離れない約束
カバリア遺跡ダンジョンを無事に抜け、街を目指して3人はフィールドを歩いていた。
マ「ディムア…ごめん…。オレ…あんなに酷いこと言ったのに…。」
ディムアに抱かれたまま、落ち込んだ様子でマオは静かに言う。
デ「…別に。私は気にしてないし、お前ももう気にするな。」
そう言ったディムアは、マオに小さく笑い掛ける。
マ「ありがとう…。ディムアは優しいね…オレのこと助けてくれたし…。もう、ディムアのこと悪く言わないから…。」
デ「…うん。」
マオにも少し笑顔が戻り、ディムアは安心したように頷いた。
マ「ロードも…ごめん…。勝手な言動して迷惑掛けて…。助手失格だよね…。」
遠慮がちに、マオはロードに声を掛ける。
ロ「…しっかり反省しましたか?」
マ「…うん。すごく反省した。」
ロードに尋ねられ、マオはすぐに頷く。
ロ「考えを改め、反省して、傷付けた相手に謝ることが出来たのだから、それで良いんです。助手失格なんてことはないですよ。」
マ「よかった…。」
ロードの微笑みを見て、マオはようやく表情が柔らかくなった。
マ「いやぁ、2人が来てくれなかったら、オレ死んでたよ…。あのときは人生終わったと本気で思った。」
モンスターの攻撃を受け続け、動けなくなったときの場面を思い出しながら、怖々とマオは言う。
ロ「本当に、間一髪でしたね。何故すぐに逃げなかったんですか?」
マ「い、いや、あのモンスターがあまりにも大きくて怖くて、足が竦んで逃げられなかったんだ…。」
ロードから視線を逸らし、苦笑いしながらそう答える。
ロ「それは違いますね。君のことです。自分1人でもモンスターのデータ収集が出来るんだということを証明する為に、わざと攻撃を受けていたのではないですか?」
マ「ギクッ…!」
ロードの鋭い考察に、マオの表情は固まる。
デ「図星のようだな。」
マオのその様子を見て、ディムアは苦笑いをする。
ロ「そんな無茶な方法でデータ収集をしても、僕は嬉しくないですよ。このようなことは二度としないでください。」
マ「わ、わかったよ…。」
ロードに軽く叱られ、マオは肩を落とす。
ロ「僕にとって、助手はマオしかいないんです。絶対に、いなくならないでくださいね。」
穏やかな笑顔で、ロードは言った。
マ「ロード…。うん!もちろんだよ!」
マオもすぐ笑顔になり、元気に頷いた。
そんなやり取りで、ディムアも温かな気持ちになっていた。
マ『情報屋の情報により、メア族は人を襲う超凶暴な種族だという事実が判明した。同時に、メア族と相反する種族、ラファ族の存在も知った。今日、オレはその事実を知ったことで、ディムアをとても傷付けるような発言をしてしまい、ロードのことも怒らせてしまった。オレはロードとディムアの元を少しの間離れ、そのときカバリア遺跡のフィールドで出会った、ショコラという兎と話したことで、自分の発言がどれ程間違っていたか気付かされた。2人の元へ帰る途中で、カバリア遺跡ダンジョンを発見し、モンスターに追われながら1人で奥まで進んでしまった。ダンジョンの主のトムベスとも遭遇してしまった。データ収集の為に攻撃を受け過ぎ、動けなくなったとき、間一髪でロードとディムアが助けに来てくれた。ロードが言った通り、ディムアはとても優しいメア族だ。もう彼女のことを悪く言うことは絶対しない。ロードの言うことも絶対聞く。オレは、これからもずっと大好きなロードの助手でいたいから。』
マ「…ちょっと恥ずかしいかな…。でも、オレの正直な気持ちだから送っちゃう!」
照れ笑いを浮かべながら、マオは研究所へ文章を送信した。
3*パートナーとの絆―完―




