フェアリーアイランドへ
メガロポリスに隣接する、ウブス港に到着した。
マ「…あ!もしかして、あの人かな?」
船が停泊している場所で、いかにも船乗りのような格好をした男性を、マオは見つけた。
ロ「…あの、すみません。ジョニーさんですか?」
その男性に、ロードは声を掛ける。
ジ「んっ?あぁ、俺はジョニー!君たちがアルフィナの言ってた子たちかい?」
フ「はい!そうです!」
ジョニーの言葉に、フレイシーは頷く。
ジ「待ってたよ!フェアリーアイランドに行きたいんだよね。準備は出来ているから、早速乗って!」
ロ「よろしくお願いします。」
ジョニーの小型の船に、5人は乗船した。
ジ「ちょっと揺れるけど、フェアリーアイランドには割とすぐ着くから、我慢してねー。」
マ「ほーい!」
舵を切りながらのジョニーの言葉を聞き、マオは海を見ながら返事をする。
ジ「いやぁ、それにしても驚いたなぁ。アルフィナから久しぶりに連絡が来たと思ったら、娘さんたちをフェアリーアイランドに連れてってほしいなんてさ!」
フ「びっくりしましたよね。突然無理なお願いをしてごめんなさい!」
フレイシーは、小さく頭を下げる。
ジ「いや、全然いいんだよ!アルフィナの頼みなんだから、喜んで引き受けるよ♪︎」
ジョニーは言い、爽やかな笑顔を見せた。
ロ「アルフィナさんとは、仲が良いんですか?」
ジ「仲が良いというか、アルフィナは俺をいつも助けてくれてねぇ…。まぁ、俺はあまり多くは語らない男だから、俺とのことはアルフィナに後で聞いてみてくれよ!」
デ「…自分でそれを言うのか…。」
ジョニーにナルシストの気を感じ、ディムアは苦笑いをしてしまう。
ロ「わかりました。アルフィナさんに聞いてみます。」
気にすることなく、ロードはジョニーにそう返した。
ル「…うぅ…けっこう揺れるな…。」
海をずっと眺めているルクが、気分の悪そうな様子で呟く。
フ「…もしかして、酔っちゃった…?」
ル「…そうみたい…はは…。」
フレイシーに心配そうに顔を覗き込まれ、ルクは小さく頷く。
ロ「ルクが船酔いですか。…そういうときは、なるべく遠くの景色を眺めた方が良いそうですよ。」
ル「…そ、そうか…わかった…。」
船酔いをしてしまったときの対処法をロードに教えられ、ルクは遠くの海を眺める。
デ「…水を飲むとかは…?」
マ「あとは、足のツボを押すと酔いがマシになるって、オレのデータにあるよ!」
ディムアとマオも、ルクにそう声を掛ける。
ル「…なんで俺だけ船酔いするんだ…?泣」
仲間たちに心配される中、ルクは涙目でそう呟いた。
ジ「ハハハ!船旅に船酔いはつきものだよ!」
ルクのことを心配しつつも、ジョニーは笑っていた。
そうこうしているうちに、船はあっという間にフェアリーアイランドに到着した。
ジョニーに礼を述べ、5人は船を降りた。
そして、フェアリーアイランドの地に足を付けた。
マ「ここがフェアリーアイランドかぁ!」
未開の地に来たことで、マオは早速胸を踊らせている。
ル「ラファ族がいっぱいいるんだよな。なんか緊張するなぁ。」
フ「うん…!早く会いたいね!」
そう話すルクとフレイシーは、笑顔を見せ合っている。
デ「…本当に、私が行っても大丈夫なのか…?」
仲間の中でただ1人、ディムアは足を踏み入れるのをかなり躊躇している様子だった。
ロ「…不安なのはわかります。でも、話をすればきっと大丈夫ですよ。」
デ「…うん。」
ロードにそう声を掛けられ、ディムアは小さく頷く。
しかし、港を歩き初めてすぐに、彼女のその不安は的中してしまった。
「…!ちょっと君たち!」
港の出口に立っていた男性に、声を掛けられた。
「この中にメア族がいるね…?メア族は、この先を通らせることは出来ないよ!」
デ「…。」
男性の厳しい言葉を聞き、ディムアはうつむく。
ロ「…彼女がメア族ですが、人間やラファ族を襲うようなことは絶対しません。」
ディムアの隣に立つロードは、男性にそう説明した。
「そんなはずはないだろう?散々ラファ族を傷付けてきた種族だ。信じることは出来ない。」
厳しい表情で、男性は首を横に振る。
マ「そ、そんな言い方しなくても…。」
男性の言葉と態度に少し怒りを覚えながら、彼に聞こえないくらい小さな声で、マオは呟く。
ロ「…。」
悲しい表情をしているディムアを、ロードは心配そうに見つめた。
フ「…ディムアは誰のことも襲わない、本当に優しい子なんです。お願いします…通してください!」
フレイシーが懇願すると、男性の表情は少し穏やかになった。
「…おや、君はラファ族のようだね。君がそう言っても、我々はメア族を信用することは出来ないんだよ。」
フ「そんな…。」
男性の言葉に、フレイシーは言葉を詰まらせる。
ロ「…では、この島に長はいらっしゃいますか?」
「…長は、まぁいるが。」
ロードの問い掛けに、男性は頷く。
ロ「その方と話をして、許可をいただければ、彼女もこの先を通らせていただきたいです。」
そう提案したロードは、真剣な表情だった。
「…それならば、こうしよう。ラファ族の彼女だけで、長と話をしてくるといい。長の許可が降りれば、メア族も通してやろう。」
フ「…わかりました!話してきます!」
男性の言葉に、フレイシーはしっかり頷いた。
ロ「すみません、フレイシー。お願いしますね。」
フ「うん、任せて!」
申し訳なさそうに言うロードに、フレイシーは微笑んで見せる。
ル「あの、俺も行っていいですか?フレイシーだけだと、心細いかもしれないから…。」
フ「ルク…。」
遠慮がちに、男性に1歩近付き声を掛けるルクを、フレイシーは見つめる。
「…まぁ、1人の人間くらいならいいだろう。」
渋々男性は頷いた。
ロ「ルクもお願いします!」
マ「2人とも、頼むよ…!」
ル「あぁ、行ってくる!」
フレイシーとルクは、ロード、ディムア、マオに見送られ、港の出口を通過していった。




