オディニアとの戦い・メリル救出
そして、その場所に6人はたどり着いた。
その広い氷の空間には、生気を失った表情の不気味な女が立っていた。
ル「な、なんだ…!?モンスターっ!!?」
その姿のあまりの不気味さに、ルクは身体を硬直させる。
マ「…あっ!こいつ〝オディニア〟だよ!!ブルーストーンを持ってるっていう…!!」
フ「…っ!ここにいたのね…!!」
マオが声を上げると、フレイシーは怖々呟いた。
オディニアの背後に、下半身が氷漬けにされた、横たわっている少女がいた。
カ「―っ!!メリル!!」
その少女が妹のメリルだとわかった瞬間、カイルは叫び、オディニアに向かって走ろうとした。
デ「…ダメだ!!行くな!!」
危険を察知したディムアは、カイルの腕を咄嗟に掴んだ。
オ「フフフフ…!!」
不気味な笑みを浮かべたオディニアは、アイスクリスタルを唱え、カイルに向けて巨大な氷を放った。
その氷を、ロードは瞬時に唱えたライトニングで粉々に砕いた。
ロ「メリルを返してもらいます…!」
そう呟いたロードは、怒りのこもった瞳で、オディニアを見据える。
マ「…オディニアのデータ、よく聞いて!耐性は水、風、雷、土!弱点は無属性魔法、火、銃だよ!!」
ロ「…わかりました!」
マオの説明を聞き、ロードは頷いた。
オ「ヒヒヒッ…!!」
それと同時に、不気味な笑みを浮かべたオディニアは、周囲に数体のプレレとプレヤを出現させた。
ル「マジかよ…!?この危険なモンスターを出すなんて…!!」
フ「あの攻撃に触れたら…!!」
その光景に、ルクとフレイシーは愕然としている。
ロ「僕たちなら絶対勝てます!みんな…頑張ってください!」
仲間たちにそう声を掛けたと同時に、ロードはフレイムフィールドを唱え、オディニアの身体を炎で覆った。
オ「…ウゥッ…!!」
熱さに苦しみながら、オディニアはマジックアローをディムアに放った。
デ「っ!!」
ディムアは素早く反応し、カイルとともに床を転がり、マジックアローを避けた。
カ「…うぅ…怖いっ…!!」
ディムアに支えながら立ち上がるカイルは、今にも泣きそうだった。
デ「大丈夫…。私から絶対離れるな。」
カ「…うん…!」
ディムアに静かに声を掛けられ、カイルは頷いた。
ル「…そうだよな…!俺たちなら、この戦いに勝てる!!」
フ「…うん!戦いましょ!!」
ロードの言葉を聞き、ルクとフレイシーは頷き合う。
そして、向かってくるプレレたちに、フレイシーはガルベスタタイフーンを、プレヤたちにはルクがランダムショットを放ち、ダメージを与えていった。
オ「アァァアッ!!」
フレイムフィールドの炎を振り払うと同時に、オディニアはロード、ディムア、カイルに、ライトニングを放った。
「っ!!!」
雷を直撃したディムアとカイルは、膝を付く。
ロードは魔力でダメージを軽減し、一瞬体勢を崩すが、すぐに立て直した。
その直後、ファイアーカウンターが発動し、オディニアを再び炎で覆った。
マ「…ロード!!ディムアとカイルが危ない!!」
ロ「っ!!」
マオの言葉に素早く反応したロードは、ディムアとカイルに接近していたプレレとプレヤに、ガルベスタタイフーンを唱え、風で切り裂き消滅させた。
ロ「2人とも、大丈夫ですか!?」
デ「…うん。ありがと…!」
ロードに尋ねられ、ディムアはカイルとともに頷いて見せた。
オ「アァァッ!!」
再び叫んだオディニアは、 アイスクリスタルを唱え、ロードに氷塊を勢いよく放った。
その氷塊を、ロードはウィンドエッジの風で切り、受けるダメージを出来る限り減らした。
その直後、ファイアーカウンターが発動し、オディニアを炎で攻撃した。
それと同時に、ロードは再びフレイムフィールドを唱え、オディニアを断続的な炎の魔法でダメージを与えた。
オ「ウウゥッ…!!」
オディニアは、苦しそうなうめき声を上げている。
マ「ロードの火属性の魔法がかなり効いてる!もう少しで倒せそうだよ…!」
ロ「はい!あと少しですね!」
ロードとマオが、そう交わしたときだった。
フ「きゃぁっ!!」
ルクとともに、プレレ、プレヤたちと戦っていたフレイシーが悲鳴を上げた。
ル「フレイシー!!」
応戦中に、プレヤの攻撃を足に受け、動けなくなってしまったフレイシーを、ルクがモンスターから護っている状況となっていた。
マ「ヤバい!!ルクにも攻撃が…!!」
マオがそう声を上げたと同時に、ロードはフレイムトルネードを唱え、2人に襲い掛かるプレレとプレヤを、炎で燃やして消滅させていた。
ル「ロード、悪い…!」
申し訳なさそうに、ルクがロードと視線を合わせる。
ロ「フレイシーは大丈夫ですか…!?」
フ「うん…!私は自分で回復出来るから、大丈夫!ごめんね…!」
ロードが心配そうに尋ねると、足の痛みに耐えながら、フレイシーはそう答えた。
