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ラファメア・プロテクション  作者: あおいきりん
8*メガネ盗難事件
46/92

ゴーストブルーへ

そして、5人はゴーストブルーのフィールドに突入した。


フ「今更なんだけど、ゴーストブルーって名前が怖いわね…。」


ル「確かに。名前の通り、オバケでも出るんかな?」


フレイシーがふと不安そうに呟くと、ルクはさり気なくそう返す。


フ「ルクったら!怖いこと言わないでよぉ!」


ル「ご、ごめん…(笑)」


頬を膨らますフレイシーを見て、ルクは苦笑いを浮かべた。


マ「あぁ、オバケみたいなモンスターなら出るみたいだよ。〝海賊幽霊〟、耐性は雷と闇、弱点は銃!」


フ「…幽霊ぃ…!?」


マオの説明を聞き、フレイシーは更に怖がる様子を見せる。


ロ「物騒な名前のモンスターですが、銃が弱点ならルクが倒してくれますね。」


ル「おう!幽霊だろうが何だろうが、俺が速攻で倒してやるからな!」


ロードが声を掛けると、ルクは自信たっぷりに胸を張った。


その直後、タイミングを見計らったかのように、5人の目の前に、モンスターが出現した。


デ「…もしかして、このモンスターが…。」


マ「わっ!噂をすれば、海賊幽霊だ!」


ディムアが呟くと、マオはモンスターの姿を確認し、声を上げる。


血色のない顔の、海賊の格好をした男の幽霊のようなモンスターだった。


フ「いやっ…!!」


見た目の不気味さに、フレイシーは小さく悲鳴を上げる。


近付いてくる海賊幽霊に、ルクはクイックショットを放つ。


2発の銃弾を直撃した海賊幽霊は、消滅した。


マ「ナイスー!」


フ「ルク、ありがとう!」


ル「はは!余裕だな♪」


マオとフレイシーに褒められ、ルクは得意気な笑顔を見せる。


デ「今のモンスター、見えてたか?」


ロ「なんとなくは確認出来ましたが…。ぼやけているせいで距離感が掴めないですね…。」


デ「そうか。あまり無理して戦わなくていいからな。」


ロ「はい…。すみません。」


ディムアに声を掛けられ、ロードは申し訳なさそうに返した。




その後も、海賊幽霊が出現するとルクが速攻で仕留め、しばらくの間は順調に進んでいた。


しかし、5人の前に突如魚雷のようなものが、猛スピードで突っ込んできた。


「っ!!」


ディムアは素早く反応し、ロードの手を引っ張って横に避け、その魚雷を2人とも間一髪で避けた。


Uターンして再び突っ込んで来そうな魚雷に、フレイシーがスナップウィンドを放ち、風で切り裂いて消滅させた。


ロ「…ディムア、ありがとうございます。」


デ「…う、うん。」


ロードに微笑み掛けら、ディムアは戸惑ったように頷く。


フ「びっくりしたぁ…。今のもモンスターよね…?」


マ「そうだよ!〝ギョライウオ〟っていうモンスターで、耐性は物理・銃、弱点は魔法!」


驚いた様子でフレイシーが声を上げると、マオが説明した。


ル「俺にはツラいモンスターだな…。」


耐性が銃だと聞き、ルクは嫌そうに呟く。


その直後、今度は数体のギョライウオが、一斉に5人に突っ込んで来た。


マ「い、いっぱい来たよ!!」


迫り来るギョライウオたちを凝視し、マオは声を上げる。


「っ!!」


ディムアはライトニング、フレイシーはウィンドエッジを咄嗟に唱え、複数のギョライウオにダメージを与える。


マ「ロード危ないっ!!」


ロ「っ!?」


マオの叫びに、ロードは反応が遅れ、ギョライウオの突進を避けられず、直撃した。


ロードは一瞬体勢を崩したが、すぐに立て直す。


その直後、ロードのファイアカウンターが発動し、ギョライウオを炎で燃やして消滅させた。


ル「突っ込んで来るんじゃねーよっ!!」


ルクも銃で応戦するが、銃が耐性のギョライウオに、思うようにダメージを与えることが出来ない。


デ「…速い…!」


フ「速すぎて魔法を唱える隙がないわ…!」


ディムアとフレイシーは、ギョライウオの素早い突進を避けるのに精一杯で、魔法の詠唱が出来ない様子だった。


ロードはガルベスタタイフーンを唱えたが、ギョライウオたちにあまり命中せず、風で切り裂いて消滅させられたのは2体だった。


マ「今のロードのガルベスタタイフーンで、2体倒したよ!」


ロ「…2体ですか…。」


マオに教えられ、視力低下に伴い、命中率も落ちてしまっていることに、ロードは焦りを感じていた。


デ「うっ…!」


ギョライウオの突進を直撃し、ディムアは膝を着く。


