マーメイドパレスのイベント
5人は、マーメイドパレスに来た。
?「あらぁ、旅人の方かしら♡いらっしゃ~い♡」
街に入って早々、人魚姿の街人に声を掛けられた。
ロ「…こ、こんにちは。」
その街人の雰囲気に困惑しながらも、ロードはあいさつをする。
?「こんにちは~♡まぁ~、あなたとってもイケメンねぇ♡アタシ、イケメン男子大好きなのぉ~♡」
ロ「あ、ありがとうございます…。」
街人にじっくり見られながらのその発言に、ロードは苦笑いをする。
ル「…この人、どう見ても男だよな…?」
マ「そうだね…。女装が趣味なのかな…?」
ロードの後ろで、ルクとマオがひそひそとそう話す。
?「こら~!こそこそ話してるの聞こえてるわよ~!お姉さん怒るわよ~?♡」
ル「あっ…。す、すんません…。」
頬を膨らます街人に、ルクはしまったという様子で、軽く頭を下げる。 彼らの後ろにいるディムアとフレイシーも、顔を見合わせて苦笑いをしていた。
?「うふっ!怒るなんてうそうそ♡アタシのことは〝リリアン〟って呼んでね♡」
ロ「僕はロードです。リリアンさん、よろしくお願いします。」
いろいろツッコミたいことはあるが、ロードはとりあえずリリアンに笑顔を向ける。
リ「ロードくん、よろしくね~♡ねぇねぇ、マーメイドパレスの楽しいイベント、知りたくない~?」
ロ「イベント…ですか?」
リ「うん♡ちょうど明日から開催するイベントなのよ♡」
ウキウキしているリリアンは、ロードに1枚のチラシを渡す。
ロ「…〝女装コンテスト〟…??」
チラシのタイトルを読み、ロードは唖然とする。
フ「女装コンテスト!?ロードとルクとマオが女の子の格好したら、きっと可愛いと思うわ!」
ル「…え゛っ!?」
フレイシーのまさかの発言に、ルクは変な声を上げる。
マ「いや、オレは動物だし、そもそもAIだし、対象外かな~!」
デ「関係ないな。マオも参加だ。」
女装を逃れようとするマオに、ディムアは意地悪そうな笑みを見せて言う。
ロ「…待ってください。もう僕たちが参加するって決定してるんですか?」
仲間たちに視線を向けて、ロードは尋ねる。
フ「だって楽しそうじゃない?女装なんてきっと滅多にしないし、貴重な経験よ!」
デ「私たちは見てるだけだしな。笑」
フレイシーとディムアは、男性陣に参加させたい雰囲気を出している。
リ「参加して街を盛り上げてもらえると嬉しいわ~!優勝したら、豪華賞品をプレゼントするから~♡」
リリアンのその言葉を聞き、チラシの優勝賞品の詳細を見たロードは、衝撃を受けた。
ロ「…っ!!優勝すると、グリーンストーンがもらえるんですか…!?」
「っ!!」
その言葉に、仲間たちもハッとなる。
リ「そうよ~!とっても美しくて、とっても希少価値の高い石なのよね~♡もちろん、上位3名に賞金も出るわよ~!」
リリアンは満面の笑みを見せて言う。
マ「グリーンストーンがもらえるなら、参加するしかないじゃん!」
ル「あ、あぁ…そうだな…。」
マオは決意を固めたようだが、ルクはまだ躊躇している様子でいる。
フ「すごい…!私たちの欲しいものが優勝賞品になってるなんて!」
感動したように、フレイシーは目を輝かせている。
デ「…参加するのか?」
ロ「…もちろん参加しますよ!目指すは優勝です!」
ディムアの問い掛けに、ロードは迷うことなく頷いた。
ル「ロードなら優勝いける気がするぞ!頑張れ!」
ロ「何言ってるんですか?ルクも一緒に女装するんですよ?」
ル「…えぇ…。」
ロードの笑顔の発言に、ルクは肩を落とす。
リ「参加してくれるのね!嬉しい♡それじゃあ、この女装コンテストの簡単な説明をするわね~♡」
