表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
366日の愛の花束  作者: 辛已奈美(かのうみなみ)
1月
23/60

1月22日 アンスリウム

アンスリウムの花言葉は「情熱」。真紅の花びらのような仏炎苞は、まるで彼女の燃えるような恋心を映し出しているようだった。


加藤健一は、高校時代の同級生で、同じ美術部員でもあった、佐倉華子と再会した。卒業以来、7年ぶりの再会。カフェで顔を合わせた時、華子は以前より大人びて、落ち着いた雰囲気を纏っていた。そして、胸元に飾られたアンスリウムのブローチ。それは、健一が卒業前に彼女に贈った、小さなアンスリウムの押し花をイメージしたものだった。


「覚えている?」華子は、少し照れくさそうに胸元のブローチを指さした。「あなたの卒業祝いの、アンスリウムの花束をイメージして作ってもらったの。」


健一は胸が締め付けられるような感覚を覚えた。彼女への想いは、この7年間、心の奥底で静かに燃え続けていたのだ。卒業後、東京へ進学した健一は、華子への想いを胸に秘め、絵を描くことに没頭した。彼女の笑顔、話し方、仕草、彼女のすべてが彼のインスピレーションの源だった。


華子は、地元の小さなギャラリーで絵を描いていた。彼女の絵には、情熱的な赤や、繊細なピンク、そして、アンスリウムのような力強い生命力が宿っていた。それは、写実的で雰囲気ごと絵に落とし込むようにして描く、健一の絵とは全く異なる様式だが、彼女の魂を映し出した、美しい作品だった。


再会後、二人は頻繁に会うようになった。二人とも画家として生計を立てていたのだ。参考になりそうなギャラリーや、野原、湖など絵を描くために知っておきたいと考えるところに、二人で出かけていたのだ。そういうところで話をしていると、一人では気がつかない視点が見えてくる。そうやって互いに影響を与えている中で華子は健一に恋をした。


ある日、ギャラリーで個展を開いた華子。会場には、健一が贈った花束を思い出すようなアンスリウムの絵が飾られていた。その絵の前で、健一は華子に告白した。「華子、君のことが初めて会った時からずっと好きだ。あの時に渡したアンスリウムのように、君の情熱に、僕は燃えている。」


華子は、涙を浮かべながら、健一の胸に飛び込んだ。アンスリウムの花言葉のように、二人の恋は、静かに、そして力強く燃え上がり始めた。











1月22日

誕生花:アンスリウム

花言葉:情熱

    印象深い

科・属: サトイモ科・アンスリウム属

和名・別名:大紅団扇






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