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366日の愛の花束  作者: 辛已奈美(かのうみなみ)
1月
17/60

1月16日 デンドロビウム

凛とした白いデンドロビウム。陽光を浴びて、かすかに甘い香りが漂う温室で、日南子はそれを眺めていた。彼女は、この温室で働く傍ら、趣味で好きな植物の絵を描いていた。繊細な筆致で、花びらの奥に潜む生命力まで描き出す彼女の才能は、彼女の描いた絵を見たことがある周囲から高く評価されていた。周囲のすすめで描いたデンドロビウムをコンクールに出すことにした。


ある日、有名な植物学者、蓮見修一郎は日南子が働く温室を訪れた。彼は、日南子が描いたデンドロビウムの絵を、コンクールの審査をしているときに見かけ、その絵に心を奪われたのだという。修一郎は、絵を描く高い技術があるだけではなく、日南子の描く植物の生命感、そしてその絵に宿る静謐な美しさに、強い魅力を感じていたからだ。


二人は、デンドロビウムを介して言葉を交わし始めた。修一郎は、デンドロビウムの品種や育て方、ほかのラン科の植物との違い、そしてそこに秘められた歴史を語り、日南子は、絵を描く上で感じた花の感情や生命の神秘を話した。それぞれの専門分野は違ったが、仕事で毎日植物とかかわっていること、植物への深い愛情は共通していた。また、二人とも最も好きな花がデンドロビウムであることも共通していた。


修一郎は、日南子が働いている温室に、植物研究という名目で毎日通うようになった。そして、次第に二人は植物の話や絵の話だけでなく、それぞれ自身の話もするようになっていった。いろいろな話をしているうちに、二人は互いを恋しく思うようになった。修一郎は、日南子の描いたデンドロビウムを、お願いして彼女にもらい、彼の研究室に飾った。それは、彼にとって、日南子への想いと、植物への愛が交差する、特別な存在だった。


ある夕暮れ、温室に咲く二人が大好きな、出会うきっかけにもなった、たくさんのデンドロビウムを背景に、修一郎は日南子にプロポーズをした。「君のことが大好きだ。君の描くデンドロビウムのように、美しく、そして力強く、共に人生を歩んでいきたい。」と。日南子は、嬉しそうに微笑みながら静かに涙を流し、彼の胸に抱きついた。デンドロビウムの甘い香りに包まれ、二人の未来は、希望に満ちて輝いていた。











1月16日

誕生花:デンドロビウム

花言葉:わがままな美人

    華やかな魅力

科・属: ラン科・デンドロビウム属

和名・別名:デンドロビウム






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