再び森へ
5人は再びスワンプの森に足を踏み入れた。
マ「よーし!気を取り直して、今度こそ魔法の書を見つけに行こー!」
ロ「今回はマオに頼ります。道を覚えていてください。」
マ「任せて!」
ロードの指示を受け、マオは自信満々に頷く。
デ「通った道を記憶して、帰るときはその記憶した道を辿れば迷わず帰れるというわけか。」
マ「そうだよん。助手らしい役目でしょ?」
ディムアが感心して言うと、マオは胸を張った。
ル「そんなこと出来るんだな。ただのペットかと思ってた…。」
少し驚いたように、ルクはマオを凝視する。
マ「失礼なっ!ちゃんとみんなの役に立てるんだからね!」
マオは横目でルクを見て、腕を組んで言った。
フ「もちろん、マオは可愛くて優秀なロードの助手よね!」
マ「うん!えへへ!」
フレイシーに褒められ、マオはご満悦だった。
ル「…それで、魔法の書って、一体どんなものなの?」
森を進みながら、ルクは尋ねる。
ロ「簡単にいえば、浄化魔法の習得方法が記載されている書物です。」
ル「浄化魔法…?初めて聞いたな。」
ロードの言葉に、ルクは首を傾げる。
ロ「浄化魔法をメア族にかけると、そのメア族が持つ闇の魔力が消滅するそうです。」
ル「闇の魔力がなくなる?そのメア族は能力者に闇の魔力を感知されなくなるってこと?」
ロ「そうです。闇の魔力を持たなくなれば、事実上メア族ではなくなり、人間と同じになります。メア族として命を狙われることも二度とないと思います。」
ル「じゃあ、その浄化魔法を習得して、ディムアにかければ、もう前の俺みたいな悪い奴に命を狙われる心配もないわけだな!」
ロードの説明を理解したルクは、ディムアに視線を向けて笑顔で答えた。
デ「…別に、メア族を狙っていた以前のお前が悪いとは思っていない。メア族なんてこの世から消えた方がいいのは当然なんだからな。私もそう思っている。」
ル「…えっ…。」
素っ気なくそう答えたディムアの反応に、ルクはどう返していいのか困惑する。
ロ「浄化魔法で、この世に存在するメア族全てを救えるかはわかりませんが…。少なくとも、ディムアだけは必ず助かってほしいと僕は思っています。君はとても大切な仲間なので。」
デ「…っ。」
真剣な表情のロードの言葉に、ディムアの鼓動は早くなる。
フ「そうよ、ディムア!この世から消えなければいけないメア族なんていないわ。浄化魔法で、メア族はきっとみんな助かるの!もちろんディムアも!だから、安心してね!」
デ「…うん。ありがと…。」
フレイシーに明るくそう声を掛けられたディムアは、小さく笑い、頷いた。
ル「…ディムアとの接し方が難しいな…。」
誰にも聞こえないような声で、ルクは独り言を呟いた。
「ガルルルルッ…!」
そのとき、凶暴な動物の声が、近くで聞こえた。 「っ!」
5人は咄嗟に構え、その正体を確認する。
それは、ワニのような見た目のモンスターだった。
フ「…こ、怖そう…!!」
そのモンスターを見て、フレイシーは呟く。
マ「こいつは〝ワニザメ〟だよ…。どうやら、周りに何体かいるみたい!」
ロ「ワニザメの群れですかね…。気を付けましょう。」
マオの言葉を聞き、ロードは仲間たちにそう声を掛ける。
ル「よしっ!俺が倒してみる!」
そう言ったルクは、じりじりと迫ってくる目の前のワニザメに、パワーショットを放った。
しかし、弾を直撃したものの、ワニザメにはあまり効いていない様子だった。
ル「えっ!?なんで…!」
平然としているワニザメを見て、ルクは慌てる。
マ「…あ、言うの忘れてた!ワニザメの弱点は魔法、耐性は物理と銃だよ!」
ル「っ!?それを早く言ってくれよぉ!」
苦笑いをするマオの説明に、ルクは即座にツッコミを入れた。
牙を剥いて襲い掛かってきたワニザメに、ロードはライトニングを唱える。
雷を直撃したワニザメは、消滅した。
マ「あはは、ごめんごめん!笑」 そう言いながら、マオは意地悪そうな笑みを見せていた。
ロ「耐性が銃なら、ルクは攻撃しない方が良いですね。」
フ「そうね!私たちが魔法で倒しましょ!」
デ「わかった。」
ロードが声を掛けると、ディムアとフレイシーは頷いた。
ル「…仲間入りした記念すべき最初の戦闘に出番なしって…。」
マ「まぁまぁ!落ち込むなって!」
肩を落とすルクを、マオが明るく慰める。
ワニザメの群れは、ロードのフレイムトルネード、ディムアのライトニング、フレイシーのウィンドエッジで、一気に消滅させた。
ル「みんな強いなぁ…。」
3人の攻撃魔法を、ルクは唖然として見つめていた。
ロ「弱点が魔法とだけあって、僕たちには有利なモンスターでしたね。」
マ「そうだね!先に進もう!」
ロードの言葉に、マオは元気に頷いた。
マ「…あ!なんかあそこに穴があるよ!」
マオは声を上げ、穴の空いた地面に近付いた。
ロ「これは…ダンジョンの入口でしょうか。」
穴を覗き込み、ロードは言う。
フ「ダンジョン!?なんか怖そうね…。」
フレイシーは少し不安そうな表情を浮かべる。
マ「…なるほどね!このダンジョンに潜んでいるのは〝テンタライオン〟だよ!」
ル「テンタライオン?」
マオの言葉に、ルクは首を傾げる。
マ「うん。メガロポリスの資料館で収集したデータの中にあったよ。スワンプダンジョンの奥地に住む、強いモンスター。『モンスターが魔法の書を守っている』って男の子が言ってたよね?きっと、テンタライオンが魔法の書を持ってるんじゃない?」
フ「そ、そうなのね!魔法の書があるかもしれないなら、行ってみないとよね!」
覚悟を決めた様子で、フレイシーはダンジョンの入口を見つめる。
ロ「みんなわかると思いますが、ダンジョンのモンスターは強いです。なるべく離れず、気を付けて進んでください。」
デ「…わかった。」
ル「了解!」
ロードの呼び掛けに、仲間たちは頷いた。
マ「レッツゴー!」
マオはロードの肩の上に乗り、手を挙げた。 5人はダンジョンに足を踏み入れた。




