浄化魔法と魔法の書
ア「…あ、みんな!おかえりなさい!」
イベントガーデンで4人の帰りを待っていたアルフィナは、戻って来た彼らの姿を見つけ、声を掛ける。
フ「お母さん、ただいま!ポプリさんが来てくれたわ!」
フレイシーは、アルフィナに笑顔でそう伝える。
ア「ポプリさん、わざわざ来てくれてありがとう!」
ポ「いえいえー、ボクもこの子たちに助けてもらったからねー。それで、クローバーを育てればいいんだねー?」
アルフィナとポプリは、そう言葉を交わす。
ア「ええ。この花壇でクローバーを育てられるかしら?
そう言って、アルフィナは、綺麗に片付けた花壇を指す。
ポ「うん、大丈夫だよー。ボクに任せてー!」
ア「よかった!よろしくね!」
元気よく頷いたポプリを見て、アルフィナは安心して笑顔を浮かべる。
早速、ポプリは花壇に手際良くクローバーの種をまき、水をやった。
クローバーを育てる準備が出来ると、ポプリは花壇の前で一度深呼吸をした。
その様子を、ロードたち4人とアルフィナは見守っている。
ポ「…クローバーよ!元気に育てー!」
花壇に向け、ポプリが手を上げてそう声を上げた瞬間、たくさんのクローバーが一気に咲いた。
マ「おぉぉ!本当に一瞬でクローバーが咲いたー!」
ロ「これはすごい魔法ですね…。」
フ「わぁ!ポプリさん、すごいすごい!」
デ「…すごい…!」
その光景を見た4人は、驚いた様子を見せた。
ア「ポプリさん!これでクローバー祭りを開催することが出来るわ!本当にありがとう!」
ポ「いえいえー。お役に立ててボクも嬉しいよー。それじゃあ、帰るねー。」
喜んだアルフィナが礼を述べると、ポプリは満足したように笑い、その場を立ち去る。
ロ「ポプリさん、ありがとうございました。」
ポ「こちらこそありがとねー!」
ロードたちに見送られ、ポプリはダンジョンへと帰って行った。
ア「みんなもどうもありがとう!疲れたでしょ?さぁ、帰りましょ!」
アルフィナは、4人にそう声を掛ける。
フ「あれ?クローバーで押し花を作るんじゃなかったの?」
首を傾げて、フレイシーは尋ねる。
ア「そう思ってここに来たんだけど、押し花の担当は違う人だったみたい!」
フ「あ、そうなのね!」
お茶目に笑うアルフィナの言葉に、フレイシーは納得した。
ロ「…ひと段落着きましたね。それでは、アルフィナさんにお聞きしたいことがあるのですが。」
ア「えっ?聞きたいこと?」
ロードの言葉に、アルフィナは目を見開く。
フ「そうそう!お母さん、大事なお話があるの!」
ア「あら、そうだったの!大事なお話なら、お家で聞くわね!」
フレイシーが思い出したように言うと、アルフィナは驚いたようにそう返した。
マ「…2人とも、ちょっと天然入ってない?笑」
ロ「…確かに入っているかもしれません。可愛らしいですね。」
デ「…ラファ族って、こんな感じなんだな…。」
フレイシーとアルフィナに聞こえないように、3人はそんな話をしていた。
ロードたち4人とアルフィナは、フレイシーの家に入った。
ア「みんな、ごめんなさいね!バタバタしてて、みんなのお話が遅くなっちゃったわね!」
アルフィナは、少し困った笑顔で言い、ロードたちにお茶を出した。
ロ「いえ、こちらこそお忙しいときにすみません。…いただきます。」
ロードは、アルフィナに小さく頭を下げる。
デ「…いただき…ます。」
慣れない敬語を使い、ディムアはぎこちなさそうだ。
マ「オレは飲めないけど、いただきまーす!」
飲食をしないAIのマオは、アルフィナが出してくれたお茶を眺めている。
ア「今日は確か、フレイシーは資料館に行ったんでしょ?そこで皆さんと知り合ったの?」
フ「うん!浄化魔法について調べてたの!」
