なんでハンベルト一人で竜人と戦おうとしているの!?」


 私は隣にいた初老の男性に話しかけた。


「おお、これはヴィヴィアン様。やはりあの冒険者はハンベルト様でしたか」


 ハンベルトという声に反応したのか皆が冒険者がハンベルトであることを認識したみたいでざわつき始めた。


「先ほどから冒険者達が竜人に戦いを挑んでいたのですが、ハンベルト様は何もせず立ったままでした。なぜ戦わないのかは分かりませんが、これから竜人と一騎打ちをするようです」


 ええっ!竜人と一騎打ち!?そんなことしたらハンベルトが死んじゃう!


「ヴィヴィアン速すぎ!やっと追いついたわ!」


 どうやらナターシャも一番前まで来れたみたい。私とナターシャは手を繋いでハンベルトと竜人の戦いを見守る。でも何もしないで何か話をしているみたい。一体何を話しているのかしら。


 そうすると突然竜人の頭上からとてつもない大きさの火球が現れた。そしてその火球がハンベルトに向かって放たれたのだった。

お読みいただきありがとうございました。

戦闘シーンはもっと力をつけたいと思います。


一応次話で話自体は完結です。

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