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366日の愛の花束  作者: 辛已奈美(かのうみなみ)
1月
28/60

1月27日 プルメリア

プルメリアの甘い香りに包まれた、ハワイの小さなビーチ。夕焼けが海を燃え上がらせる頃、マリアはいつものように波打ち際で一人佇んでいた。彼女は、一年前に恋人、レオを失っていた。レオは、彼女にプルメリアの髪飾りを作ってわたすのが大好きだった。その甘い香り、鮮やかな花びら、全てがレオとの思い出と重なり、マリアの胸を締め付ける。


レオとマリアは遠距離恋愛でなかなか会うことができず、レオは病気であることをマリアに隠していたので、マリアが知ったのはレオがなくなる一月前だった。急なことだったので、マリアの心の整理がいまだについていなかった。マリアはレオが亡くなってから、ハワイのレオがもともと生活していたところのすぐそばに移住していた。


ある日、ビーチでサーフィンをしていた青年、カイと出会った。カイは、レオによく似ていた。笑顔、優しい眼差し、雰囲気、話し方、そして、レオがいつも身につけていたプルメリアの香水の香りが彼からほのかに漂ってきたのだ。最初は戸惑ったマリアだったが、カイの自然体で明るい性格に触れ、少しずつ心を開いていく。


マリアがカイと仲良くなってしばらくしたころ、カイは自分がレオのいとこで、一番の親友だと明かした。レオは、マリアに自分の死後も幸せになってほしいと、カイに頼んでいたという。カイは、マリアがプルメリアを愛でていることを知っていた。マリアのことを、レオからたくさん聞かされていたからだ。そこで、レオの形見のプルメリアの種を、マリアに託した。レオの分まで、この花を大切に育ててほしいと。


種を土に埋め、毎日水をやり、カイと一緒にプルメリアの成長を見守る中で、マリアは少しずつ、失恋の痛みや、レオを失った悲しさから解放されていった。カイの優しさ、そしてレオが与えてくれた愛が、彼女の心を温かく包んでくれているからだ。ある日、芽吹いたプルメリアのつぼみが、夕日に照らされ、美しく開花した。その瞬間、マリアは、レオの死を受け入れ、未来への希望を見出すことができた。プルメリアの甘い香りは、もはやレオを失った悲しみではなく、二人の愛の証、そして新たな恋の始まりを告げる、祝福の香りへと変わっていた。











1月27日

誕生花:プルメリア

花言葉:気品

    恵まれた人

科・属:キョウチクトウ科・インドソケイ属

和名・別名:インド素馨






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