クローバー祭の手伝い
フ「ねぇねぇ!みんなはどんな魔法が使えるの?」
家に向かいながら、フレイシーは仲間たちに尋ねる。
ロ「僕は、火と水と風と雷の属性魔法、それから無属性魔法を使えます。」
フ「えっ!?そんなにたくさん使えるなんて、すごいわね!」
ロードの返答に、フレイシーは驚く。
マ「ロードはたくさんの属性が使えるし、全部超上級魔法まで使いこなすよ!しかも、敵から攻撃を受けたら、何かしらの属性魔法で必ず反撃するんだ!すごいでしょー!」
フ「本当に!?ロードって、とっても強いのね!」
得意気に笑顔を見せるマオの言葉を聞き、フレイシーはロードを尊敬の眼差しで見つめる。
ロ「いえ、大したことではないですよ。」
ロードは小さく笑い、首を横に振る。
デ「そんなに謙遜しなくても、ロードはすごく強いだろ。」
ロ「…そうですか?ありがとうございます。」
ディムアのその言葉に、ロードは少し照れたように返した。
フ「ディムアはどんな魔法を使うの?」
デ「私は…無属性魔法と、雷と闇。」
フレイシーに尋ねられ、ディムアはそう答える。
フ「そっか!ディムアはメア族だから、闇属性を持ってるのね!」
なるほどというように、フレイシーは頷く。
マ「うん。でも、闇属性魔法を普段使ってると、メア族だとすぐに知られて、悪いヤツに襲われてしまうかもしれないから、使わないようにしてるんだよ。」
フ「あ、そうなのね…。メア族を攻撃してくる人がいるのは、本当に悲しいね。」
マオの言葉を聞き、フレイシーは悲しそうな表情で視線を落とす。
マ「そうだね。でも、ロードがディムアを敵から護ってくれるよ!ね、ロード♪」
ロ「はい。護りますよ。」
マオに声を掛けられると、ロードはディムアを見つめて微笑み、頷いた。
デ「…。」
ディムアはロードから視線を逸らし、頬を赤く染めた。
フ「よかった!ロードが護ってくれたらとっても安心ね!」
デ「…うん。」
フレイシーに笑顔で声を掛けられ、ディムアも小さく笑みを見せて頷く。
ロ「フレイシーは、光属性魔法を使うんですか?」
フ「うん!でもね、光の魔法って結構魔力を消費するから、普段は無属性魔法と、水と風の魔法ばっかり使ってるの。えへ!」
ロードの問い掛けに、フレイシーはお茶目に笑ってそう返す。
マ「へぇー、光魔法は魔力の消費が激しいんだ!光魔法、見てみたかったんだけどなー。」
ロ「いつ強い敵が現れるかわからないので、魔力は温存しておくことに越したことはないですからね。光魔法のお披露目は、いざというときにとっておいてもらいましょう。」
マ「はーい。」
ロードの言葉を受け、マオは残念そうな笑顔を見せて返事をした。
フ「ごめんね!フィールドに出たら、光以外の私が持ってる魔法を見せてあげる!ロードより全然弱いと思うから、期待しないでね?」
マ「いや、期待しちゃうなー!」
フ「もおー!」
少し意地悪な笑みでマオが言うと、フレイシーは頬を膨らまし、困ったように笑った。
ロ「フィールドに出て、みんなで戦うのが楽しみですね。」
デ「…うん、そうだな。」
ロードとディムアは、笑顔を見合わせた。
そんなやり取りをしながら、4人はフレイシーの家に到着した。
フレイシーは、家のドアを開けようとするが、ドアは鍵が掛かっている。
フ「…あれ?鍵が掛かってるわ。」
マ「もしかして、お母さん、お出掛け中かなぁ?」
フ「うーん…。」
マオに尋ねられ、フレイシーは考える仕草をする。
フ「あ、そうだわ!今日は〝クローバー祭〟の準備のお手伝いがあるから、お母さんは〝イベントガーデン〟にいるって言われたんだった!」
思い出してそう言ったフレイシーは、恥ずかしそうに笑みを見せる。
ロ「クローバー祭…ですか。良い名前のお祭りですね。」
マ「なんかめちゃくちゃ楽しそう!」
ロードとマオは、祭りと聞いただけで気分が上がっている様子である。
フ「うん、クローバー祭はとっても楽しいのよ!お母さんに浄化魔法のことを聞きたいし、ちょっと準備の様子見に行ってみる?」
マ「うん!行く行くー!」
フレイシーの提案に、マオは元気よく手を上げる。
ロ「祭りの準備と聞くだけでも、楽しみですね。ディムア、行ってみますか。」
