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ラファメア・プロテクション  作者: あおいきりん
8*メガネ盗難事件
49/92

ベリッサ&キリカとの戦い

ル「⋯いた⋯!!」


その人影の正体が、ベリッサだということがすぐに確認出来たルクは、声を上げた。


マ「ついにたどり着いたね⋯!」


フ「絶対負けないわ⋯!」


ベリッサから視線を外さず、マオとフレイシーは呟く。


ロ「⋯ディムア、僕から離れないでくださいね。」


デ「⋯うん。」


ロードとディムアは、静かにそう交わした。


ル「…ベリッサ…。」


目の前に不敵な笑みを浮かべて立つ元相方の名前を、ルクは恐る恐る呼んだ。


ベ「ふふっ…!こんな奥までよく来たねー☆あんたにしてはよく出来ましたー☆…まぁ、お仲間と一緒だったからここまで来れたんだろうけど。」


ルクたち全員を、ベリッサは睨み付けた。


ル「あ、あのさ、とりあえず話そう?俺が悪かったのはわかってるから…本当にごめん…。」


ベ「は?今更謝って許す訳ないでしょ。この裏切り者。そっちの味方につきやがって…!」


ル「…と、とりあえず、ロードのメガネは返してくれないかな?それがないとロードは戦えなくて…。」


ベ「それを知ってるからそいつのメガネを盗んだんだけど。せっかく盗んだっつーのに、返す方がおかしいよねー。」


ルクが落ち着いて話そうにも、ベリッサは聞く耳持たないようだった。


ロ「僕のメガネを盗んだこと、メガネショップに爆破予告を出したことは、君の仕業で間違いないですか?」


ベ「そうよー☆まぁ、正確には、私はそれらを依頼しただけだけどー☆メア族を捕まえるには、まずはあんたを消したいから、弱点つかせてもらった訳ねー☆」


怒りを抑えながらのロードの問い掛けに、ベリッサは笑顔で答える。


ロ「…よく考えたと思いますが、残念ですね。」


ベ「…は?なにが?」


笑顔を見せるロードの言葉に、ベリッサはイラついた様子で聞き返す。


ロ「僕が戦闘が不利になっていることは確かですが、ディムアを護っているのは僕だけではないんですよ。ちゃんと仲間がいるので。」


フ「そうよ!私も、ディムアを護る為に戦ってるわ!」


マ「オレもだよ!オレはサポート役だけど…。」


ル「ロードやみんなが気付かせてくれたんだ。俺は間違っていたって…。だから、俺も君と戦う!」


デ「…みんな…。」


仲間たちの言葉を聞き、ディムアは涙を堪える。


ベ「…あははははっ!!あーあ、笑わせないでくれる!?あんたら、私たちに勝てると本気で思ってるんだ!?」


ロ「僕たちなら勝てます。」


怒り狂うベリッサを、怯むことなく、ロードは見据える。


ベ「あっそう…。じゃあ…やれるもんならやってみなぁ!!」


そう叫んだベリッサは、周りに数体のゴーストブルーに生息するモンスターを召喚した。


「っ!!」


5人は、戦闘態勢を取った。


マ「⋯ベリッサって、モンスターを召喚する魔術なんて持ってたの!?」


ル「元相方の俺でも知らなかった⋯!」


マオとルクは、驚いて声を上げた。


ベ「さぁ⋯たっぷり遊んであげるから、覚悟しなさいよ!!ルク!!」


笑いながらベリッサは叫び、ルクにスナップウィンドを放つ。


ル「⋯俺だって⋯!手加減しないからな!!」


風に覆われながら、ルクはベリッサにクイックショットを放つ。


2発の銃弾は、ベリッサに直撃する。


同時に、フレイシーが唱えたアイスクリスタルの大きな氷塊が、ベリッサへ飛んだ。


ベ「くっ⋯!?」


ベリッサは咄嗟に杖で氷塊をガードし、ダメージを軽減させた。


フ「ベリッサさん、はじめましてね!私はフレイシーよ!早速だけど、ロードのメガネを返してくれるかな!?」


