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366日の愛の花束  作者: 辛已奈美(かのうみなみ)
2月
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2月11日 ガーベラ

陽気なオレンジ色のガーベラ。花屋の片隅で、それは静かに咲いていた。 その花束を受け取ったのが、理恵だった。恋人、茂留からのプレゼントだ。付き合って一年。茂留はプレゼントにはいつも、理恵の好きなガーベラを贈ってくれた。


しかし、今日の誕生日は違った。プレゼントは、いつものオレンジ色のガーベラの花束ではなく、一輪の白いガーベラだった。 理恵は戸惑った。白いガーベラは、『純粋な愛』、と同時に、『秘密の恋心』、とも解釈される。茂留は、何かを隠しているのだろうか?


その日の夜、茂留はいつもの笑顔を見せなかった。理恵の視線を感じ、彼は小さくため息をついた。「実は…仕事で、転勤が決まったんだ。転勤先は前にも一度行ったことがある、海外。時差もあるし、距離もあったなかなか会うことができなくなる。」


理恵の胸に、冷たさが走った。転勤先は、遠く離れた街。 「…いつ出発するの?」理恵は震える声で尋ねた。「まだ具体的な日程は決まっていないけど、今月中になると思う。」茂留はそう答えた。


茂留は、白いガーベラを指さした。「この花は、君に伝えられなかった気持ちを込めて。別れを告げるのではなく、いつかまた会えるように…という願いを込めて選んだんだ。」


理恵は、茂留の言葉に、涙が溢れてきた。 白いガーベラは、純粋な愛の終わりではなく、未来への希望を込めた茂留のメッセージだったのだ。 理恵は、茂留に抱きついた。「会いに来てくれるのを、待っているから。転勤しても、愛している。」と、震える声で言った。


「転勤しても、手紙を送っていい?遠距離になるからと言って、別れたくない。」そう小さな声で尋ねる理恵に、茂留は、「もちろん。手紙が送られてくるのを待っている。僕からも手紙を送るよ。楽しみにしているね。」と答えた。


それから数日後、茂留は海外へ飛び立っていった。手紙を送りあう約束として、オレンジ色のガーベラと白いガーベラの花束を互いに贈りあって。遠く離れていても、二人は、オレンジ色のガーベラのように、鮮やかな愛を胸に、未来を描いていくことを誓った。 白いガーベラは、二人の新たな旅立ちの始まりを告げる、静かな証人となった。











2月11日

誕生花:ガーベラ

花言葉:希望

    前進

科・属:キク科・ガーベラ属

和名・別名:花車

      アフリカセンボンヤリ






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