ロ「はい、お願いします。」
ロードとともに、仲間たちもリリアンの話に耳を傾ける。
リ「このコンテストは全部で2日間あって、1日目が予選、2日目が予選で勝ち上がった8人による決勝戦よ♡」
ル「…うぅ…2日間も…?」
リリアンの説明に、ルクは嫌そうな声を漏らす。
ロ「とりあえずは予選を通過しないといけないわけですね…。」
考え込みながら、ロードは呟く。
リ「そう♡毎回このコンテストは予選もレベル高い子が多いから、予選といえど油断しない方が良いわよ♡」
フ「毎回ということは、このコンテストは何回も開催されているんですか?」
リ「まぁ、今回でまだ10回目だけどね♡ちなみに、この子が前コンテストの優勝者よ♡」
そう言って、リリアンは写真を出した。
マ「…へっ!?この人、本当に男の人…!?」
写真の人物を見たマオは、驚きで声を上げる。
フ「綺麗な人…!」
フレイシーも、惚れ惚れと写真の人物を見つめる。
ロ「…本当の女性みたいな人ですね。女装とは思えないです。」
リ「そうでしょ~♡この〝シャルン〟ちゃんは、前回だけじゃなく、過去に何度か優勝してるのよ~♡このコンテストの絶対王者みたいなものよね~♡」
ロードの感想を聞き、リリアンは写真に写るシャルンをまじまじ見ながら返す。
ル「…いや、勝てなくない?」
すでに勝てる気がせず、ルクは苦笑いする。
リ「ロードくんなんか美形だしスタイル良いから、絶対綺麗な女の子になると思うのよね~♡だから、シャルンちゃんと良い勝負が出来ると思うのよ~♡」
ロ「…そうですか…。」
異様に距離感が近いリリアンから、ロードはさり気なく1歩下がって離れる。
リ「うんうん♡女装に必要な物は、街の中でたくさん売ってるから揃えてね♡それじゃ、準備頑張ってね♡明日の予選、楽しみにしてるわ~♡」
最後にそう声を掛け、リリアンは立ち去っていった。
マ「…なんか、大変なことになったね。」
リリアンが遠くなった頃、マオが苦笑いをしながら呟く。
ロ「そうですね…。でも、グリーンストーンの為です。ルク!絶対優勝しましょう!」
ル「…お、俺には無理だぁぁ…!」
ロードに士気を高められるも、ルクは弱気でそう返す。
フ「…ルク、大丈夫よ!女装をしてみたら、楽しくなるかもしれないじゃない?」
ル「えっ…?楽しくなるのかな…?」
フレイシーに明るく声を掛けられ、ルクは半信半疑でそう呟く。
フ「うん!ルクとロードが女装は楽しいって思えるように、ここは私たちの出番ね!ディムア!」
デ「…ん?出番って…何をすればいいんだ?」
フレイシーに突然視線を向けられたディムアは、戸惑って尋ねる。
フ「決まってるでしょう?2人に合った衣装とウィッグを選ぶの!あとメイクもしてあげないとね!」
デ「…え!?いや、私はそういうの出来る気がしないが…。」
フ「出来るわ!私たち、女の子だもの!さぁ、早速お店に行きましょ!」
フレイシーは店に向かって歩き出した。
ル「…フレイシー、めちゃくちゃ張り切ってるな…。」
ロ「そうですね。頼もしい限りです。」
ルクの呟きに、ロードは小さく笑って返す。
デ「…私は役に立てなそうだ…。」
ロ「そんなに気負いしなくても大丈夫ですよ。ディムアも僕たちに似合いそうだと思うアイテムを、フレイシーと一緒に選んでくれればいいだけですからね。」
デ「…わかった。やってみる。」
微笑むロードの言葉に、ディムアは少し気持ちが軽くなった。
マ(…オレはやっぱり参加しなくていい流れになってる!よかった~!)
仲間たちの後ろで、マオはそう思い、心の中で安堵していた。