真剣な表情のフレイシーは、ベリッサにそう声を掛けた。


ベ「あはははっ!!はじめましてだろうが返さないっての!!返して欲しければ、力ずくで取り返すことね!!!」


笑い声を上げ、そう言い放ったベリッサは、ライトニングを唱えた。


ル・フ「あぁっ!!」


雷をくらった2人は、同時に声を上げた。




ルクとフレイシーがベリッサと応戦している一方。


ロードとディムアは、ベリッサが召喚したモンスターと戦い、数を減らしていた。


そして、あの怪しい影は、突如襲い掛かって来た。


?「フフフッ⋯!!待ってたよぉ!!」


デ「っ!!」


その声が聞こえ、ディムアは咄嗟に1歩横に飛び、女の攻撃を回避した。


ロ「⋯こちらも、待ってましたよ⋯!!」


?「―っ!?」


ロードが笑みを浮かべた瞬間、怪しい女の全身から炎が上がる。


マ「よしっ!フレイムフィールド成功だよ!」


女にロードの炎魔法が命中したことを確認し、マオは声を上げた。


?「⋯ふぅん、そう来たか⋯。じゃあ、こっちも容赦しないからな?」


ニヤリと怪しく笑った女は、ロードとディムアの足元に何かを投げ、炎の攻撃から逃れるように姿を消した。


デ「⋯えっ⋯!?」 マ「な、何を投げたの⋯!?」


ディムアとマオは、女のした行動が読めず、困惑する。


ロ「⋯っ!!」


足元で、わずかに『カチッ、カチッ』と機械音が聞こえ、嫌な予感がしたロードは、咄嗟にその音からディムアを庇うような体勢を取った。


その瞬間、機械音を発するそれが、足元の砂からロードに向かって飛び出し、爆発を起こした。


デ「っ!!!」


衝撃音と爆風に驚いたディムアは、思わずロードに抱き着いた。


マ「うわっ!!ば、爆弾⋯!?」


ロードから離れ、爆風を逃れたマオは、恐る恐るそう漏らした。


デ「⋯ロード、大丈夫か⋯!?」


ロ「⋯はい、大丈夫です⋯。」


ディムアが心配そうに尋ねると、ロードはわずかに苦痛な表情を浮かべたが、小さく笑みも見せて頷いた。


同時に、彼らから少し離れた場所で、ロードのウィンドカウンターの風をくらった女が姿を現していた。


?「⋯チッ⋯!話で聞いてた通り、カウンターがウザイな⋯。」


そう呟いた女は、再び姿を消した。


マ「また消えた⋯!ロード、今の爆発くらって、本当に大丈夫だった!?」


女が見えなくなったことを確認し、マオはロードに尋ねる。


ロ「⋯魔力で防御力を高めましたが、咄嗟のことで少し反応が遅れてしまったので、少しダメージを受けてしまいました。でも、大丈夫ですよ。」


ロードは答え、小さく息をつく。


デ「⋯ありがと⋯。庇ってくれて⋯。」


視線を落としたディムアは、ロードに小さく感謝を述べる。


ロ「いえ。予想通り、彼女は相当厄介な敵のようなので、気を付けて戦いましょう。」


デ「⋯うん⋯!」


2人は頷き合った。


マ「⋯っ!2人とも、モンスターがこっちに向かって来るよ!!」


ロ「⋯わかりました!」


マオの言葉に、ロードとディムアは迫り来るモンスターと応戦をする。


女がいつ再び襲い掛かって来るか、全く予測は出来なかったが、今のうちになるべく周りのモンスターの数を減らそうと、2人は必死だった。


ルク、フレイシーは、ベリッサと互角の戦いをしていた。


ベ「⋯ねぇ、ルク?あんた本気出してる?」


ル「⋯いや、俺は本気だよ。本気出してないのはベリッサの方だろ⋯?」


戦いの最中、2人は呼吸を整え、睨み合いながら、ふと言葉を交わす。


ベ「あはは!さすがは元相方、わかってるわねー!本気出すまでもないから、すっごい手加減してるのよー!これくらいで本当に本気なら、あんた冗談抜きで弱っちぃわよー?」


ル「⋯。」


嘲笑うベリッサを、ルクは静かに見据える。


