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ラファメア・プロテクション  作者: あおいきりん
7*魔法の書の入手
37/92

魔法の書の在処

翌朝。


デ「…。」


ディムアが起きると、ロードは机に向かい、真剣な表情で本を読んでいた。


ロ「…ディムア、おはようございます。」


ディムアに気が付き、ロードは小さく笑顔を見せ、あいさつをする。


デ「…おはよ…。魔術の書を読んでいるのか?」


ディムアは少し戸惑いながらあいさつを返し、その本を見て尋ねる。


ロ「はい、そうです。たった今、スピリットを習得しました。」


デ「…えっ!?もう習得出来たのか…!?」


笑みを見せるロードの言葉を聞き、ディムアは目を見開く。


デ「…まさか、徹夜したんじゃないだろうな?」


ロ「…仮眠は少し取りましたが、ほぼ徹夜ですね。」


心配した様子で尋ねるディムアに、ロードは困った表情を浮かべて答えた。


デ「…ちゃんと寝なきゃダメだろ!?無理するな!」


少し怒ったように、ディムアは声を上げる。


ロ「すみません…。心配ありがとうございます。」


デ「…いや…。こっちこそ、頑張ってくれて…ありがとう…。」


申し訳なさそうに返事をするロードに、ディムアは照れ隠しで視線を逸らし、小さく呟く。


ロ「いえいえ。初めての魔術なので、上手くいくかはわかりませんが…。」


デ「…ロードなら…きっと上手く行くと思う。」


ロ「…君にそう言ってもらえると、自信が付きますよ。ありがとうございます。」


そんなやり取りをして、2人は笑顔を見せ合っていた。




その日、5人は、アルフィナのいるフレイシーの家を訪れた。


ア「…え!?スピリットをたった1日で習得したの!?」


ロ「はい、習得しました。」


驚いて声を上げたアルフィナに、ロードは頷いて見せる。


フ「ロードね、寝る時間を削って、魔術の書を一生懸命読んでたのよ!」


昨夜の彼の様子を思い浮かべながら、フレイシーはアルフィナに伝えた。


ア「…たしか、スピリットも習得が難しいって聞いたことあるから、1日で習得なんて本当にすごいと思うわ!」


マ「えへへ、やっぱりロードは天才だよね!」


マオは誇らしげに胸を張った。


ロ「…早く魔法の書の在り処を知りたくて急ぎました。早速ですが、始めてもいいですか?」


ア「うん、わかったわ!…これが、私のお母さん〝セレティナ〟の形見のペンダントよ。」


アルフィナは、フレイシーの連絡であらかじめ用意していたペンダントを、ロードに渡した。


ロ「ありがとうございます。」


ペンダントを受け取ったロードは、魔術の書を開いた。


ル「…えーと、そういえば、呼び出したセレティナさんの魂は、誰に憑依させるの?」


ふとした疑問を、ルクは口にする。


ロ「…覚えたての魔術なので、まだ誰に憑依させられるかはコントロール出来ないかもしれません。アルフィナさんはセレティナさんと話をして欲しいので、彼女以外の誰かに憑依させるようにしますね。」


ル「な、なんか緊張するな…。」


フ「大丈夫!怖くないわ!」


ロードの言葉を聞き、不安そうな様子のルクを、フレイシーは笑顔で元気付ける。


デ「…。」


無言でロードを見つめるディムアも、少し心配そうだった。


ロ「大丈夫ですよ。…では、いきますね。」


仲間たちに笑い掛けたロードは、魔術の書に視線を落とし、心の中で唱えた。


その様子を、アルフィナを含めた仲間たちは、静かに見守る。


しばらくして、フレイシーが気を失い、テーブルに突っ伏した。


「…!」


彼女に全員の視線が集中する。


フ「…あら?ここは…。」


目が覚めたフレイシーは、家の中を見渡して呟いた。


ア「え、ええと…お母さん?私、アルフィナよ。わかる?」


アルフィナは戸惑いながら、セレティナが憑依したであろうフレイシーに、声を掛ける。


フ「…まぁ!アルフィナ!久しぶりねぇ!また会えるなんて思っていなかったわ!」


セレティナの魂が憑依したフレイシーは、アルフィナに笑顔を見せた。


ア「お母さん!私もまた話せるなんて思っていなかったから、嬉しいわ!」


アルフィナも、フレイシーに笑顔で返した。


フ「…ふむふむ、察するに、あなたが私の魂を呼び寄せたのね?」


その場にいる全員を見渡したフレイシーは、魔術の書を手にするロードと視線を合わせる。


ロ「そうです。セレティナさん、はじめまして。突然お呼び出ししてしまい、すみません。」


フ「はじめまして!…いえいえ、こんな体験、滅多に出来ないから嬉しいわ!ありがとね!」


遠慮がちに頭を下げるロードに、フレイシーは首を横に振り、笑顔を見せた。


ル「フレイシーに憑依したんだ…!」


マ「すごいね!ロード、霊媒師みたい!」


ルクとマオは、少し興奮した様子でそう話す。


デ「…こんな魔法が本当にあるなんて…。」


驚きで唖然としながら、ディムアは呟いた。


フ「それで、わざわざ呼び寄せてくれたということは、よっぽど私に聞きたいことがあったんじゃない?」


フレイシーに尋ねられ、アルフィナにより本題に入る。


ア「ええ。実は…浄化魔法が習得出来る魔法の書がある場所を教えて欲しいの!」


フ「あら、魔法の書?…浄化魔法を覚えたいの?」


アルフィナの言葉に、フレイシーの表情が僅かに曇る。


ア「うん。お母さん、私によく言ってたよね。この島を本当に平和にする方法は、メア族の命を奪うことじゃない、メア族を救うことだって。その為に、私たちは浄化魔法を習得したいって思ったのよ!」