3人が、そんなやり取りをしているときだった。
マ「…!!オディニアがっ!!」
オディニアを凝視したマオが、恐怖で声を上げた。
オディニアが最後の悪あがきの冷たい息を、カイルに向けて吹き掛けていた。
カ「―っ!!!」
その息を避けることが出来ず、カイルは下を向き、目を強く瞑る。
しかし、その息を、咄嗟にカイルの身体を押したディムアが全身に浴びた。
デ「…うぅっ…!!」
苦しそうな声を漏らし、ディムアは倒れた。
ロ「ディムアっ!!」
その光景を見て、ロードは叫ぶ。
カ「…ディムア…どうして…!?」
デ「…お前は…こんな、ところで…死んじゃ、ダメだ…。メリルを…守れ…。」
カ「…っ。」
力無く、しかし穏やかに微笑むディムアの言葉に、カイルは涙した。
オ「…ハハハ…アハハハハッッ!!!」
ロ「…許さない…!!!」
狂ったように笑うオディニアに、ロードは殺意を抱き、最大級の〝イラプション〟を放った。
オ「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッッ…!!!」
オディニアはそのあまりの熱さに苦しむ。
そして、やがて消滅した。
ル「…ディムア…!?」
フ「大丈夫!?ディムア!!」
ディムアが倒れていることに気が付いた2人は、急いで駆け寄る。
ロ「…っ。」
苦しそうな表情で目を閉じ、小さな呼吸を繰り返すディムアに、ロードは必死の思いでリカバリーを掛ける。
マ「…ロード?ディムア大丈夫…だよね…?」
ロードの肩に乗ったマオは、彼に静かに尋ねる。
ロ「…リカバリーが…効きません…。」
マ「…えっ…?」
震える声の静かなロードの言葉に、マオは言葉を失う。
カ「…ごめん…ディムアは…俺を庇ってくれたんだ…。俺のせいだ…!!」
カイルは涙ながらにそう話す。
ル「嘘だよな…!?ディムア、死なないよな!?」
ルクも必死の思いで、ロードに抱き起こされている、瀕死のディムアに声を掛ける。
ロ「…ディムア…お願いします…!元気になってください…!!」
ロードもディムアに声を掛けながら、彼女の笑顔を取り戻せるように願いを込め、必死にリカバリーを掛け続けた。
デ「…ロー…ド…。」
薄ら目を開けたディムアは、ロードを見つめている。
ロ「…。すみません…。君を護りきれませんでした…。力不足でした…。」
ロードの瞳から、涙が零れる。
デ「…ううん…今まで…護ってくれて…ありがと…。嬉しかった…。」
優しく微笑んで言ったディムアの瞳からも、涙が零れた。
フ「…。」
そのとき、フレイシーがディムアの身体にそっと手を添えた。
ロ「…フレイシー…。」
フ「…大丈夫よ。私、ラファ族だもん。きっとディムアを助けられるわ!」
ロードと視線を合わせたフレイシーはそう言い、微笑んだ。
そして、次の瞬間、ディムアとフレイシーの身体が眩い光を放った。
「…っ!!」
その光景を目の当たりにした全員は、息を呑む。
やがて光が消える。
ロ「…ディムア…大丈夫ですか…?」
恐る恐るロードが声を掛けると、ディムアはゆっくりと目を開ける。
デ「…ロード…。うん、大丈夫。」
そして、小さく頷き、頬を赤らめてロードに微笑み掛けた。
ロ「…っ。。」
ロードは安堵で言葉が出ず、涙を流しながら、ディムアを優しく抱きしめた。
デ「…。」
顔を真っ赤にしながらも、ディムアはロードの身体を抱きしめ返した。
マ「フレイシー、すごい…!ディムアを一瞬で回復させられたね!」
ル「ロードのリカバリーが効かなかったのに…。これがラファ族の力なんだな!」
マオとルクは、とても嬉しそうに顔を見合わせた。
カ「ディムア…よかった…!!」
ディムアが回復した光景に、カイルも涙ながらに喜んだ。
メ「にぃーに!!」
そんなカイルに、フレイシーの光の魔力により回復したメリルが抱きついた。
カ「メリル…!!」
2人とも涙を流して抱き合った。
ロ「フレイシー…。ディムアを助けてくれて、本当にありがとうございます。」
デ「ありがとう。もうダメかと思った…。」
ロードとディムアは、まだ瞳を潤ませながら、フレイシーに感謝の言葉を述べる。
フ「どういたしまして!助かって本当によかったわ!」
フレイシーは微笑んでそう返した。
ル「…よし!ディムアもメリルも助かったことだし、このダンジョンを出よう!」
ルクは明るく仲間たちにそう呼び掛ける。
マ「…あ!ロード、これ忘れてない!?」
オディニアが消滅した場所から何かを拾い、マオはロードに向けて投げる。
ロ「っ!」 ロードはそれをキャッチし、見つめる。
蒼色に光り輝く、ブルーストーンだった。
ロ「ありがとうございます、マオ。」
ロードとマオは笑顔を見せ合う。
カイル、メリルを含めた7人は、ダンジョンを出た。