その隙を見計らい、違うギョライウオがディムアに突進しようとしてきた。


ロードはライトニングを放ち、そのギョライウオに雷を命中させることに成功し、消滅させた。


マ「やった!当たったよ!」


それを確認し、マオは嬉しそうに声を上げる。


ロ「ディムア、大丈夫ですか?」


デ「…うん。ありがと…!」


ロードが声を掛けると、ディムアはしっかり頷き、立ち上がる。


ロ「命中率はかなり悪いですが、何とか当てていくしかないですね…!」


マ「うん…!ロード、頑張って!」


ロ「はい!」


マオの声援を受け、ロードは頷き、再び詠唱をした。




その後、攻防は長引いたが、5人はようやくギョライウオを一掃することが出来た。


マ「よかったぁ…!みんな、お疲れー!」


安堵したマオは、仲間たちにそう声を掛けた。


ル「はぁ…はぁ…。き、キツかった…。」


フ「ふぅ…。何とか倒せたね…。」


ルクとフレイシーは、呼吸を整えながら、そう言い合う。


ロ「…みんな、すみません。今回ばかりは、僕はみんなの足をかなり引っ張ってしまうことになりそうです…。」


マ「えっ?いや、そんなことないよ!ロードの魔法、ちゃんとモンスターに当たってたじゃん!」


落ち込んだ様子で仲間たちに声を掛けるロードに、マオは首を横に振って答える。


ロ「いえ…。今初めてメガネなしで戦ってみて、自分でわかりました。今の僕は、はっきり言ってポンコツです。」


デ「…ぽ、ポンコツ…!?」


ロードの思わぬ発言に、ディムアだけでなく、仲間たち全員が困惑し、彼を凝視する。


ル「なっ、何言ってんだよ!ロードがポンコツなわけないだろ?」


フ「そうよ!ロードが悪いわけじゃないんだから、そんなに自分を責めないで!」


ルクとフレイシーは、慌ててロードを励ます。


デ「…完全に攻撃を外してるわけじゃないだろ?ほとんど見えないのに、こんなに戦えているのはすごいと思う。だから、そんなに落ち込むな。」


ディムアも、ロードにそう声を掛け、小さく笑みを見せた。


ロ「…みんな…ありがとうございます…。」


視力が悪くてぼやけてしまっている仲間たちを、ロードは見つめる。


マ「ロード、みんながいるから大丈夫だよ!みんなでメガネを取り返そう!」


ロ「…はい、よろしくお願いします!」


マオや仲間たちの言葉を聞き、ロードは少し前向きさを取り戻した様子だった。


ル「…あのロードが自分のことをポンコツ呼ばわりなんて、びっくりしたな。」


フ「そうね…。でも、それだけ精神的なダメージを受けちゃってるってことよね。私たちが、しっかりサポートしてあげましょ!」


ル「そうだな!」


ルクとフレイシーは、静かにそう話し、頷き合った。




少し休憩を挟み、5人は再びフィールドを歩き出した。


ル「…なんか、フィールドを進んで行くにつれて、足が重くなってきてる気がするんだけど…。」


少し疲れた様子で、ルクは呟く。


マ「わかる?最初はそうでもなかったけど、足元の砂に含まれる海水の量が増えて、ぬかるんできてるみたいだよ。」


フ「そうなのね…。どうりで歩きにくくなってるはずね…。」


ロ「…こうしてみんなの体力を奪うことを想定して、犯人はこのフィールドを選んだのでしょうか…。」


マオの説明を聞き、ロードとフレイシーは、あまり元気がないように返す。


デ「それでも負けられない。みんな頑張ろう。」


仲間たちが弱気になってしまっている中、ディムアは前向きに、そう彼らに声を掛けていた。


マ「…うん!ディムアの言う通り!犯人に負けてられないよね!」


ル「おう!ここでくたばる俺たちじゃないよな!」


フ「みんなで力を合わせれば、犯人に絶対負けないわ!」


ロ「…はい。頑張りましょう!」


仲間たちはそう声を掛け合い、笑顔を見せ合った。


彼らが士気を上げたそのとき、後ろからマジックアローが飛んで来た。


ル「―痛ぁっ!?」


不意打ちをくらってしまったルクは、声を上げ、体勢を崩す。 「っ!!」


全員が、周りを見渡し、警戒する。


しかし、周囲には、モンスターらしき姿は見当たらない。


フ「ルク、大丈夫!?」


ル「あ、あぁ、大丈夫。」


フレイシーに声を掛けられ、ルクは立ち上がり、頷いて見せる。


マ「…?今、どこからマジックアローが飛んで来たんだろう…?」


デ「…後ろから飛んで来たと思うが…隠れられるような物陰もないな…。」


マオとディムアは、後ろを振り向きながら、静かに話す。


ロ「…まだ必ずどこかにいるはずですね。みんな、気を付けてください…!」


