表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
366日の愛の花束  作者: 辛已奈美(かのうみなみ)
2月
60/60

2月27日 オーニソガラム

真白なオーニソガラムの花束を、彼は僕に差し出した。透き通るような白い花びら、そして中心の鮮やかな黄緑色のしべ。それは、彼の瞳の色とそっくりだった。心臓がドキッと跳ねた瞬間、僕の胸の奥にある感情が一気に込み上げてきた。


出会いは、大学の図書館だ。静寂の中、彼はいつも同じ席で、一人静かに、本を読んでいた。彼の名前は修一という。最初は寡黙で、少しとっつきにくい印象だったが、何回も会ううちに、彼の真剣な眼差しと、時折見せる優しい微笑みに、僕は自然と心惹かれていった。毎日のように彼を見かける度に、僕の心には小さな火が灯るようだった。


それからというもの、図書館で顔を合わせる度に、僕は彼と一言二言、言葉を交わすようになった。彼の好きな本の話、彼が興味を持つ研究の話、僕がしている研究。その一言一言が、僕の心に響いていた。彼の声を聞く度に、僕の中にある孤独感が少しずつ溶けていくのを感じた。


ある日、彼は突然僕をデートに誘った。行き先は、彼がよく訪れるという植物園だった。彼と一緒にいられる、彼のことを知ることができると、心が躍るのを感じながら、彼と一緒に歩いた。満開のオーニソガラムが、夕暮れの柔らかな光の中で輝いていた。その美しさに息を呑み、心が震えた。すると、修一が真白なオーニソガラムの花束を差し出したのだ。


「花屋さんで見かけて、君に似ていると思ったんだ。」と、彼は照れくさそうに言った。その言葉に、胸が締め付けられるような感動を覚えた。花束を受け取ると、彼は僕の手を握った。彼のてのひらは温かく、とても力強かった。手を握られることで、僕は彼の存在をより近くに感じた。今まで抑えていた感情が、一気に溢れ出した。


「修一、僕はあなたが好きだよ。」


僕の心からの告白に、彼の瞳はオーニソガラムのしべのように、鮮やかに輝いていた。その瞳を見た瞬間、僕の周りには、オーニソガラムの甘い香りが満ち溢れた。そして、僕らは静かに、ゆっくりと、キスを交わした。彼の唇の温かさが、僕の心をさらに温かく包み込んだ。オーニソガラムの花言葉、「才能」「純粋」は、僕たちの恋の始まりを祝福するように、夜空に優しく光っていた。











2月27日

誕生花:オーニソガラム

花言葉:才能

    純粋

    無垢

    潔白

    清らか

科・属:キジカクシ科・オオアマナ属

和名・別名:オーニソガラム






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