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366日の愛の花束  作者: 辛已奈美(かのうみなみ)
2月
58/60

2月25日

陽射しが温かい春の午後、結衣はリビングの窓辺に置かれた小さな鉢植えのカランコエを見つめていた。窓から差し込む柔らかな陽射しが、カランコエの鮮やかなオレンジの花びらを照らし、まるで彼女の頬を染める夕焼けのように燃えている。結衣は花に手を伸ばし、その滑らかな花びらに触れた。このカランコエは、一年前に薫から贈られたものだ。


彼女の心は、あの日にタイムスリップしていた。薫との出会いは、この花のように鮮烈で、そして少し危うかった。


その日も同じように晴れ渡る空の下、街の賑わいを感じながら、彼女はひっそりとしたギャラリーに足を踏み入れた。そこには、薫の作品が展示されており、彼のレンズ越しに見える世界に心を奪われた。薫は自由奔放な写真家、結衣は堅実な会社員。正反対の二人が、まさかこんな形で惹かれ合うとは、誰が想像できただろうか。薫は旅を続け、束縛を嫌う。その一方で、結衣は薫の不在に不安を抱えながらも、彼の帰りを信じて待ち続けていた。


カランコエは、結衣にとって薫の象徴だった。花言葉は「たくさんの小さな思い出」「幸福を告げる」という、相反する意味を持つ。薫の不在は不安を招くけれど、彼の作品、そしてこのカランコエは、彼からの愛のメッセージだと信じていた。


ある日、結衣のスマートフォンが鳴り響いた。薫からのメッセージが届いたのだ。「新しい作品展を開くことになった。場所は、僕らが初めて会ったギャラリーだ。良ければ見に来てくれないか?」結衣は、久しぶりの再会に胸が高鳴った。ギャラリーに向かう道中、結衣は薫がくれたカランコエを抱きしめた。その花びらは、夕焼けのように、そして彼女の期待のように、燃えていた。


街の喧騒を抜け、静かなギャラリーに足を踏み入れると、そこには昔と変わらない薫の作品が並んでいた。結衣は一つ一つの写真を丁寧に見つめ、彼の視点と感性を感じ取った。そして、薫が彼女に近づき、温かい抱擁に包まれた瞬間、結衣の心には安堵と幸福が溢れ出した。


このカランコエのように、二人の愛はこれからも鮮やかに咲き続けるだろう。そして、薫の旅は、彼自身の、そして二人の愛を育む旅だと、結衣は確信した。











2月25日

誕生花:カランコエ

花言葉:幸福を告げる

    たくさんの小さな思い出

科・属:ベンケイソウ科・カランコエ属

和名・別名:琉球弁慶

      リュウキュウベンケイ






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