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ラファメア・プロテクション  作者: あおいきりん
11*メア族との約束
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メア族の兄妹

ロードたち5人は、スノーヒルの村の近くに来ていた。


マ「よーし!スノーヒルの村に到着まであと少し!みんな、頑張って!」


ル「あ、あぁ…うん…。」


マオの掛け声に、ルクは覇気なくそう返事をする。


マ「ちょっとちょっと!?ルク全然元気がないじゃん!どうしたの?」


ル「いや…寒くて元気が出なくて…。」


マ「え、そうなの?」


ルクの言葉に、マオはきょとんとする。


ロ「マオは暑いも寒いも感じないですからね。羨ましいです。」


マ「うん。オレは全然大丈夫。みんなも寒いの?」


ロードが言うとマオは頷き、仲間を見渡す。


デ「…かなり寒い。」


普段薄着のディムアも、暖かスパッツと厚手のコートを着て寒そうにしている。


ロ「スノーヒルは、雪がいつでも降っている極寒の地域です。その場所に近付いているので、寒いはずですね。」


ロードは笑みを見せて説明する。


フ「でも、もう少しで着くのよね。村に着いたら、まずは温まりましょ!」


ル「うん、そうだな。」


フレイシーとルクは、顔を見合わせ頷いた。


デ「…っ!?」


そのとき、ディムアの顔色が突然変わり、立ち止まる。


ロ「…ディムア?どうしましたか?」


その様子に気が付いたロードが、彼女に声を掛ける。


デ「…近くで、闇の魔力を感じる…!」


ロ「―っ!!」


ディムアの言葉に、ロードだけではなく、仲間たち全員に衝撃が走る。


マ「う、嘘っ!?メア族が近くにいるってこと…!?」


ル「ど、どこにいる?」


フ「突然すぎて心の準備が…!」


マオ、ルク、フレイシーは、突然の事態に混乱している。


ロ「…村の方からでしょうか。行ってみましょう。」


デ「うん…!」


冷静に言ったロードに、ディムアは頷く。


5人は、スノーヒルの村に急いで向かった。




雪の降るその村では、村人たちがざわついていた。


「さっきそこで闇の魔法で襲われたんです…!怖かった…!」


?「大変でしたね。無事でよかった。」


しばらく歩いていると、怪我を負った村人と話をしている男性と会った。


ロ「あの、少しお話良いでしょうか?」


ロードは男性に声を掛ける。


?「ん?君たち、ここにいたら危ないよ。家の中に避難していなさい。」


ロードたちに顔を向けた男性は、少し焦りの感じる口調でそう注意した。


ロ「…もしかして、メア族に襲われましたか?」


?「あぁ、そうだよ。村の住民がメア族に襲われてしまったんだ。村の中でメア族の目撃情報が入って、村人はパニックになっている。君たちも襲われないように、家の中に隠れていて欲しい。」


