1限目:学力テスト
校舎内は静かで薄暗く、不気味な雰囲気を放っていた。
マ「…うわぁ…。」
フ「思ってた以上に暗いわ…。」
ル「いかにも廃校って感じだな…。」
恐怖でマオは思わず声を漏らし、フレイシーとルクは怖々と呟く。
ロ「みんな一緒にいれば大丈夫ですよ。」
デ「…うん。」
ロードの言葉に、ディムアは安心している様子で頷く。
そのとき、校内放送が、校舎内に響き渡った。
『旅人さんたち、歓迎学園へようこそー!』
マ「っ!?び、びっくりしたぁ!」
突然の放送に、マオは体をビクつかせ、ロードの肩にしがみつく。
ル「な、何が始まるんだ…?」
仲間たちは、顔を見合わせる。
『魔法の書の在処を知りたい皆さんに、これからテストを受けてもらうよ!』
フ「テスト…?」
フレイシーは、不安そうな表情で呟く。
『この放送の指示に従って行動してね!まずは、1年2組の教室に入ってね!』
ル「1年2組って…あそこにあるな…。」
目の前の廊下の通路にある『1年2組』の教室を、ルクは指さす。
ロ「…行きましょう。」
ロードが先頭に歩き、仲間たちも恐る恐るついていく。
5人全員が、薄暗い1年2組の教室に入ると、突然教室のドアが勝手に閉まった。
「っ!?」
その光景に、全員が一瞬固まる。
ル「えっ!?閉じ込められた!?」
ルクが慌ててドアを開けようとするが、ドアはびくともしない。
フ「そんな…!」
フレイシーは、今にも泣き出しそうだった。
『このテストが終わるまでは、教室から出ることは出来ないからね!』
ロ「…だそうです。テストをちゃんと受ければ、出られますよ。」
放送を聞いたロードが、仲間たちにそう伝える。
フ「う、うん…。わかったわ!」
その言葉に、フレイシーは頷いた。
『では、テスト用紙が乗っている机に皆さん着席してね!』
その放送で、5人は教室の中の机に視線を向ける。
並んでいる机の中に、用紙が乗っている机が5席ある。
その席に、5人は恐る恐る座り、一斉に用紙の問題に目を通す。
国語、数学、英語、社会、理科の問題が、ランダムで並んでいた。
ル「…マジのテストかよぉっ!!?」
その問題を見た瞬間、ルクは叫び、頭を抱える。
フ「本当に学校みたいね…。」
デ「…全然わからない…。」
フレイシーとディムアは、不安そうな表情を浮かべる。
マ「オレの分もテストあるんだ…。オレは余裕かも!」
ロ「…僕も大丈夫そうです。」
マオとロードは、自信がありそうな様子だった。
『1限目、学力テスト!テスト中は私語厳禁!カンニングなどの不正行為も失格!合格のボーダーラインは100点満点中50点!不合格者が1人でもいた場合は罰ゲーム!制限時間は30分だよ!…それでは、始めてね!』
その合図で、5人は鉛筆を持ち、問題を解き始める。
ル(…ダメだ…全然わかんねー…。50点も行ける気がしねーよ…。)
開始早々、ルクは絶望していた。
フ(難しいけど…半分の50点くらいなら行けるかも!)
