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366日の愛の花束  作者: 辛已奈美(かのうみなみ)
1月
27/60

1月26日 アマリリス

アマリリス。真紅の花言葉は「誇り」。これは、彼女のみんなからのあだ名で、その名の通り、彼女は誰からも羨まれる存在だった。容姿端麗、成績優秀、文武両道、リーダーシップがある、誰からも好かれる明るさ、気がつけばほかの人を手助けしている優しさ。そんな彼女に、幼馴染の昴は、ずっと想いを寄せていた。


昴は、アマリリスの眩しさに劣等感を抱いていた。自分には、彼女を照らす太陽のような輝きがないと考えているのだ。だから、ただ遠くから、彼女の笑顔を眺めることしかできなかった。


ある日、アマリリスが、少し元気がないことに気付いた。ほかのひとは誰も気がつかなかったが、ひごろからよくみている、昴だから気がついたのだ。いつも朗らかな彼女が、授業中もぼんやりとして、笑顔が少なくなっている。昴は、心配でたまらなかった。


昴は、勇気を振り絞り、放課後、アマリリスに声をかけた。「どうしたの? 今日は元気がないみたいだけど。」


アマリリスは、とても驚いたように昴を見た後、ぽつりぽつりと話し始めた。勉強やスポーツで優秀な成績を維持することに疲れて、将来への不安に押しつぶされそうになっていると。クラスの子たちから高嶺の花という扱いになっていて、家族や親せきからも将来を期待されていて、周りの期待に応え続けなければならないプレッシャーに、息苦しさを感じていると。


昴は、アマリリスの弱さを初めて見た。それは、太陽ではなく、繊細な月明かりのような美しさだった。今まで見たことのない、ほかの人には見せない彼女の素顔。昴は、彼女の弱さを包み込むような優しい気持ちで、静かに話を聞いていた。


その日、昴はアマリリスに、自分の気持ちを伝えることはしなかった。しかし、アマリリスの手を握り、静かに微笑んだ。その笑顔は、太陽のような眩しさではなく、月のように優しく、アマリリスの心を温かく包み込んだ。 二人の距離は、その瞬間、少しだけ縮まった。そして、昴は思った。アマリリスの本当の美しさは、完璧な輝きではなく、その内に秘めた繊細な強さにあると。アマリリスの花言葉である「誇り」が、二人の未来を優しく彩っていく予感を感じながら、昴は静かに夜空を見上げた。











1月26日

誕生花:アマリリス

花言葉:誇り

    内気

    おしゃべり

    輝くほどの美しさ

    虚栄心

    臆病な心

科・属:ヒガンバナ科・ヒッペアストルム属

和名・別名:アマリリス






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