その言葉を聞き、アルフィナは少し困ったような表情を浮かべる。
ア「あら、そうなの…。浄化魔法のこと、載ってた?」
フ「ううん、どこにも載ってなかったわ。」
ア「そうよね…。浄化魔法って、わかっていないことが多すぎるから…。」
ロ「あの、すみません。アルフィナさんは、どういう経緯で浄化魔法のことを知ったのですか?」
ア「もう昔の話なんだけど、私が小さい頃、お母さんから聞いたことがあったの。『浄化魔法という魔法がある。その魔法が習得できたら、メア族を救うことが出来る』って。」
「…。」
その話を聞き、4人は思わず視線を合わせた。
フ「…私のおばあちゃんってことよね。もういないから、話を聞くことも出来ないのね…。」
フレイシーはうつむいてしまった。
ア「残念だけど、そうね…。おばあちゃんはね、浄化魔法を習得する為の〝魔法の書〟を読んだことがあるらしいの。でも、その内容も習得方法もとても難しくて、おばあちゃんには習得することが出来なかったって言ってたわ。」
ロ「その魔法の書は、どこにあるのかわかりますか?」
ア「それが、覚えてないの…。場所って大事なのに、場所の名前が全然出てこないのよね…。ごめんなさい。」
申し訳なさそうに、アルフィナは小さく頭を下げた。
ロ「いえいえ、大丈夫ですよ。」
ロードは小さく笑みを見せる。
マ「へぇぇ、魔法の書かぁ!見てみたいなぁ。オレでも読めるかなぁ。」
話を聞いただけで、マオはわくわくしているようだ。
ア「でも、どうしたの?浄化魔法のことが知りたいなんて…。」
不思議そうに、アルフィナは尋ねる。
フ「あのね…。ディムアがメア族で、浄化魔法で闇の魔力を消し去りたいの!」
ディムアに視線を送り、フレイシーは答えた。
ア「…えっ!?あなたメア族なの!?」
デ「…あぁ、そうだ。」
驚いた様子のアルフィナに、ディムアはゆっくり頷いて見せる。
ア「そうだったのね!私が出会ったメア族は、意思疎通も出来ない程、凶暴な人ばかりだったのに…。あなたはとても穏やかな心を持っているのね。あなたのようなメア族もいるって知って、とても嬉しいわ!」
アルフィナは、今度は嬉しそうにディムアを見つめた。
デ「そ、そうか…。」
視線を逸らし、ディムアは少し困惑している。
ロ「メア族特有の闇の魔力を持ってしまっているが故に、ディムアは今まで人々に傷付けられてきたようです。ときには、命を落としそうになったことも…。そんな彼女を救う為に、浄化魔法は有力かもしれないと思ったのです。」
真剣な表情で話すロードからは、哀しさも感じ取れた。
デ「…。」
自分のことを助けたいということを話しているロードの横顔を見つめ、ディムアは内心ドキドキしていた。
ア「…そうね。ディムアちゃんを救う為にも、浄化魔法が必要ね!」
アルフィナはしっかり頷いた。
フ「…ねぇ、ロード。これから、みんなは魔法の書を探しに行くのよね?」
ロ「はい、そのつもりですよ。」
フレイシーに尋ねられ、ロードは頷く。
フ「私もついてっても良いかな…?」
マ「えっ!フレイシーが一緒に来てくれるの!?心強いね!」
遠慮がちに言ったフレイシーの言葉に、マオは喜んでいる。
ロードに視線を送られたディムアは、小さく頷く。
ロ「僕たちは大歓迎ですよ。あとは、アルフィナさんの許可が必要ですね。」
マオ、ディムアが賛成したことを確認したロードは、アルフィナに視線を向ける。
ア「フレイシーが皆さんのお役に立てるのなら嬉しいわ!ぜひよろしくお願いします!」
フ「やったー!」
アルフィナの許可が降り、フレイシーは喜んだ。
ロ「フレイシー、よろしくお願いしますね。」
マ「よろしくねー!」
デ「…よろしく。」
フ「みんな、これからよろしくね!」
4人は笑顔を見合わせた。




