殺し屋現る
ゴーストブルーフィールドに足を踏み入れてから、長い時間が経った。
マ「…暗くなっちゃったね。もう今日は進むのは危ないかもしれない。」
フ「そうね。暗くてモンスターと戦いづらくなってきたものね。」
薄暗い空を見上げ、マオとフレイシーは言い合う。
ロ「今日はこのまま野宿です…。僕がまともに戦えないせいで、フィールドをスムーズに進めませんでしたね…。」
視界がはっきりしない中での戦闘で自分が足を引っ張っていたことに、ロードは酷く落ち込んでいた。
デ「…そんなことない。よく見えない中で、頑張って戦ってただろ。」
ロ「…ありがとうございます、ディムア。」
ディムアが慰めると、ロードは小さく笑って見せた。
ル「つ、疲れた…。」
ルクは心の声がダダ漏れしてしまった。
マ「野宿だね。えーっと…あ、あそこにちょうどいい洞穴があるみたい!」
フ「良かった!そこで休みましょ!」
マオが周りを見渡して見つけた洞穴に、5人は入った。
洞穴に入り、5人は地面に腰掛け、カプセルにコンパクトに収納されている食料を出し、食事を摂った。
ル「…ゴーストブルーフィールドに来いってあの紙に書いてあったけど…一体どこまで進めばいいんだろうな…?」
食事を摂りながら、ふとルクが疑問を呟く。
マ「まぁ、ゴーストブルーフィールドって広いからね…。早いとこ犯人出てきてくれないと、このままだとみんな体力なくなって倒れちゃうよ!」
ル「うぅ…。フィールドのど真ん中で全員ぶっ倒れるなんて勘弁だ!」
マオの言葉に、ルクは頭を抱えた。
ロ「想像以上に大変な旅になってしまいましたね…。」
デ「うん…。明日には犯人捕まえられるといいな。」
ロ「そうですね。きっと捕まえて、懲らしめてやります。」
犯人に対しての怒りが、ロードの表情に出ていた。
フ「ロードが戦えなくても私たちは戦える!なんて強がっちゃったけど、やっぱり少し辛いみたい…。普段の戦闘でどれだけロードに助けられてるか改めて感じたわ。」
少し困った笑顔を見せて、フレイシーは言う。
ロ「僕は今日みんなに助けられて、みんながいてくれることのありがたさを改めて感じました。いつもありがとうございます。」
デ「こっちこそだ。困ったときはお互い様だからな。」
フ「そうよ。仲間だものね!」
仲間たちは笑顔を見せ合う。
ル「ここで寝るとなると、夜でもモンスターが襲ってくるかもしれないよな。よく寝れないかもな…。」
マ「その心配はあるよね。でも、オレが夜通し見張ってるから、みんな安心して寝てて。オレは1日くらいは寝なくても大丈夫な仕様になってるからさ!」
心配そうなルクに、マオはそう声を掛ける。
ル「そうなんだ。見張ってくれるの助かる!」
ロ「マオ、よろしくお願いします。」
マ「任せて!」 マオは胸を張って頷いた。
―明け方のことだった。 ふと、ディムアは目を覚ました。
起き上がり、まだ眠っている仲間たちを見渡す。
見張りをしているはずの、マオまで寝息を立てて寝ていた。
その姿を見て、ディムアは苦笑いをした。 その直後、突如背中に激痛が走った。
デ「…あぁぁあっ…!!」
その痛みに悲鳴を上げ、膝から崩れ落ちた。
ロ「っ!?ディムア!?」
飛び起きたロードは、すぐにディムアに駆け寄る。
?「…フフフ…。」
傷付いたディムアを庇いながら、ロードは怪しい声のする方を凝視する。
ル「な、なんだ!?何があった!?」
フ「ディムア…!大丈夫!?」
寝起きのルクとフレイシーも、慌てて飛び起き、状況を把握しようとする。
ロ「フレイシー、ディムアが攻撃されました…!リカバリーをお願いします!」
フ「わ、わかったわ!」
ロードの呼び掛けに、フレイシーは頷き、ディムアにリカバリーをかけ始める。
マ(や、ヤバい…。オレが寝ちゃったせいだ…!)