フ「⋯違うわ!ルクは、本当は、以前仲間だったあなたのことを傷付けたくないのよ!だから、ルクのこと弱いなんて言わないで!」


周りのモンスターと戦いながら、フレイシーはベリッサに向けて声を上げる。


ル「あ⋯いや、ええと⋯。」


フレイシーの言葉を聞き、ルクは慌てたような表情を浮かべる。


ベ「⋯はぁ⋯相変わらず甘いわね。あんたのそういうところが本当にイライラすんのよ⋯!私はもう敵なんだから、手加減しないで攻撃しなさいよ!!」


ルクを睨み付けて叫んだベリッサは、魔法を放とうとした。


そのとき、女が突如現れ、フレイシーに大きな針を投げ付けた。


フ「きゃぁっ!!」


フレイシーは悲鳴を上げ、針が刺さった腕を押さえ、しゃがみ込んだ。


ル「フレイシー⋯!!」


ルクはすぐにフレイシーに駆け寄った。


ベ「あれー?〝キリカ〟、あいつらの相手はどうなってんの?まさかのサボり?」


フレイシーを攻撃した女に、ベリッサは尋ねる。


キ「⋯笑わせんなよ、ベリッサ。アイツらがモンスターたちと戦って体力を勝手に消耗させてる間、暇だから様子を見に来ただけさ!」


ベ「暇ぁ!?だったら、モンスターと一緒にあいつらを攻撃しなさいよ!」


笑いを浮かべるキリカの言葉を聞き、ベリッサは呆れたように声を上げる。


キ「そう焦るなって!殺ろうと思えばすぐ殺れるんだから、ちょっとは楽しませろよな!?」


ベ「そういうのいいから、さっさと殺っちゃってよ!あ、メア族の方はギリギリでいいから生かしておいてねー?」


キ「⋯はいはい、わかってるよ!」


ベリッサと楽しそうなやり取りをした後、キリカは姿を消した。


ル「⋯なんなんだ、あのキリカってやつ⋯!?」


フ「こ、怖い⋯。」


2人の会話を聞いていたルクとフレイシーは、驚愕していた。


ベ「うんうん、キリカはかなり怖い殺し屋の女よ!あの男ももうすぐで殺されちゃうよー!あぁ、怖いねー☆」


そう言ったベリッサは、楽しそうに笑っている。


ル「ロードは絶対殺されない!あいつなら、絶対戦いに勝って、ディムアを護り抜くはずだ!」


フ「そうよ!私たちは、ロードとディムアを信じてるわ!」


ルクとフレイシーは、ベリッサに向けてそう声を上げた。


ベ「はぁ!?黙りなさいよっ!!」


目を見開いて怒りを露にしたベリッサは叫び、2人にウィンドエッジを放った。


ル・フ「⋯っ!!」


風が切り裂く痛みに、ルクとフレイシーは耐える。


ベ「私もいい加減遊びは終わりにするわ⋯。間違って殺しちゃうかもしれないけど、恨まないでね?☆」


不敵な笑みを浮かべたベリッサは言い、杖を構える。


ル「⋯そんな恐いこと言うなよな⋯!」


ルクは呟き、フレイシーとともに、戦闘態勢を取った。




ロードとディムアは、モンスターとの応戦をしていた。


マ「今のフレイムトルネード⋯当たったのは1体だよ⋯!」


ロ「⋯1体⋯ですか⋯。どんどん命中率が落ちていますね⋯。」


自分の放った範囲魔法が、モンスターにほとんど当たっていないことをマオの言葉で知り、ロードは深刻な表情で呟く。


マ「うん⋯。体力も魔力も消耗しているせいだね⋯。」


デ「⋯っ。」


落ち込んでいるロードを、モンスターにライトニングを放ちながら、ディムアは心配そうに見つめていた。


そのとき、3人の前に、再びキリカが姿を現した。


マ「きっ、来た!!」


ロ・デ「っ!!」


キリカを凝視して、マオは声を上げる。


その声に反応したロードとディムアも、キリカを警戒した。


その直後、ロードが唱えていた〝ゲイルブレイク〟が発動し、キリカの身体を風が切り裂く。


キ「フフフッ⋯!そろそろ本気で殺してやるからな!!」


そう叫んだキリカは、姿を一瞬消し、すぐにディムアの背後に現れた。


