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ラファメア・プロテクション  作者: あおいきりん
2*潜入!ピラミッド
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ルク&ベリッサとの戦い②

準備をした3人は、マリンデザートのフィールドに出た。


ロ「マオ、ピラミッドダンジョンまでの道案内、お願いしますね。」


マ「うん…わかってる。」


ロードにそう声を掛けられて答えるマオは、少し素っ気なかった。


ロ「…あの羽のようなものが生えた、水色の体のモンスターは何という名前ですか?」


マ「…〝ファンタフィッシュ〟だよ。」


ロ「では、あの鳥のようなモンスターはどうでしょう?」


マ「…〝カモノハシ〟。」


ロ「それでは、あそこにいる―。」


というように、ロードが指す通りかかるモンスターの名前を、マオが素っ気なく答えるというやり取りが、しばらく続いた。


デ「…一体何のやり取りだ…?」


2人のやり取りを見ていたディムアが、遠慮がちに尋ねる。


ロ「この地域のモンスターも攻撃してこないので戦わないんですが、ただ歩いているだけなのは退屈なので、マオにモンスターの名前を教えてもらっているんです。」


デ「…そうか。」


ロードの説明を聞き、ディムアは頷く。


ロ「それから、少しご機嫌ななめなマオの気を紛らわす為でもありますね。」


マ「…それ本人の前で言っちゃう!?」


困ったように笑うロードの発言に、マオは引きつった笑みを浮かべてつっこむ。


ロ「あ、気が利かなくてすみません。」


マ「もうっ…。」


ロードが謝ると、マオはそっぽを向く。


デ「…ごめん。私のせいだな。」


マオの機嫌が悪いのは自分のせいだと自覚し、ディムアは落ち込む。


ロ「いえ、君のせいではないので、謝らないでください。気にしなくて大丈夫ですよ。」


デ「…うん…。」


そんなやり取りを、3人がしていたときだった。


ル「あれー!?君たち、また会ったね!?」


物陰から現れ、わざとらしくそう声を上げたのは、ルクだった。


マ「げっ!また会っちゃった…。」


彼を見て、あからさまに嫌な顔を、マオは浮かべる。


ロ「…君ですか。今度は何しに来ましたか?」


呆れた様子で、ロードはルクに尋ねる。


ル「決まってるだろ?メア族のその女を捕まえに来たんだ!」


ルクは笑みを浮かべ、ディムアを指した。


デ「…っ。」


ロードはディムアの前に立ち、彼女を護る体勢を取る。


ロ「前回の戦いでもう勝敗の行方はわかりきっていると思います。それでもまた戦うんですか?」


ル「わかりきってない!俺たちにだって少しは勝ち目はあるはずだ!今回こそお前を倒してやる!」


ロードの言葉をルクは否定し、声を上げる。


ベ「さぁー、覚悟してねー☆」


ルクの後ろから笑顔のベリッサも現れ、2人は戦闘態勢を取る。


ロ「それはこちらのセリフですよ。…覚悟してください。」


ロードは笑みを浮かべ、ディムアと共に杖を構えた。


ルクはディムアに銃口を向け、パワーショットを放った。


ロードはガルベスタタイフーンを唱え、パワーショットの銃弾を弾いた。


同時に、ロードのファイアーカウンターが発動し、ルクの身体を炎が覆う。


ル「あっつぅっ!!?」


その炎はすぐに消えたが、ダメージを負ったルクは、その場にしゃがみ込んだ。


ベ「カウンターしないでよねー☆」


笑顔を見せながらそう言ったベリッサは、ウィンドエッジを唱え、ロードとディムアを風で切り裂く。


デ「…っ!」


