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ラファメア・プロテクション  作者: あおいきりん
5*森の中で迷子
28/92

スワンプダンジョンへ

スワンプダンジョン内に入った瞬間、ジメッとした空気が、5人の身体にまとわりついた。


フ「…なんだか、嫌な空気ね…。」


デ「そうだな…。ジメジメしてる。」


フレイシーとディムアは、顔をしかめてそう言い合う。


ロ「湿度が高いですね。足元も悪いようなので、気を付けてください。」


足元の湿った泥に視線を落とし、ロードは仲間たちにそう声を掛ける。


ル「今度こそ、俺の見せ場を作ってやる…!」


そう呟き、ルクは既に銃を構え、早くも戦闘態勢を取っている。


ロ「マオがモンスターの耐性と弱点を教えてくれるので、弱点が銃のときは、ルクの出番ですね。」


ル「おう、任せろ!」


小さく笑ってロードが言うと、ルクは張り切った様子で頷く。


フ「ルクくん、ずいぶん張り切ってるね!」


マ「そりゃそうでしょー!仲間入りしてすぐの戦闘だもん!戦力になるってところ、みんなに見せつけないとね!」


フレイシーとマオは、笑顔でルクに視線を向ける。


ル「…なんか、そう言われるとプレッシャーなんだけど…?」


ニヤニヤしているマオを見て、ルクは苦笑いを浮かべた。


そんなやり取りをしている5人の前に、早速モンスターが現れ、接近してきた。


ロ「モンスターが出ましたね。」


デ「…虫みたいなモンスターだな。」


いち早く気が付いたロードとディムアが、茎の触覚を持ち、蓮の葉っぱに挟まれた牙を剥いているモンスターを警戒する。


マ「はいっ!ルクくんに朗報です!このモンスターは〝花虫〟、耐性は土と水、弱点は銃ですよー!」


ル「よっしゃー!俺の出番っ!」


マオからモンスターの説明を聞き、ルクは喜んだように声を上げ、花虫にクイックショットを放った。


2発の高威力の銃弾をくらった花虫は、消滅した。


フ「わぁ!ルク、すごーい!」


ル「ま、まぁな!」


フレイシーに褒められ、ルクは照れ笑いを浮かべる。


ロ「ルク、ナイスです。その調子でお願いしますね。」


ル「オッケー!」


微笑んだロードに声を掛けられたルクは、意気揚々と頷いた。


マ「…あっ!花虫が増えてきたみたいだよ!」


前から複数の花虫が近付いている光景を見て、マオは声を上げる。


ル「わかった!ここも俺がやる!」


仲間たちの前に出たルクは、近付いてくる花虫に向かって、〝ランダムショット〟を放った。


複数の花虫に1発ずつ銃弾が直撃するが、消滅までには至らず、花虫たちは一斉にルクに反撃を仕掛けてきた。


ル「っ!?」


ルクが慌てた様子を見せた瞬間、ロードはウィンドエッジを唱え、その花虫たちを風で切り裂き、消滅させた。


ル「あ、ありがと…。はは…。」


ロ「いえいえ。張り切りすぎて無理しないようにしてくださいね。」


ル「は、はい…。」


困ったような笑顔を見せるロードの言葉に、ルクは苦笑いをして頷く。


マ「…ルクみたいなちょっとおバカなキャラ、オレ嫌いじゃないよ!笑」


デ「…ルクはおバカキャラなのか…。笑」


ニヤニヤするマオの発言を聞き、ディムアは苦笑いを浮かべた。




気を取り直し、5人はダンジョンの奥へと進む。


今度は、不気味な目と口がついている、キノコのモンスターが現れた。


フ「…このモンスターも怖いよぉ…!」


接近してくるそのモンスターを見て、フレイシーは声を漏らす。


マ「こいつは〝マイコニド〟、耐性は物理と銃!弱点は魔法!ルク、出番だよ!」


ル「どこが俺の出番なんだぁ!?」


意地悪そうに笑うマオの言葉に、ルクは即座にツッコミを入れる。


ディムアはシャワーオブアローを唱え、4本のマジックアローを、マイコニドに連続で突き刺した。


すると、マイコニドは消滅した。


ロ「ディムア、ナイスです。」


デ「…うん。」


ロードに褒められ、ディムアは照れたように頷く。


ル「…あのー、さっきからこの兎もどきが、俺のことをいじってくるんですけど…。」


マ「失礼だなぁ。小動物型AIと言ってくれるかい?」


苦笑いをしながらルクに視線を向けられ、マオは意地悪そうな笑みを浮かべている。


ロ「仲間に入ってすぐいじるなんて、マオはルクを歓迎しているんですね。」


ル「そ、そうなの…?」


穏やかに微笑むロードの言葉に、ルクは唖然として聞き返す。


マ「まぁ、なんかいじりがいがあって、オレは楽しいよ♪」


フ「楽しいって!ルク、よかったわね!」


楽しそうなマオを見て、フレイシーはルクに明るく声を掛ける。


ル「…喜んでいいのか?笑」


なんとも微妙な笑みを浮かべ、ルクは呟いた。


しかし、次に彼らの前に現れたモンスターが、そんなやり取りで和やかムードの彼らの雰囲気を変えてしまった。