怪我を負った村人に視線を向けたロードの問い掛けに、男性はそう答えた。


ロ「実は、僕たちはメア族に会いたいと思っているので、隠れているわけにはいかないんですよ。」


?「メア族に会いたい?やめた方がいいよ。メア族はとても凶暴だ。会っても話は出来ないし、襲われるだけだよ。メア族のことは私に任せて、さぁ、早く…。」


隠れに行こうとしないロードたちを、男性は少し険しい表情で説得しようとする。


そのとき、近くで発砲音と少年らしきものの悲鳴が聞こえた。


「っ!!」


ロードたちは、すぐに現地へ走った。




そこには、ライフルを持つ旅人と、足に大怪我を負った少年の姿があった。


?「…うっ…あぁぁっ…!!」


出血する足を押さえ、少年は必死に痛みに耐えている。


「よしっ…。もうその足では逃げられないだろう。憎きメア族め…村人を襲いやがって!」


もがき苦しむ少年を、旅人は睨み付ける。


ロ「…待ってください!」


少年と旅人の間に、ロードは立った。


「…なんだ、お前は。そこをどいてもらおうか?」


旅人は、今度は目の前に立つロードを睨み付ける。


ロ「これ以上彼を傷付けないでください…お願いします…。」


悲しみのこもった視線で、ロードは旅人を見据える。


「メア族を庇う奴がいるのか…。なら、まとめて殺るしかないな…!!」


ロ「…っ。」


旅人とロードは戦闘態勢を取ろうとした。


?「争いはやめなさい。」


落ち着いた声を発し、男性が旅人の前に出てきた。


「…チッ。俺はメア族を捕まえようとしただけなのに…。」


?「メア族を捕らえたことは感謝する。しかし、命を奪うのは、たとえ相手がメア族だろうと、私が許さないよ。」


「…ふんっ。」


旅人はその場から去っていった。


?「…。」


ロードを一瞥した後、男性は少年の方に視線を向けた。


傷付いた少年に、ディムアがリカバリーを掛けていた。


?「っ!君、その少年からすぐ離れた方がいい!」


男性は慌て、ディムアに向けて声を上げる。


ロ「…大丈夫です。ここは、彼女に任せていただけないでしょうか。」


?「…なに…?」


ロードにそう声を掛けられ、男性は困惑する。


?「…。」


少年は、ディムアにリカバリーをかけられている間、大人しくじっとしていた。


仲間たちも、その様子を遠目から見守っている。


デ「…もう大丈夫だ。」


傷がほぼ治った少年の足を見て、ディムアは小さく笑う。


?「…お前…メア族か?」


デ「そう。お前と同じ、私もメア族だ。私はディムア。お前の名前は?」


?「…〝カイル〟。」


ディムアから視線を逸らし、カイルは答える。


デ「カイル。何か困ったことがあって、この村に来たのか?」


カ「…うん。〝メリル〟が…。俺の妹が、昨日から行方不明なんだ…。」


デ「…妹とはぐれてしまったのか?」


カ「うん。俺たちの隠れ家が人間に見つかって、襲われたんだ。必死に逃げているうちに、妹と離れ離れになっちゃって…。今頃人間に襲われてしまっているかもしれない…。」


そう話すカイルは、目に涙を浮かべていた。


デ「…私たちがメリルを探してくる。だから、泣くな。」


カ「…探してくれるのか…。でも、俺の力で探し出したい。」


デ「じゃあ、私たちは手伝う。一緒に行こう。」


ディムアは小さく笑い、カイルに手を差し出した。


カ「…。」


しかし、カイルはその手を取ることなく、突然立ち上がる。


カ「…お前がメア族でも、お前の周りは人間ばかりじゃないか…!そんなやつと一緒にいたくない!」


デ「…っ!」


悲しい表情で声を上げたカイルを、ディムアは見つめる。


ル「…お、お前な!せっかくディムアが手伝うって言ってやってるのに、そんな言い方は…!」


フ「ルクっ…!」


ルクの言葉を、フレイシーが慌てて止める。


カ「…っ。」


次の瞬間、カイルは、黒いもやを出現させ、その場にいる全員にもやを浴びせた。


「っ!!!」


突然の激しい息苦しさに、全員はしゃがみこむ。


その直後、ロードのサンダーカウンターの雷が、カイルに直撃する。


カ「…うぐっ…!!」


ダメージを受けながらも、カイルはその場から立ち去っていった。


?「…待ちなさいっ!」


彼を追いかけようとする男性の腕を、ロードが咄嗟に掴み、それを制した。


?「…!」


男性は思わずロードを軽く睨む。


ロ「…すみません、失礼しました。」


ロードは男性の腕を離し、頭を下げる。


?「…一体君たちは何者なんだ?メア族を捕まえようとする私を阻止したいのか?」


少し怒りがこもった口調で言い、男性はロードたち5人を見渡す。


ロ「…申し遅れました。僕たちは通りすがりの旅人です。僕はロードといいます。」


ロードから始まり、マオ、ルク、フレイシー、ディムアは、それぞれ名前を名乗った。


?「…私は〝ウェラト〟。メア族を見つけて保護する為の活動をしているよ。」


ロ「保護…ですか?」


予想外のウェラトの言葉に、ロードは驚きを見せる。


ウ「そう。メア族は危険だが、それでも一人一人が尊い命を持っている。世の中にはメア族の命を狙う者が残念ながらたくさんいるから、メア族が殺されてしまう前に、見つけ次第保護して、彼ら専用の施設へ入れているんだよ。」


マ「じゃ、じゃあ、今も何人ものメア族が施設にいるってこと?」


ウ「あぁ、たくさんいるよ。」


マオの問い掛けに、ウェラトは頷く。


フ「メア族を保護してくれていたんですね…!メア族は、今まで命を奪われていたとばかり思っていたから、嬉しいです!ありがとうございます!」


フレイシーは微笑み、ウェラトに頭を下げた。


ウ「おや…感謝されるなんて思っていなかった。君たちも、メア族を救いたいと思っているのかな?」


ロ「はい、そう思っています。」


ウェラトの問い掛けに、ロードは頷く。


すると、ウェラトの表情は穏やかなものになった。


ウ「そうだったか。そうとは知らず、怒ってしまって悪かったね。」


ロ「いえ、僕も言葉足らずだったので…。」


ロードは視線を落としてそう返す。


ロ「話を戻しますが、カイルは妹のメリルを探しに行かなければいけないようです。メリルが見つかるまで、保護するのは待っていただけないでしょうか?」


ウ「…しかし、メア族を離しておくなんて危険すぎる…。君たちも、先程の彼の凶暴さを目の当たりにしただろう?」


ロードの真剣な瞳を、ウェラトは焦りを隠しきれないまま見つめ返す。


ロ「確かに凶暴ですね。でも、同じメア族のディムアには攻撃しませんでした。」


ウ「あ、あぁ…。驚いたよ…。君もメア族だったなんて…。凶暴ではないメア族なんて初めて会ったよ。」


驚いた様子で、ウェラトはディムアに視線を向ける。


デ「…。」


ディムアはその視線を逸らした。


ロ「メリルを見つけ出した後、ディムアを通して彼らを連れて戻ってきます。なので、ここも僕たちに任せていただけますか?」


ウ「…君たちになら任せられそうだ。わかった。くれぐれも気を付けるようにね。」


ロ「ありがとうございます!」


ウェラトの返答を聞き、ロードは頭を下げた後、仲間たちと笑顔を見合わせた。


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