2月14日 カモミール
陽だまりの中で、カモミールの花びらが風に揺れていた。その傍らで、梨奈はぼんやりと空を眺めていた。高校時代の同級生、和也と会う約束をしていたのだ。和也とは、卒業以来一度も会っていない。あの時、伝えられなかった気持ちがあったから、なんとなく会うのを避けていたのだ。それでも、気持ちだけでも伝えようと、梨奈は覚悟を決め、和也に「会いたい」と伝えたのだ。
和也は、高校時代に梨奈が、いつも眺めていたカモミール畑の、近くのカフェで待っていた。少し緊張した面持ちで、梨奈はカフェのドアを開けた。和也は、相変わらず爽やかな笑顔で梨奈を迎えてくれた。
「連絡くれてありがとう。久しぶり、梨奈。変わってないね。元気そうでよかった。」
和也の言葉に、梨奈の胸が温かくなった。カフェのテーブルには、カモミールティーが用意されていた。その優しい香りに、高校時代の記憶が蘇る。部活帰りに、二人でこのカモミール畑でよく話したり、時々カフェで悩み事を話したりしていた。あの時、和也の優しい眼差しに、私は恋をしていた。
「あのね、和也…」
梨奈は、ゆっくりと、あの時の気持ちを伝え始めた。部活の帰り道、彼がくれたカモミールの花束。一緒に見た夕焼け。悩み事があったら、いつも相談にのってくれること。どんな時でも、優しい目をしてくれること。大変な時でも、さわやかな笑顔を見せること。全てが鮮明に蘇り、こらえきれない涙が溢れてくる。
和也はうなずきながら、静かに梨奈の話を聞いていた。そして、少し照れたような、薄ら赤くなった笑顔で答えた。「実は、俺も…ずっと梨奈のこと好きだったんだ。今も、俺のことが好きなら、恋人になってほしい。」
言葉にならない感情が二人の間を満たす。あの日の未練、伝えられなかった想いが、カモミールの香りに包まれて、静かに解き放たれていく。 カモミールティーの温かいカップを握りしめながら、梨奈は和也の手を握り返した。高校時代には叶わなかった恋が、今、静かに、そして確かに芽生え始めていた。陽の光が、二人の未来を優しく照らしていた。
2月14日
誕生花:カモミール
花言葉:逆境に耐える
苦難の中の力
科・属:ジャーマンカモミール:キク科シカギク属(マトリカリア属)
ローマンカモミール:キク科カマエメルム属
和名・別名:ジャーマンカモミール
ローマンカモミール
加密列
カミツレ
カモマイル