次の瞬間、ディムアの腕を、キリカは短剣で切り付けた。


デ「あぁっ⋯!!」


ロ「ディムア⋯!!」


悲鳴を上げたディムアを、ロードは咄嗟に庇う。


マ「ぜ、全然動きが見えない⋯!!?」


予測出来ないキリカの動きに、マオは愕然とする。


ロードはすぐにキリカに向け、ライトニングを放った。


しかし、キリカに雷は当たらなかった。


キ「はははっ!!どこ狙ってんだよ!?」


笑い声を上げたキリカは、今度はロードに針を投げた。


ロ「⋯っ!!」


身体に針が刺さり、ロードは態勢を崩す。


マ「ロード!!」


痛みに耐えるロードに、マオはしがみつく。


その直後、ロードのウォーターカウンターが発動し、大きな氷塊がキリカに直撃した。


キ「くっ⋯!なかなかやるなぁ!」


笑みを浮かべたキリカは、爆弾を2つ、ロードとディムアの足元に埋め、姿を消した。


マ「また爆弾だ⋯!しかも、今度は2つ⋯!!」


ロ「⋯さすがに、まずい状況ですね⋯。」


怖々とマオが声を上げると、ロードは参った様子で呟いた。


デ「⋯ロード⋯逃げろ⋯。」


傷付いた自分にリカバリーを掛けるロードに、ディムアは必死の思いで、静かに声を掛ける。


ロ「⋯え⋯?」


ディムアの思わぬ言葉に、ロードは彼女を見つめる。


デ「あの女の狙いは私だ⋯!死ぬのは私だけでいい⋯!ロードは⋯殺される前に⋯マオと早く逃げろ⋯!!」


そう叫んだディムアの瞳からは、大粒の涙が流れていた。


ロ「⋯逃げるわけにはいかないですね。僕は君を護ります。絶対死なせないですよ。」


微笑んでそう言ったロードは、ディムアを優しく抱きしめた。


デ「⋯ロードっ⋯。」


彼の名前を呼ぶディムアの声は、こんな状況でも、嬉しさで震えていた。


次の瞬間、2つの爆弾が同時に足元の砂から飛び出し、ロードの身体にぶつかって爆発した。


マ「わぁっ!!」


あまりの衝撃に、マオは大きく吹っ飛んだ。


キ「チッ…!!」


その直後、ファイアーカウンターが発動し、姿を現したキリカを炎が覆った。


ロ「⋯うっ⋯。」


デ「⋯っ!!」


大きなダメージを負い、苦痛な表情を浮かべて膝を着くロードに、ディムアはすぐにリカバリーを掛ける。


キ「⋯回復なんてさせないよ?」


笑みを浮かべたキリカは、ディムアの横腹を短剣で深く切り付けた。


デ「あぁぁあっ⋯!!!」


横腹に激痛が走り、ディムアは悲鳴を上げた。


ロ「⋯これ以上⋯ディムアを傷付つけたら⋯本当に許しませんよ⋯?」


ロードはゆっくり立ち上がり、怒りに満ちた瞳で、キリカを強く睨み付ける。


キ「あぁ、許さなくても別にいいよ?早くあたしに攻撃しなよ!!アハハ!!」


キリカはロードを挑発するように笑う。


ロードはスナップウィンドを放ち、大きな風でキリカを切り裂いた。


同時に、キリカが放った大針が、ロードの身体に刺さり、再びロードは膝を着いた。


ロ「…っ。」 大針を握るキリカがジリジリと迫り来る中、傷だらけのロードは、キリカの攻撃により弱ってしまったディムアを庇っていた。


キ「…はぁ…。そろそろあんたも、限界みたいだなぁ…。でも、なかなか楽しませてもらったよ…。」


自らもダメージを受けながらも、まだ余裕そうな不敵な笑みを見せて、キリカは言う。


デ「…ロード…ごめん…!!」


ロ「…大丈夫ですよ、ディムア。君のことは、絶対に僕が護ります。」


迫り来る恐怖に怯えたディムアを安心させるように、ロードは小さく笑って見せ、彼女の手を握る。


マ「た、大変だ…このままじゃ…!!」


最悪の光景が目に浮かんでしまい、マオはロードの元を離れ、ルクがいる方向へと飛んだ。


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