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366日の愛の花束  作者: 辛已奈美(かのうみなみ)
2月
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2月14日 カモミール

陽だまりの中で、カモミールの花びらが風に揺れていた。その傍らで、梨奈はぼんやりと空を眺めていた。高校時代の同級生、和也と会う約束をしていたのだ。和也とは、卒業以来一度も会っていない。あの時、伝えられなかった気持ちがあったから、なんとなく会うのを避けていたのだ。それでも、気持ちだけでも伝えようと、梨奈は覚悟を決め、和也に「会いたい」と伝えたのだ。


和也は、高校時代に梨奈が、いつも眺めていたカモミール畑の、近くのカフェで待っていた。少し緊張した面持ちで、梨奈はカフェのドアを開けた。和也は、相変わらず爽やかな笑顔で梨奈を迎えてくれた。


「連絡くれてありがとう。久しぶり、梨奈。変わってないね。元気そうでよかった。」


和也の言葉に、梨奈の胸が温かくなった。カフェのテーブルには、カモミールティーが用意されていた。その優しい香りに、高校時代の記憶が蘇る。部活帰りに、二人でこのカモミール畑でよく話したり、時々カフェで悩み事を話したりしていた。あの時、和也の優しい眼差しに、私は恋をしていた。


「あのね、和也…」


梨奈は、ゆっくりと、あの時の気持ちを伝え始めた。部活の帰り道、彼がくれたカモミールの花束。一緒に見た夕焼け。悩み事があったら、いつも相談にのってくれること。どんな時でも、優しい目をしてくれること。大変な時でも、さわやかな笑顔を見せること。全てが鮮明に蘇り、こらえきれない涙が溢れてくる。


和也はうなずきながら、静かに梨奈の話を聞いていた。そして、少し照れたような、薄ら赤くなった笑顔で答えた。「実は、俺も…ずっと梨奈のこと好きだったんだ。今も、俺のことが好きなら、恋人になってほしい。」


言葉にならない感情が二人の間を満たす。あの日の未練、伝えられなかった想いが、カモミールの香りに包まれて、静かに解き放たれていく。 カモミールティーの温かいカップを握りしめながら、梨奈は和也の手を握り返した。高校時代には叶わなかった恋が、今、静かに、そして確かに芽生え始めていた。陽の光が、二人の未来を優しく照らしていた。











2月14日

誕生花:カモミール

花言葉:逆境に耐える

    苦難の中の力

科・属:ジャーマンカモミール:キク科シカギク属(マトリカリア属)

    ローマンカモミール:キク科カマエメルム属

和名・別名:ジャーマンカモミール

      ローマンカモミール

      加密列

カミツレ

カモマイル






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