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366日の愛の花束  作者: 辛已奈美(かのうみなみ)
2月
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2月12日 ネコヤナギ

春の陽射しが、まだ冷たい空気を柔らかく染め上げていた。川沿いの遊歩道には、綿毛のような芽を膨らませたネコヤナギが、柔らかな風になびいていた。その下で、静かに佇むのは、高校生の優希と、大学生の寛治だった。


優希は、寛治の幼馴染である。両親はもともと親交があり、寛治は優希が生まれた時から知っていた。互いの家で遊ぶことも多く、幼い頃から、優希は寛治を「お兄ちゃんみたい」と慕い、寛治はそんな優希を優しく見守ってきた。公園遊び、おままごと、絵本の読み聞かせなど、互いの両親から見ても、寛治は優希のお兄ちゃんのように見えた。


しかし、大学進学を機に、寛治は変わっていた。優しいお兄ちゃんから、背筋を伸ばし、落ち着いた雰囲気を身につけ、どこか大人びていった。優希にとって、「優しいお兄ちゃん」から「かっこいい大人の男の人」に代わっていったのだ。


「ユーちゃん。これ、あげる。」


寛治は、摘み取ったネコヤナギの枝を、少し照れくさそうに優希に手渡した。ふわふわとした芽は、春の温もりを湛えていた。優希は、その優しさに、胸がぎゅっと締め付けられるのを感じた。


「ありがとう、寛治。これ、綺麗だね。」


優希は、ネコヤナギをそっと受け取り、頬を染めた。今まで、兄妹のような関係だった二人だが、この春の陽気と、ネコヤナギの柔らかな感触が、二人の距離を少しずつ縮めていた。兄妹から、男女としての距離感になったのだ。


寛治は、優希の優しさに甘え、いつも以上に言葉を重ねた。大学での生活、友達との話、そして、抱いていた淡い気持ち。少しずつ、自分の気持ちを優希に伝え始めた。優希も、寛治が大学に行くようになってから、少しずつ、男として意識するようになっていった。寛治の優希への気持ちを聞くにつれて、その意識がより強くなっていくのを感じた。


夕暮れが近づくにつれ、川辺は静寂に包まれた。ネコヤナギの綿毛が、風に舞うように、寛治の気持ちも優希へと届けられた。その瞬間、優希の心には、ネコヤナギの芽のように、温かく、そして、柔らかな恋心が芽生えていった。 二人の春の物語は、これからゆっくりと、静かに、そして確実に進んでいく予感がした。











2月12日

誕生花:ネコヤナギ

花言葉:自由

    率直

    開放的

    思いのまま

    気まま

    努力が報われる

科・属:ヤナギ科・ヤナギ属

和名・別名:猫柳






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