フ「…いやぁあっ!?」


そのモンスターを目の当たりにした瞬間、フレイシーは悲鳴を上げ、その場に座り込んだ。


「―っ!?」


フレイシーの悲鳴と、現れたモンスターの見た目に、仲間たちは驚いた様子だった。


そのモンスターの見た目はナメクジで、通常のナメクジの目は2つだが、そのモンスターは5つの目を持っていた。


そして、人間よりも大きな身体が、更に気味悪さを引き立たせていた。


マ「…えーと、こいつは〝ジャイアントカタツムリ〟!耐性は水と光、弱点は銃だよ!」


ル「おっしゃ!」


待ってましたと言わんばかりに、ルクは銃を構え、〝クイックショット〟を放った。


2発の銃弾がジャイアントカタツムリに命中したが、消滅には至らない。


反撃しようと口を大きく開けたジャイアントカタツムリに、ロードはフレイムトルネードを唱え、炎で焼いて消滅させた。


ロ「…フレイシー、大丈夫ですか?」


フ「う、うん…。ごめんなさい、見た目が気持ち悪くて力が抜けちゃって…。」


ロードの問い掛けに、フレイシーは視線を落として呟く。


デ「そうだな…。今まで遭遇したモンスターの中では、見た目としては最悪かもしれないな。」


ディムアも、フレイシーを心配しながら、そう声を掛けた。


ロ「そうですね…。まだ奥で複数待ち構えているようですよ。」


フ「っ!!」


ロードが前を見ながらそう声を掛け、そちらに視線を向けたフレイシーは絶句した。


ジャイアントカタツムリが、5人の行く手を阻むように、何体もうろうろしていた。


デ「…こんなに集まっていると、かなり気味悪いな…。」


マ「それに、これだけの数相手してたら、テンタライオンとの戦闘の前に、体力をかなり消耗しそうだね…。」


目の前の光景を見て、ディムアとマオは唖然と呟く。


ロ「はい。ということで、強行突破しましょう。」


意を決したような表情で、ロードは仲間たちにそう声を掛けた。


ル「あ、あぁ、了解。えーと、フレイシーちゃん、走れそう?」


フ「う、うん。頑張るね…!」


ルクが遠慮がちに尋ねると、フレイシーはゆっくり頷く。


ロ「なるべくモンスターのいない道を通ります。みんな、しっかりついて来てくださいね。」


マ「オッケーだよ!」


デ「わかった…!」


ロードの静かな言葉に、マオとディムアも頷いた。


ロ「…行きます!」


そう声に出した瞬間、ロードは走り出す。


仲間たちも一斉に駆け出し、ロードの後を追う。


途中で襲い掛かってきたジャイアントカタツムリに、ロードはウィンドエッジを唱えて吹き飛ばし、仲間たちに近付けさせないように遠ざけていた。


フ「きゃっ…!!」


ぬかるんでいる泥に足を取られ、フレイシーは転んでしまう。


ル「っ!」


そのフレイシーに襲い掛かろうとしてきたジャイアントカタツムリに、ルクはクイックショットを放つ。


ダメージを受けたジャイアントカタツムリに、間髪入れずにディムアがマジックリングを唱え、消滅させた。


ル「大丈夫?」


フ「…うん!ありがとう…!」


ルクはフレイシーの手を引いて立ち上がらせ、仲間たちとともに再び走り出した。


しばらく走り続け、ジャイアントカタツムリの群れを撒いた頃、ロードは足を止めた。


ロ「…ここまで引き離せば、もう追って来ないですね。みんな、お疲れ様です。」


マ「お疲れー!」


ロードに続き、マオが仲間たちに声を掛ける。


デ「…ロードが風魔法で、近付くモンスターに攻撃してくれていたおかげで、私たちは安全に走ることが出来た。…ありがと。」


ロ「いえいえ。みんながぴったりついて来てくれたおかげですよ。」


そう交わし、ロードとディムアは微笑み合う。


フ「ありがとう、ロード!…ルクも、助けてくれてありがとう!」


ル「…えっ?」


フレイシーに感謝されたルクは、きょとんとする。


フ「私が転んじゃって、モンスターに襲われそうになったとき、モンスターを攻撃してくれて、私を立ち上がらせてくれたでしょ?かっこよかった!」


ル「あぁ!なんだ、そんなこと!別に大したことしてないよ!」


尊敬の眼差しでフレイシーに見つめられ、ルクは照れ笑いをして頭をかいている。


ロ「フレイシーを助けてくれて、ありがとうございます。ルク、勇敢でしたね。」


マ「よかったね!ルクの株、急上昇だよ!」


ル「そ、そう?あはは…。」


ロードとマオにもそう声を掛けられ、ルクは照れ隠しで視線を逸らした。


デ「…あのカタツムリのモンスターを撒いたのはいいが、ここは行き止まりか?」


辺りを見回したディムアが、仲間たちに声を掛ける。


ロ「…本当ですね。この先、道がないようです。」


マ「ありゃ。じゃあ、少し戻る?」


ロードとマオも行き止まりを確認し、そう話していたときだった。






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