苦戦しながらも、フレイシーは頑張って問題を解いていく。
デ(…あぁ、私には無理だな。)
ディムアにもちんぷんかんぷんのようで、苦笑いを浮かべている。
マ(簡単簡単♪)
ロ(…全部解けました。)
時間を半分以上残し、マオとロードは問題を全て解き、鉛筆を置いていた。
『…終了ー!皆さん、鉛筆を置いてね!』
テスト開始から30分後、校内放送が流れた。
その直後に、教室に顔色の悪い男子生徒が入って来た。
ル「…誰か入って来た…。」
ルクだけではなく、5人全員がその男子生徒を凝視する。
『じゃあ、今入ってきた男子生徒に、テストを提出してね!』
その指示に従い、5人は順番に男子生徒にテストの答案用紙を提出した。
そして、男子生徒はその場ですぐ採点をした。 『採点も終了したみたいなので、成績発表するよー!』
その放送で、採点を終えた5人の答案用紙を持ち、男子生徒は立ち上がった。
やる気のない声で、男子生徒は成績発表を始める。
「…では、まず『マオ』さん。100点です。」
マ「やったー!」
マオは喜び、飛び上がる。
「続いて、『ロード』さん。100点です。」
ロ「ありがとうございます。」
ロードは微笑んだ。
ル「なんなんだ…この天才コンビは…。」
フ「やっぱりロードもマオも頭いいのね…!」
デ「マオはAIだから100点でも仕方ないにしても…ロードは…。」
ルク、フレイシー、ディムアは、2人の点数に唖然とした。
「続いて『フレイシー』さん。64点です。」
フ「よ、よかったー!」
フレイシーは、安堵して胸を撫で下ろす。
「続いて『ルク』さん。28点です。」
ル「…うぅ…。やっぱり…。」
予想通りの低い点数で、ルクは落胆する。
「最後に『ディムア』さん。0点です。」
デ「…。」
ディムアは恥ずかしそうにうつむいてしまった。
ロ「ディムアが0点なのは仕方ないことですよ。今まで学校に行ける、勉強出来るという環境ではなかったんですから。」
そんなディムアを、ロードは咄嗟にフォローする。
フ「そうよね!ディムア、落ち込まないで!」
ル「勉強なんて出来なくたって、生きて行けるからな!」
マ「気にしない、気にしない!」
フレイシー、ルク、マオも、ディムアを励ました。
デ「…うん、ありがと…。」
仲間たちの言葉のおかげで、ディムアは少し笑みを見せた。
『…ということで!不合格者が2名出てしまったので、罰ゲームー!』
「…っ!!」
その放送で、5人は身構える。
その直後、5人の周りに、複数のモンスターが出現した。
『5人で力を合わせてそのモンスターたちを倒してね!そしたら出してあげるよ!』
ロ「そのくらいの罰ゲームでよかったです。」
笑顔でロードは言い、すぐさま杖を構える。
マ「わーい!データ収集出来る!」
フ「突然の戦闘ね…!」
デ「倒せば出られるんだな…。」
ル「俺たちにとってはボーナスゲームだな!」
ロ「そういうことですね。でも、みんな油断しないようにお願いします!」
全員頷き合い、戦闘態勢を取った。
マ「女子生徒っぽい方は〝マリー人形〟、男子生徒っぽい方は〝マロ人形〟だよ!耐性と弱点…どっちも不明!」
ル「えっ!不明!?」
マオの説明を聞き、ルクは思わず声を上げる。
手に持つ杭を振り下ろそうとする数体のマリー人形とマロ人形に、ロードはウィンドエッジを放ち、消滅させた。
ロ「すぐ倒せそうですよ。杭の攻撃に注意してください。」
デ「わかった!」
ロードが声を掛けると、ディムアは頷いた。
フレイシーはガルベスタタイフーン、ディムアはライトニングを唱え、それぞれ1発の攻撃で消滅させた。
ランダムショットで、ルクは周囲のマリー人形とマロ人形に銃弾を放つが、消滅までには至らない。
ル「っ!?」
マロ人形の振り下ろす杭が当たる寸前で、ルクは床を転がり、素早く避ける。
ダメージを受けたモンスターたちを、ロードがフレイムトルネードの炎で焼き、消滅させた。
ル「…悪い、ロード!」
ロ「いえいえ。」
ロードとルクは、顔を見合わせた。
全てのモンスターを倒した瞬間、教室のドアは開いた。
『皆さん、お疲れ様ー!それでは、教室から出てね!』
ル「やった!出られる!」
フ「よかったぁ…。」
放送を聞き、ルクとフレイシーは安堵する。
デ「私、不合格だったけど…これで先へ進めるのか…?」
『合格者が3人で過半数だったので、OKだよー!』
ディムアの呟きが聞こえたのか、放送でそんな返答が返ってきた。
デ「そうか…よかった。」
苦笑いして、ディムアは小さく息をついた。
ロ「気を取り直して、進みましょう。」
ロードを先頭に、仲間たちは教室を出た。
マ「…次はどんな試練なんだろう?」
ル「もう終わりにして欲しい…。」
マオの言葉に、先程のテストの低い点数が響いているルクは、弱気に返答した。
ロ「…テストが嫌な気持ちはわかります。でも、みんなならきっと、これからの試練も乗り越えられます。頑張りましょう!」
マ「もちろん頑張るよ!」
ル「…もう戻れないもんな…。やるしかない!」
デ「今度はみんなの足を引っ張らないようにしないと…。」
フ「みんなで挑めば怖くないわ!」
5人は顔を見合わせて頷き、一致団結した。




