コンテスト予選
そして翌日、女装コンテストの予選の日を迎えた。
会場には、審査をするたくさんの人が舞台に向かって座っていた。
マ「わぁ…!人がいっぱい!」
予想以上の人の多さに、マオは声を上げる。
フ「まずは予選突破出来ますように…!2人とも、頑張ってね!」
ル「き、緊張する…!けど、行くしかないな!」
フレイシーからのエールを受け、ルクは緊張でぎこちなく頷く。
デ「…きっと予選通過出来る。…頑張れ。」
ロ「…はい。ありがとうございます。」
ディムアとロードは小さく笑い合う。
マ「ロードもルクもファイトー!」
マオにも見送られ、2人はともに控え室へと向かった。
控え室には、たくさんの女装者がいた。
ル「…すごい光景だなぁ…。」
彼らを見て、ルクは思わず苦笑いして声を漏らす。
ロ「参加者が想像以上に多いですね…。この中で上位8位になるというのは、狭き門ですね。」
わずかに不安な表情を、ロードは見せる。
ル「…弱気になるなよ、ロード。大丈夫、俺たちはフレイシーたちにめちゃくちゃ可愛く美人にしてもらったんだ。負けるわけがない!」
ロ「…そうですね。絶対勝ちましょう。」
2人は頷き合った。
リ「ただいまより、第10回マーメイドパレス女装コンテストを開催します♡」
司会のリリアンのそのアナウンスにより、コンテストは始まった。
ロードとルクより先にステージに出ていく参加者たちを、2人はステージ裏から覗く。
1人ずつ舞台袖から出てきて、ステージの真ん中でポーズを取り、観客にアピールをする。
そして、出てきた方の逆方向の舞台袖へ戻るという流れを確認した。
観客はひとりひとりがスイッチを持っており、その参加者が合格だと思ったらスイッチを押しているようだ。
いよいよ、次はルクの出番となった。
リ「…続きまして、エントリーNo.126の方♡」
ルクは再びロードと視線を合わせて頷き合った後、舞台袖から出て、ステージを歩き出した。
マ「…お!まずはルクだ!」
デ「意外と落ち着いて歩けているな…。」
フ「きゃー!ルク可愛いー♡」
マオ、ディムア、フレイシーは、ルクを見守る。
ステージの真ん中で、ルクは銃を持って撃つ仕草をして、観客に向かってウインクをした。
ガンナーのルクらしい決めポーズだと、事前に仲間たちと一緒に決めたポーズだった。
そのポーズをしたとき、観客たちから軽い歓声が上がった。 そして、ルクは舞台袖へ入っていった。
デ「次はロードか…。」
マ「そうだね!次だよ!」
ディムアとマオは、ロードの登場をハラハラしながら待つ。
リ「…続きまして、エントリーNo.127の方♡」
そのアナウンスの後、ロードが舞台袖からゆっくり出てきた。
その瞬間から、観客はロードの美しさにザワついている。
フ「わぁぁ…歩き方綺麗…!」
マ「いや、もう全てがウツクシイね…♡」
デ「…綺麗…。」
フレイシー、マオ、ディムアは、思わず見惚れる。
そして、ステージの中央では、ウインクをして、少し恥ずかしそうに投げキッスをした。
観客からは、歓喜の声が上がった。
マ「なんだろう…最高。笑」
デ「…投げキッスか…。反則級に可愛いな…。」
フ「しかもアドリブね…!さすがロード♡」
3人は、ロードに夢中になっていた。
帰りも輝かしいオーラを発しながら、ロードは舞台袖へ戻っていった。
リ「…続きまして、エントリーNo.154の方♡」
そのアナウンスで出てきたのは、前コンテスト優勝者のシャルンだった。
彼のファンも多いようで、その美しさで、観客を沸かせていた。
マ「…この人か。確かに綺麗だけど、ロードの方が絶対可愛いし綺麗だと思う!」
デ「うん。私も同感だ。」
フ「そうよね!ルクも負けてないわ!」
そんな話をしながら、3人は彼も見届けた。
全ての出場者の審査が終わり、結果発表の時間になった。
ル「絶対通過出来る…。大丈夫…大丈夫…。」
ロ「はい。きっと大丈夫です…。」
参加者の群れに紛れ、2人は予選通過を祈っている。
観客席の後方でも、ディムア、マオ、フレイシーは、手を合わせ、2人の予選通過を願っていた。
リ「それでは、予選通過の方を発表します♡エントリーNo.25、66、104、126、127、154、211、230の方々です♡予選通過、おめでとうございます~♡」
そのアナウンスを聞き、観客たちは大きな拍手をした。
フ「…えっ!?ロードもルクも予選通過!?」
デ「す、すごい…!」 マ「やったぁー!!」
3人は、手を取り合って喜びを分かち合った。
ル「…126と127…!!俺たち呼ばれたよな…!?」
ロ「呼ばれました!やりましたね!」
ル「よっしゃー!!」
控え室のルクとロードも喜び、握手をして笑顔を見せ合った。
リ「それでは、今呼ばれた8名の方♡ステージ上へお越しください♡」
そのアナウンスで、ロードとルクはステージの上に立った。
観客席の後ろで喜んで手を振るディムア、フレイシー、マオに、2人は手を振り返した。
リ「改めて、8名の皆様、予選通過おめでとうございます♡明日の決勝戦も、更に可愛さと美しさをアピールして、優勝目指して頑張ってくださいね♡」
ロードとルクは、自分たちと同様明日の決勝のステージに立つ、予選通過した6人に視線を向ける。
予選通過しただけのことはあり、誰もが美しい女装者だった。
ル「…やっぱりいるな。」
ロ「シャルンさんですか?もちろん予選通過していますね。」
隣に立つシャルンを見て、2人は静かにそう話す。
シ「あら…2人揃って予選通過なんて、なかなかやるじゃない。でも、これは序の口。本番は明日からよ…!」
シャルンはロードとルクに不敵な笑みを見せた。
ル「絶対勝ってやる!」
ロ「はい、負けないですよ。」
彼に視線を合わせ、2人はそう返した。
?「…。」
そんな彼らのやり取りを、隣に立つ人物が見つめていた。