フ「う、うん…!」


ロードに声を掛けられ、フレイシーは戸惑いながら頷いた。


5人が警戒心を強める中、今度は複数のマジックアローが、全員に一気に向かって飛んで来た。


「わっ!!?」


マジックアローを同時に直撃した5人は、一斉に声を上げた。


その直後、ロードのウィンドカウンターが発動し、マジックアローを放ったであろうものを、風が切り裂き、消滅した。


ル「…んっ!?もしかして、このイソギンチャクが…!?」


ウィンドカウンターの風が、周りにある1つのイソギンチャクを消滅させたことを見たルクが、声を上げる。


フ「イソギンチャク!?周りにすごくいっぱいあるけど…!?」


恐る恐るそう口にしたフレイシーは、周囲にあるたくさんのイソギンチャクを凝視した。


マ「…うわっ!?この辺一帯にいるの、全部〝メダマイソギンチャク〟っていうモンスターだよ!!耐性は水と光、弱点は物理と銃!!」


驚愕した様子のマオが声を上げた瞬間、彼らの周囲で動きを止めていたメダマイソギンチャクが、一斉に動き出し、急接近してきた。


ル「弱点が銃!?それなら俺がやる!!」


慌てながらも、ルクは銃を構え、ランダムショットを放ち、5体のメダマイソギンチャクを1発で消滅させた。


マ「無理だよ!!いくら弱点が銃でも、この数は無理!!100体はいるよ!?」


ロ「えっ…100体って本当ですか?」


マオが大慌てで更に声を上げるが、視界が悪いロードはあまり危機感がない様子だった。


フ「きゃぁっ!!来ないで!!」


大量に迫り来るメダマイソギンチャクを見て、フレイシーは悲鳴を上げた。


デ「本当に100体くらいはいる!!逃げるぞ!!」


ロ「っ!は、はい!!」


ディムアに手を引っ張られ、ロードはようやく危険な状況だと把握し、2人は走り出す。


ル「あぁ、無理だな!フレイシー、逃げよう!!」


フ「う、うんっ…!!」


ルクもフレイシーの手を引き、ロードとディムアの後を追って走った。


足元が悪い中、5人は必死に走る。


そんな5人に、メダマイソギンチャクはマジックアローを放ってきていた。


デ「っ…!」


マジックアローを直撃したディムアは、膝を着いてしまった。


ロ「ディムア…!大丈夫ですか!?」


デ「…大丈夫…。」


ロードの手を借り、ディムアは立ち上がるが、少し辛そうな様子だった。


マ「…多分、このまま逃げてるだけじゃ、この数のメダマイソギンチャクは撒けないと思う…!!」


まだまだ大量に追ってくるメダマイソギンチャクを見て、マオはロードとディムアにそう声を掛けた。


ロ「…わかりました!数を減らします!」


ロードは頷き、杖を構え、ライトニングを唱えた。


1番近いメダマイソギンチャク2体に雷が直撃し、消滅させた。 その直後、ロードにメダマイソギンチャクのマジックアローが放たれた。


デ「危ないっ…!!」


ディムアはロードの手を引き、マジックアローを避けさせる。


ロ「…ありがとうございます!」


デ「…うん。」


微笑み掛けるロードに、ディムアは小さく頷く。


ルクとフレイシーも追いつき、全員で攻撃し、メダマイソギンチャクの数を確実に減らしながら、逃げ続けた。


そして、岩陰も利用しながら、ようやく大量のメダマイソギンチャクを撒くことに成功した。


「はぁ…はぁ…。」


岩陰で立ち止まった5人は、走り続けて乱れてしまった呼吸を整える。


マ「…恐ろしい数のメダマイソギンチャクだったね…。」


ル「あぁ…。ただの赤い海藻かと思ってスルーしてたのが、全部モンスターだったなんてな…。」


フ「あそこは、メダマイソギンチャクの巣窟だったのかな…。」


大量に集まったメダマイソギンチャクの姿を思い出し、マオ、ルク、フレイシーは、そう言い合っていた。


ロ「…ディムア、手を引いて一緒に逃げてくれて、ありがとうございました。」


デ「ん…?め、目が見えないんだから、一緒に逃げなきゃいけないのは、当然だろ…。」


ロ「…君のその優しさが、本当に嬉しいんですよ。」


デ「…っ…。」


ロードに微笑み掛けられ、ディムアは恥ずかしそうにうつむき、顔を赤らめた。


マ「今はディムアがロードの目になってくれるから、心強いよね♪」


ル「あぁ、ロードも安心だな!」


デ「…ふぅ…。」


マオとルクの言葉を聞き、ディムアは火照った顔に手を当て、小さく息をつく。


和やかな雰囲気に、ロードとフレイシーも笑顔を浮かべていた。



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