その風の痛みに耐えながら、ディムアは直前に唱えたライトニングで、ベリッサの頭上から稲妻を落とした。


ベ「あぁっ…!?」


その衝撃で、ベリッサの身体は痺れ、膝を着く。


ロ「…残念ながら、攻撃を受けたらカウンターは必ず発動させてしまう体質なんですよ…!」


風の攻撃を受け、そう答えたロードは、ウォーターカウンターを発動し、大きな氷の塊をベリッサに放った。


ベ「いやぁっ!?」


氷の塊に全身を打たれたベリッサは、後ろに勢いよく飛ばされ、倒れ込んだ。


ル「…おらぁ!!」


ロ「っ!!」


体勢を整えたルクが放ったランダムショットを、ロードはギリギリ避けたが、ディムアは足に直撃してしまった。


デ「うぅっ…!!」


ロ「ディムアっ…!」


しゃがみ込んで足を押さえ、苦痛な表情を浮かべるディムアに、ロードは気を取られた。


マ「…ロード!また攻撃されるよ!!」


声を上げたマオの言葉に、ロードはすぐに振り向く。


ル「よっしゃ…!今のうちに追い討ちだ!!」


ルクは笑みを浮かべ、ディムアに向かってパワーショットを放った。


その弾を、ロードはスナップウィンドで打ち消す。


その直後、サンダーカウンターが発動し、ルクの身体に雷が落ちた。


ル「あがぁっ!!?」


ロ「こちらが追い討ちを掛けさせてもらいますよ!」


そう放ったロードは、ダメージを受けたルクに、スナップウィンドを唱え、大きな風で身体を切り裂いた。


ル「いでぇっ!!」


悲鳴を上げたルクは、地面の上に倒れた。


その間に、ロードはディムアにリカバリーを掛ける。


ロ「…大丈夫ですか?」


デ「…うん…ごめん…。」


ロードが顔を覗き込むと、ディムアは落ち込んだ様子を見せる。


ロ「気にしないでください。もう少しですよ。」


そんなディムアを、ロードは励ます。


マ「…今度はこっちから攻撃来そう!!」


ロ「…まだやる気ですか…。」


マオの言葉を聞き、リカバリーを途中で止め、ロードは立ち上がりベリッサを見据える。


ベ「…よくもやったなー?☆もう怒ったぞー☆」


ロードがするような怖い笑みを浮かべたベリッサは、 ガルベスタタイフーンを唱えた。


その直後、ロードにとって想定外のことが起きた。


ロ「―っ!?」


風の当たり所が悪く、ロードのメガネが外れ、風に乗って空中を舞った。


その直後にロードが発動したウィンドカウンターの風は、ベリッサに当たったが、同時に放ったライトニングの雷は、外れてしまった。


デ「っ!!」


ベリッサのガルベスタタイフーンを受ける直前に唱えた、ディムアの〝シャワーオブアロー〟の3本のマジックアローが、ベリッサに一気に突き刺さる。


ベ「うっっ!!?」


その衝撃で、ベリッサは膝を付いた。


マ「ロード!これ大事なもの!」


そう言ってマオが持ってきたのは、空中に舞ったロードのメガネだった。


ロ「っ!ありがとうございます、マオ!」


マオに笑顔を向け、ロードはメガネを掛けた。


マ「うん!多分次で勝つよ!」


ロ「…了解です!」


マオの言葉にロードは頷き、改めてライトニングを放った。


ベ「あぁぁっ!!」 雷を直撃したベリッサは、悲鳴を上げて倒れた。


マ「オッケー!勝負あったよ!」


ロ「はい。今回もディムアを守り抜きました。」


デ「…うん…ありがと…。」


マオが嬉しそうに声を上げると、ロードとディムアは顔を見合わせ、杖の構えを解いた。


ル「…くそぉ…またしてもっ…!」


傷だらけのルクは、ふらふらと立ち上がる。


マ「あはは!ドンマーイ!」


彼の姿を見て、マオは笑い声を上げる。


ベ「…あーあ、今回も負けだねー☆たいさーん☆」


ル「…あ、ベリッサ!置いてかないで…!


