1月11日 カーネーション(ピンク)
陽気な笑い声が、街中にある小さなカフェに満ちていた。窓辺の席に腰掛けた真白は、対面する芽衣のうれしそうな笑顔に目を細めた。芽衣は、真白が注文したピンクのカーネーションが飾られた小さなケーキにナイフを入れると、小さくため息をついた。
芽衣は感嘆し、思わずつぶやいていた。「すごく綺麗だね、このカーネーション。チョコレートで作られた飾りじゃなくて、本物のお花みたい。」
「本当だね。今日は、君が大好きなピンクのカーネーションを使っているケーキを選んでみたんだ。そんなに喜んでくれてとてもうれしい。」
真白の言葉に、芽衣の頬はほんのり紅潮した。二人は幼馴染だ。物心つく前からずっと隣にいたからこそ、互いに気づかなかった気持ちがある。真白がその気持ちに気がついて、初めて芽衣に告白したのは、数週間前のことだった。
告白され、最初は戸惑っていた芽衣だったが、真白のまっすぐな想いに、徐々に心を開いていった。それでも、告白を受け入れるのかどうか、芽衣の心には迷いがあった。真白の優しさ、明るさ、全てが完璧すぎているように感じられ、自分がそのレベルに達することができないのではないか。と、自分の不器用さ、臆病さを、芽衣は恐れていた。
ケーキを半分食べたところで、芽衣は真白の目をじっと見つめた。「真白。私、真白の恋人になるなんて本当に大丈夫かな。」と呟くと、不安で涙が溢れそうになった。
真白は、芽衣の手をそっと握った。「大丈夫だよ。僕らはどちらかがどちらかの後ろを歩くのではなく、二人で一緒に歩いていけばいいんだ。君が君自身のことを不器用で、臆病だって考えていること、ずっとそばで見てきたから全部知っている。でも君は心根が優しく、ほかの人が困っていたら見過ごせない、とっさに助けることができる人だ。だから僕は何度でもいうよ。自分に自信がないところも、気がついていないだけでいいところがたくさんあるところも、それ以外も含めて、君のすべてが大好きだ。」
真白の温かい言葉が、芽衣の心を解き放った。涙が頬を伝い、カーネーションのピンクに染まった。握られた手をぎゅっと握り返し、芽衣は微笑んだ。それは、迷いのない、幸せに満ちた笑顔だった。ピンクのカーネーションのように、二人の恋はこれからゆっくりと、そして美しく咲いていく予感に満ちていた。
1月11日
誕生花:カーネーション(ピンク)
花言葉:無垢で深い愛
女性の愛
美しいしぐさ
感謝
科・属:ナデシコ科・ナデシコ属
和名・別名:麝香撫子
オランダナデシコ
ジャコウナデシコ
オランダセキチク




