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ラファメア・プロテクション  作者: あおいきりん
2*潜入!ピラミッド
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情報屋と交渉

休憩を終えた3人は、街に出た。


よく見ると、旅人や街人がフリーマーケットを開いて賑わっているようだった。


マ「わぁ!なんか楽しそう!」


ワクワクした様子で、マオはその賑わう場所へ飛んでいった。


デ「…自由だな。」


マオを見て一言、ディムアは静かに呟く。


ロ「僕たちも見に行ってみますか。何か掘り出し物があるかもしれませんよ。」


デ「…まぁ、見るだけなら。」


あまり興味はないが、ロードに誘われるがままに、ディムアは彼と一緒にフリーマーケットが開かれている場所へ行く。




「いらっしゃいませー!安いよー!」


店主の旅人や街人が、商品を眺める客人たちに声掛けをしている。


マ「へぇぇ、新しいものがいっぱい!」


並んでいる商品を見渡し、マオは目を輝かせている。


ロ「そうですね。でも、わざわざ買わなくても、自分たちで採取出来そうな物ばかりですね。」


マ「た、確かにそうだね!」


ロードの言葉に、マオはハッとなり、財布の紐を固く結ぶ。


デ「…。」


フリーマーケットを楽しむ人々の様子を、ディムアは遠くから眺めていた。


しばらくフリーマーケットの出店を見て回っていた3人は、ある店の前で足を止めた。


その店の看板に『知りたい情報売ります』と書かれていた。


ロ「…ここ、少し気になります。」


マ「うん、何か他の店と違うね!」


ロードとマオはそう話し、ディムアもつれて、店主に話を聞くことにした。


情「こんにちはー!何か知りたい情報があれば、情報屋の俺が報酬と引き換えに教えてあげるよ!」


店主である情報屋の青年は、3人に笑顔を向けてそう声を掛けてきた。


ロ「こんにちは。どんな情報でも教えてもらえるんですか?」


情「まぁ、内容によるけどね。ちなみに、どんなことが知りたいの?」


ロードの問い掛けに、情報屋はそう答え、逆質問をしてくる。


ロ「…今一番知りたいことは、『メア族について』です。」


デ「…っ!」


情報屋に言ったロードの言葉を聞き、ディムアは困惑する。


マ「あー!オレも是非ともメア族のこと知りたいなぁ!」


デ「…。」


そう言いながらマオに横目で見られ、ディムアはうつむいた。


情「へぇーっ、キミたち、メア族に興味あるんだ?全然知らないの?」


ロ「そうなんです。僕たちは、カバリア島に来てから、まだ間もないもので。」


情報屋に尋ねられ、ロードは困ったように笑って答える。


情「そっかー!いいよ、報酬と引き換えに、メア族のことを教えてあげるよ。」


マ「やった!それで、報酬はどのくらいなの?」


マオは喜び、情報屋に尋ねる。


情「んー、じゃあ、10万ゲルダでどう?」


マ「じゅっ、10万ゲルダ!?高すぎない!?」


情報屋が提示する金額の高さに、マオは声を上げる。


情「払えないなら、教えてあげられないなぁー。」


マ「むぅぅ…。」


情報屋の笑顔を見て、マオは悔しそうに唸る。


ロ「…ところで情報屋さん、君は今欲しい物はないですか?」


情「え?欲しい物?」


ロードの突然の質問に、情報屋はきょとんとする。


ロ「例えば、強いモンスターが落とすアイテムとか…欲しくないですか?」


情「…あ、うん!確かに、俺には倒せないモンスターのドロップ品で欲しいアイテムがあるよ!」


ロードに顔を覗き込まれてそう尋ねられた情報屋は、閃いた様子を見せる。


ロ「では、そのアイテムを僕たちが取ってくるので、そしたらメア族のことを教えていただいてもいいでしょうか?」


笑顔を見せて、ロードはそう提案する。


情「本当に!?君、取り引き上手いね!」


ロ「ありがとうございます。」


喜ぶ情報屋の言葉に、ロードは小さく頭を下げる。


情「でも、俺が欲しいアイテムを持つモンスターは、かなり強いよ?倒せるかなぁ?」


ロ「絶対倒してみせますよ。」


情報屋の脅しにも、ロードは動じずしっかり頷く。


情「へぇー、すごい自信だね。じゃあ遠慮なく頼むけど、〝ピラミッドダンジョン〟に潜む〝ツタンカーメン〟が付けてるイヤリングを取ってきて欲しいんだ!」


マ「ピラミッド…ダンジョン…!?ツタンカーメン!?」


突然、マオは目を輝かせる。


ロ「わかりました。行ってきますね。」


情「あぁ、よろしく!メア族の情報を準備して待ってるよ!」


ロ「はい、よろしくお願いします。」


交渉が成立し、ロードたち3人は、情報屋の店を離れた。




マ「ふぅ…!危うく10万ゲルダ払わされる所だったね!」


情報屋の店から遠く離れた頃、マオはそう言って息をつく。


ロ「相手の言う通りにそんな大金払うのはもったいないですからね。こちらの提案も聞いてもらえて良かったです。」


マ「これからピラミッドダンジョンとツタンカーメンのデータ収集も出来るし、これなら損することないもんね!さすがロード、頭が回るぅ!」


ロードとマオは、笑顔でそう話す。


デ「…。」


その2人の後ろを、ディムアは無言で歩いている。


ロ「…ということで、ピラミッドダンジョンへ行くことになりました。ディムア、準備をお願いしますね。」


そんなディムアに、ロードは声を掛ける。


デ「…メア族のことを知る為に行動するんだろう…。私としては、本当に気が進まないんだが…。」


浮かない表情で、ディムアはそう呟く。


マ「…そんなに気が進まないんならさ、オレたちと一緒に来なければいいんじゃない?嫌々一緒に来られても、楽しくないんだよね。」


デ「…。」


少し意地悪な態度でマオに言われ、ディムアはうつむく。


ロ「マオ、そんなこと言うものではないですよ。」


マオの前に立ち、ロードは彼を宥める。


ロ「ダンジョンには、フィールドより強いモンスターが生息しているようです。戦力が僕だけだと心もとないので、君が一緒に来てくれると、とても助かるのですが…。」


デ「…私がいたら、逆に足でまといじゃないか…?」


ロードの言葉に、ディムアは遠慮がちに返す。


ロ「そんなことありません。君の力が必要なんです。」


真剣な眼差しで、ロードはディムアを見つめる。


デ「…仕方ないな…。」


少し考え、ひとつ息をついて、ディムアは渋々頷く。


ロ「ありがとうございます。」


安心したように、ロードは微笑んだ。


マ「…なんだよ、嫌な感じ。」


ディムアを横目で見て、マオは誰にも聞こえないように呟いた。


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