自分でリカバリーで回復して先に退散するベリッサを、ルクはゆっくり追いかけようとする。


ロ「…あぁ、そうです。君に聞きたいことがあったんですよ。」


そう言った笑顔のロードは、ルクの行く手をさえぎるように立った。


ル「…へっ…!?き、聞きたいこと…?」


苦笑いをしたルクは、力の抜けた声で呟く。


ロ「僕の質問に正直に答えてくれたら、もう何もしないで帰しますので。」


ル「…えーと、なんでしょう?」


ロードの口からどんな質問が出てくるのかと、ルクは内心びびっている。


ロ「君たちは、ディムアがメア族だということが何故わかったんですか?」


ル「え?そりゃ、闇の魔法を使っていたから…。」


マ「いや、ディムアは闇の魔力を使った魔法は使っていないよ。前回初めて会ったときだってそう。闇の魔力は使ってないのにメア族だってわかったのはなんで?」


ロードの肩の上に乗ったマオが、ルクに尋ねる。


ル「…。ベリッサが闇の魔力を感知する力を持ってるんだよ。」


「―っ!」


観念した様子のルクの返答に、ロード、ディムア、マオは驚く。


ロ「それは、彼女にしかない特別な力ですか?」


ル「さぁ…ベリッサだけしかないっていうことはないと思うけど。他にもその力を持ってる奴はいるんじゃないかな…。」


ロードの問い掛けに、ルクは考えながら曖昧に答える。


ロ「…わかりました。行っていいですよ。」


そう言ったロードは、ルクから1歩離れる。


ル「や、やった!逃げろー!」


ルクは慌てて走り出し、ロードから遠く離れていく。


マ「おーい!もう近付いて来ないでよー!」


遠くなるルクに向かってマオはそう叫ぶが、彼から返事は来なかった。


マ「闇の魔力を感知する力を持ってる奴がいるなんて…厄介だね。」


ロ「そうですね。その力を持つ者がどのくらいいるのか、想像も付きませんが…。」


マオの言葉に、ロードは考え込む様子でそう返す。


マ「でも、これでディムアと一緒に行動してると、そういう力を持つ奴らに狙われるから更に危険ってことがわかったね。その分オレたちも危険に晒される訳だし、そろそろディムアとは離れた方がよくない?」


ロ「その必要はないです。更に用心深く、ディムアを守ればいいだけですから。」


マ「なんで?オレは、ロードの為に言ってるのに…。」


ロ「マオが心配してくれているのはわかります。でも、どんなことがあっても2人を守る覚悟でいるので大丈夫ですよ。」


マオが不安そうな表情で言っても、ロードの意思が変わる様子はなさそうだった。


デ「…別に、私はいつでも離れることは出来るが…。」


2人のやり取りを聞いていたディムアが、気まずそうにそう呟く。


しかし、その表情は少し寂しそうだった。


ロ「僕たちから離れることなんて考えなくていいんです。君は仲間なので、何も気にすることなく、一緒にいてくださいね。」


そんなディムアを安心させるように、ロードは彼女に微笑み掛ける。


マ「…はぁ…。」


デ「…。あれは大丈夫か? 」


自分たちに背を向けて、ため息をついて肩を落とすマオを指し、ディムアは尋ねる。



ロ「マオのことも気にしなくて大丈夫です。彼はとても心配性なだけなので。」


デ「…そうか…。」


小さく笑って言ったロードの言葉に、ディムアは戸惑いながらもゆっくり頷く。


ロ「…話を戻します。闇の魔力を感知する者が存在するということですが、今までと変わらず、闇魔法は使わないようにお願いしますね。」


デ「うん…わかった。」


ロードの指示を聞き、ディムアはもう一度頷いた。


ロ「では、気を取り直して、ピラミッドダンジョンに向かいましょう。マオ、また道案内お願いします。」


マ「…はいはい。こっちだよ。」


ロードに顔を覗き込まれたマオは、まだ機嫌悪そうに顔をそむけ、ピラミッドダンジョンの方向に進み出す。


ロードとディムアも、マオの後を追って歩き出した。


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