真剣な表情で、アルフィナはフレイシーを見つめる。


フ「…そうね、私があなたに言ってたわね。あなたが今でも私の思いを継承してくれているのはとても嬉しいわ。でもね、浄化魔法を唱えるには、かなりのリスクがあるらしいの…。」


ア「え?リスクって…?」


うつむくフレイシーに、アルフィナは聞き返す。


フ「具体的にどんなリスクなのかはわからなくて…。私も習得しようとしたけど、難しくて習得は叶わなかったし、ただ昔からそう言い伝えられてきていたの。唱えた本人は、もしかしたら無事ではなくなってしまうのかも…。」


ア「そ、そんな…。」


フレイシーの話を聞き、全員は不安そうな顔を見合わせる。


ロ「たとえどんなリスクがあろうと、僕は浄化魔法を習得する覚悟でいます。」


迷うことなく、ロードはそう返した。


フ「まぁ、あなたもメア族を救いたいと思っているのね?」 ロ「…はい、強く思っています。」


フレイシーの問い掛けに、ロードはそう答え、ディムアに視線を向ける。


デ「…っ。」


ロードと視線が合ったディムアの頬が、少し紅潮した。


フ「…想いが私と一緒ね。わかったわ。魔法の書がどこにあるか、教えるわね。」


ロ「…お願いします。」


穏やかな表情で言うフレイシーに、ロードは笑みを見せて頷く。


フ「魔法の書は、ラファ族が多く暮らす離れ島〝フェアリーアイランド〟に隠されているの。」


フレイシーの言葉を聞き、全員は顔を見合わせた。


ア「…フェアリーアイランド…!そうだわ…思い出した…!」


アルフィナは、小さい頃に母に教えてもらった記憶が蘇ったようだった。


マ「ラファ族がたくさんいる島があるんだ…!?」


マオはワクワクしている様子を見せる。


ロ「…フェアリーアイランド、ですね。ありがとうございます。」


ロードは言い、小さい笑みを見せる。


フ「…これも覚えておいて。魔法の書を無事に入手しても、浄化魔法を習得することは難しいということ。それから、浄化魔法を習得する過程で、リスクが危険なものとわかったら、習得しても唱えるのは考えて欲しいの。メア族を救う方法は、浄化魔法だけではないはずだから。」


ロ「…はい。わかりました。」


ロードの返事を確認すると、フレイシーは微笑む。


フ「それじゃあ、私は元の世界に帰るわね。あまり長くいると、帰れなくなっちゃうかもしれないから。」


ア「ありがとう!お母さん!」


フ「みんな頑張ってね!メア族を救えますように!」


フレイシーはそう明るく言い残し、アルフィナや仲間たちに見守られる中、セレティナの魂は帰って行った。


再び、フレイシーは気を失った。


フ「…っ!」


ロ「…フレイシー、大丈夫ですか?」


しばらくして目を覚ましたフレイシーに、ロードは静かに声を掛ける。


フ「…う、うん。大丈夫…。もしかして、私が憑依されてた…?」


ロ「そうですね。ありがとうございました。」


唖然として尋ねるフレイシーに、ロードは頷き、小さく笑う。


フ「なんか不思議な感じね…!」


手のひらを頬に当てたフレイシーは、まだ信じられないといった様子を見せる。


マ「おかげで魔法の書の場所がわかったよ!早速行こう!」


ル「…場所はわかったけど、どうやって行くんだろう?」


マ「…あ…確かに。」


ルクの疑問を聞き、マオも固まってしまう。


ロ「マオ、行き方わかりませんか?」


マ「…えーと…その…。ごめん!フェアリーランドの行き方は、オレのデータの中にないからわからないよ!」


ロードに尋ねられ、マオは慌てた様子で返す。


ロ「…いえ、僕もすみません。肝心なことを聞き忘れてしまいましたね…。」


ル「は、はは…。マジ?」


視線を落として動揺するロードを見て、ルクは苦笑いを浮かべる。


デ・フ「…。」


ディムアとフレイシーは、不安そうな表情で顔を見合わせる。


ア「…あっ!あの人ならわかるかもしれないわ!ちょっと待っててね!」


何かを閃いたアルフィナは、5人にそう声を掛け、携帯電話でどこかに電話を掛ける。


5人は、アルフィナの様子を見つめる。


ア「…みんな!フェアリーアイランドに連れてってくれる人が見つかったわ!」


フ「えっ!本当に!?」


しばらくして電話を切り、笑顔で言ったアルフィナの言葉に、フレイシーは目を輝かせた。


ア「ええ!船旅が趣味の私のお友達がいて、もしかしたらと思って聞いてみたの!そしたら、フェアリーアイランドのことは詳しいから、みんなを連れてってくれるそうよ!」


マ「おぉぉ!よかったね、ロード!」


ロ「はい!アルフィナさん、ありがとうございます!」


喜ぶマオに笑顔で声を掛けられ、ロードは頷き、アルフィナに感謝する。


ア「いえいえ!私なんかが役に立てて良かった♪︎」


アルフィナは優しい笑顔を見せる。


ル「よかったぁ…!」


デ「うん…。安心したな。」


ルクとディムアも、安堵したようだった。


ア「〝ジョニー〟っていう人なんだけど、〝ウブス港〟でみんなのこと待ってるって言ってたわ!」


ロ「ウブス港ですね。わかりました、行ってみます。」


アルフィナの説明を聞き、ロードは頷く。


ア「魔法の書、無事に見つかるといいわね!みんな、気を付けて行ってきてね!」


フ「うん!ありがとう、お母さん!」


アルフィナに見送られ、5人はウブス港へ向かった。


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