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366日の愛の花束  作者: 辛已奈美(かのうみなみ)
2月
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2月15日 ミツマタ

春の陽射しが、まだ雪解けしきらない山肌を優しく撫でる頃。 私は、毎年恒例のミツマタの群生地を訪れていた。黄色い花が、まるで無数の小さな太陽が枝に宿ったようだった。その美しさに酔いしれていると、背後から声がした。


「お久しぶりです。元気そうでよかったです。綺麗ですね。これは、まるで、春の妖精の集会みたいに見えます。」


振り返ると、そこにいたのは、以前山で遭難しそうになった時に助けてもらった青年、廉太郎だった。彼の優しい瞳は、ミツマタの黄色に負けないくらい、きらきらと輝いていた。あの時、いつも通りの道を歩いていたはずなのに、気がつけば、山道から外れてしまっていた。そこに、同じく道を外れた彼にあったのだ。私は、どうしたらいいかわからず、パニックになってしまったが、彼の温かい手と、安心させてくれる声、携帯が通じるかの確認や現在地の確認といった行動に救われたことを、私は今でも鮮明に覚えている。


それからというもの、私たちは何度かこのミツマタの群生地で出会うようになった。会う約束をしているわけではないが、度々会うのだ。一緒に花を摘み、言葉を交わし、静かに流れる時間を共有した。廉太郎は、植物に詳しく、ミツマタの細かな特徴や、その歴史を丁寧に教えてくれた。彼の言葉は、ミツマタの花のように、優しく、そして鮮やかだった。


ある日、廉太郎は私に小さなミツマタの枝を手渡した。その枝には、小さな、慎ましい黄色の花が一つだけ咲いていた。


「どうぞ。これが一番、君に似ているなと思いまして。一人でも凛としているところや、つつましやかでありながら強いところなどです。1つの枝にたくさん咲いているのも、きれいですが、君は1つだけ咲いているもののほうが、似合います。」


彼の言葉に、私の頬は熱くなった。 ミツマタの花言葉は、「強靭」「壮健」。 あの日の遭難から、私の人生は大きく変わった。そして、今、この山で、この黄色い花を通して、新たな芽生えを感じていた。廉太郎と出会ったことで、私の心は、春の陽光のように温かく、そして希望に満ちていた。このミツマタの花のように、私たちの愛も、これからも長く、そして力強く咲き続けるだろうと、確信した。











2月15日

誕生花:ミツマタ

花言葉:強靭

    壮健

科・属:ジンチョウゲ科・ミツマタ属

和名・別名:三椏

      三又

      三叉






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