表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
366日の愛の花束  作者: 辛已奈美(かのうみなみ)
1月
6/60

1月5日 ミスミソウ

雪解けの兆しもない凍てつく大地に、一輪のミスミソウが咲いていた。その可憐な花のように、静かに、そして強く生きてきた少女の鈴音は、幼馴染の蓮司と静かな恋をしていた。蓮司は、都会に出て医師になる夢を持ち、鈴音は、故郷の小さな村で彼を待ち続ける約束をしていた。


しかし、運命は残酷だった。蓮司は都会で、華やかな美和子という女性と出会う。美和子の村にはいなかった奔放で魅力的な姿に、蓮司は次第に惹かれていく。そして、鈴音への連絡は途絶え、冷たい風が村を吹き抜けるように、鈴音の心にも冷たさが忍び寄った。


ミスミソウのように、どんなに厳しい環境でも生き抜こうとする鈴音だったが、蓮司からの音信不通は、彼女の心を蝕んでいった。村の古老から、かつてこの地で起こった都会に行った男性と村に残った女性の悲恋の話を聞かされる。それは、鈴音の胸を締め付けた。


鈴音は思い切って、蓮司から連絡が来なくなった理由を調べに蓮司が夢を追って行った都会に出かけた。そこで蓮司と美和子がデートをしているところに遭遇した。いつの間にか蓮司が別の人と付き合っていたことに、鈴音はつらく悲しい思いをしながら、蓮司と別れ、恋心とも別離をする決意を抱いた。


村に戻ってきた鈴音の様子を見て、鈴音に片思いをしていた大翔は何があっても支えることにした。最初は恋心と別離することを決意しながらも悲嘆にくれていた鈴音だったが、大翔のおかげで少しずつ気持ちを切り替えて前向きになっていった。その様子を見ていた大翔は鈴音が蓮司の恋心を完全に吹っ切ったときに、鈴音に告白をし、二人は晴れて恋人同士となった。


ある日、雪が降りしきる中、蓮司が村に戻ってきた。奔放な美和子に振り回され続けることで、彼女との関係に疲弊し、自分の浅はかさを悟ったのだという。しかし、鈴音の傍らには、既に別の温もりがあった。静かに、しかし力強く咲くミスミソウのように、鈴音は、新しい恋へと歩み出していた。蓮司が村に戻ってきてすぐに鈴音に言った「僕は誰よりも鈴音を愛している」という言葉は、春の雪のように、跡形もなく溶けて消えていった。残されたのは、凛と咲くミスミソウと、鈴音と大翔の静かな幸せだけだった。











1月5日

誕生花:ミスミソウ

花言葉:自信

    信頼

科・属:キンポウゲ科・ミスミソウ属

和名・別名:三角草

      雪割草

      ユキワリソウ






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