デ「あ、あぁ…うん。」
ロードに声を掛けられ、ディムアは戸惑いながら頷いた。
4人は、フレイシーの母に会いに、メガロポリスの敷地内にある、イベントガーデンに来た。
そこでは、祭りの準備が進められていた。
マ「すごい!屋台もあるんだね!」
フ「うん!クローバー祭当日は、いろんな屋台が出るのよ!」
準備中の屋台を見てわくわくするマオに、フレイシーも楽しそうにそう説明する。
ロ「当日は僕たちも参加したいですね。」
この場にいることが落ち着かない様子のディムアに、ロードがそう声を掛ける。
デ「…お祭りって初めてなんだが…。私も楽しめるか…?」 遠慮がちに、ディムアは尋ねる。
ロ「もちろんですよ。一緒に楽しみましょう。」
デ「…うん…!」
微笑むロードの言葉に、ディムアも小さく笑って頷いた。
フ「…あ、いたいた!お母さーん!」
母の姿を見つけたフレイシーは、母に駆け寄る。
母「…あ、フレイシー…。」
フレイシーの母は、困ったような表情を浮かべていた。
フ「どうしたの?何か困ったことがあったの?」
母「ええ…。けっこう大変なことが起こってしまったのよ…。」
フレイシーの問い掛けに、母は息を小さくついて答える。
ロ「…フレイシーのお母さん、はじめまして。」
フレイシーの後ろにいたロードが、母に声を掛ける。
母「…あら!フレイシーのお友達?」
フ「うん!今日お友達になったの!ロードと、ディムアと、マオよ!」
フレイシーは、母に仲間たちを紹介する。
母「みんな、フレイシーとお友達になってくれてありがとう!私は、フレイシーの母の〝アルフィナ〟よ♪よろしくね!」
アルフィナは、笑顔で3人にあいさつをする。
ロ「アルフィナさん、よろしくお願いします。早速ですが、何かお困りなんですか?」
ア「え、ええ、そうなの…。あれを見て。」
ロードの問い掛けに、アルフィナは近くにある花壇を指す。 その花壇は、植えられていたであろうたくさんのクローバーが、土ごと掘り起こされていて、荒れた状態となっていた。
フ「えっ…!?クローバーが…!」
フレイシーと仲間たちは、その荒れた花壇を凝視する。
ア「これはね、クローバー祭の為に育てたクローバーなの。押し花にして、来てくれる人みんなに配って、みんなの幸せを祈るっていうメインイベントなのよ。」
ロ「そんな素敵なイベントなんですね。それなのに、クローバーの花壇が荒らされてしまったんですか…。」
ア「そうなの…。これじゃあ押し花が作れなくて、イベントが出来ないのよね…。」
視線を落としてロードが呟くと、アルフィナも悲しそうな表情で返す。
マ「一体誰がこんなこと…!」
何者かもわからない犯人に対し、マオは怒りを感じているようだ。
フ「うーん…。なんとか新しくクローバーを育てられないかな…?」
ア「でも、これから種から育てるのでは間に合わないし…。」
フレイシーとアルフィナは、考え込む。
ア「…あっ!〝ポプリ〟さんなら、クローバーをすぐ育ててくれるかもしれないわ!」
マ「ポプリさんって?」
閃いたように声を上げたアルフィナに、マオが聞き返す。
ア「メガロポリスのフィールドを少し行った所に、ダンジョンがあるの。その中に住んでいる不思議な熊さんで、植物をすぐに成長させる魔法の力を持ってるのよ。」
デ「…すごい…。そんな力を持っているのか…。」
アルフィナの話を聞き、ディムアは驚いたように呟く。
ロ「では、そのポプリさんにお願いして、クローバーを育ててもらえばいいんですね。僕たちが行ってきますよ。」
ア「えっ!?ダンジョンの中にはモンスターがいるけど、大丈夫?」
ロードの言葉に、アルフィナは心配そうに尋ねる。
マ「大丈夫!オレたちに任せてー!」
意気揚々と、マオは胸を張った。
フ「私も一緒に行ってもいいかな?」
ロ「はい、お願いします。」
フレイシーの問い掛けに、ロードは快く頷く。
ア「みんな、ありがとう!ポプリさんは、ダンジョンのけっこう奥にいると思うわ。モンスターにはくれぐれも気を付けて…お願いね!」
ロ「わかりました。行ってきます。」
アルフィナに見送られ、4人はダンジョンへと向かった。