その光景に、マオは気まずそうな様子を見せる。
ル「攻撃って、こいつが…!?」
目の前に立ちはだかる怪しい女を見て、ルクは警戒する。
ロ「…君が…僕のメガネを盗んだ犯人ですか?」
?「あぁ、そうだよ?アンタが邪魔だから、アンタのメガネを盗んで来いっていう依頼があったからさ…。」
ロードの問い掛けに、女はそう答える。
ロ「依頼…。一体誰からでしょう?」
?「それは会ってからのお楽しみだよ。それにしても 、アンタマジでメガネがないとまともに戦えないくらい視力が弱いんだな!隠れて見てたけど、攻撃外しまくりですっごくおもしろかったよ!」
ロ「…。」
楽しそうに笑う女を、5人は睨み付ける。
マ「オマエたちの目的はなんだよ…!?ロードになんか恨みでもあるの!?」
ロードの背中から顔を出し、マオは怒りで声を上げる。
?「だから言ってるだろ?あたしたちにとって、この男が一番邪魔なんだよ。…メア族を捕まえる為にな。」
デ「…っ!!」
女に睨まれ、ディムアの中で戦慄が走った。
ロ「そうですか…。こんなことをして、君たちは、相当僕たちに痛めつけられたいようですね。」
ロードは怖い笑顔を浮かべ、静かに呟く。
?「あはははっ!その視力で?出来るもんならやってみな?じゃあ、この先で待ってるからな…。」
女は笑い声を上げてそう言い残し、その場から一瞬で姿を消した。
「―っ!?」
その光景を目の当たりにした5人は、絶句した。
ル「…き、消えた!?」
ルクは声を上げた。
ロ「…ディムア、大丈夫ですか?」
デ「うん…大丈夫。」
ロードに心配そうに尋ねられ、ディムアは小さく頷く。
その後、フレイシーに視線を合わせる。
デ「フレイシー、ありがと…。」
フ「酷い怪我じゃなくて良かった…!」
安心した様子で、フレイシーは胸を撫で下ろした。
マ「…ごめん…。オレが見張ってるって言ったのに、寝ちゃってて…。」
落ち込んだ様子で、マオは静かに言う。
ロ「…いえ、マオのせいではないですよ。たとえ誰かが見張っていたとしても、彼女のあの攻撃を避けることは出来なかったと思います。」
デ「そうだな…。攻撃を受けるまで、全然気配を感じなかった…。」
ロードの言葉に続き、ディムアは先程の女の攻撃を思い出して呟いた。
フ「怖いね…。気配を感じさせない人なんて…。」
フレイシーは怯えた様子だった。
ロ「狙われているのは僕だとばかり思っていましたが…最終的な狙いはディムアでしたね…。」
デ「…まぁ、私は狙われるのは慣れているが…。」
ロードと顔を見合わせた後、ディムアは視線を落とした。
ル「…ディムアを捕まえる為には、まずはロードを狙う…か。なんか、少し前までの俺と同じ考えだな。」
ロ「…なるほど。以前までメア族を狙っていた君もそう思っていたんですね。」
ルクの話を聞いたロードは、意味深そうな笑みを浮かべる。
ル「あ、いや!前の話だからな!?今は本当に、そんなこと考えてないから!ごめん…!」
その笑顔が怒りの笑みだと思ったルクは、速攻ロードに謝る。
ロ「わかってます。怒っている訳ではないですよ。」
ル「よ、よかった…。」
ロードが怒っていないとわかり、ルクは安心している。
そのとき、本当の犯人はあの人物だと、ロードは確信を持った。
フ「犯人は近いみたいね。早くロードのメガネを取り返して、ディムアを護りましょ!」
ロ「はい。よろしくお願いします。」
デ「…ありがと。」
フレイシーの掛け声に、ロードとディムアは小さい笑みを見せた。
マ「よぉし…!待ってろよー犯人めー!」
戦闘に加担出来ないマオも、犯人を追い詰める気は満々だった。




