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ラファメア・プロテクション  作者: あおいきりん
3*パートナーとの絆
16/92

トムベスとの戦い

マ「…はぁっ、はぁっ…。ようやく撒いたぞ…。」


多数のモンスターたちから逃げ切った頃には、マオの息は上がっていた。


マ「あぁ、モンスターのせいで、ダンジョンのかなり奥まで来ちゃった…。戻るなら今のうちだな。早くダンジョンを出よう!」


そう決めたマオだったが、そのとき、あることに気が付く。


マ「…!ここ、電波が…?」


それは、自分の周りの電波がよくないということだった。


そのせいで、ロードと自分の居場所が、画面に上手く表示されていなかった。


マ「マズイな…。早く戻らないと!」


慌てたマオは、入り口に向かおうとする。 そのとき、マオの周囲で地響きが起きた。


マ「っ!?」


マオは驚き、辺りを見渡す。


しばらくすると、奥から大きなモンスターが現れた。


マ(…っ!コイツ、このダンジョンに棲むボス〝トムベス〟…!?)


突如現れたボスのトムベスに、恐怖よりも好奇心の方が勝ち、逃げることなく凝視した。


マ(そ、そうだ!トムベスのデータ収集をして、ロードに見せてあげよう!)


そう思い付いたマオは、トムベスに一歩近付いた。


モンスターは素早く動き、マオに大きな拳を打ち付けた。


マ「わぁっ!!?」


拳を直撃したマオは、勢いよく壁に叩き付けられた。


マ(…い、痛い…。すごい攻撃力だ…!でも、逃げないぞ…。オレ1人でだって、データ収集出来るんだから…!)


マオは体勢を立て直し、呼吸を整える。


すると、今度はマジックアローが飛んできた。


マ「うぁ!!」


マジックアローを直撃し、マオは地面に倒れた。


携帯電話の画面を見ながら、ロードは不安を感じていた。




ロ「…。」


デ「…どうした?大丈夫か?」


その様子に気が付いたディムアが、ロードに声を掛ける。


ロ「…ダンジョンの奥まで来たからだと思うのですが、今電波が悪い状態です。そのせいで、マオの居場所がわからなくなってしまいました。」


デ「え…!?」


ロードの言葉に、ディムアは声を漏らす。


ロ「少し危険な予感がしますね…。」


デ「あ、あぁ…急ごう。」


2人は顔を見合わせ、走り出した。




しばらくして、2人は同時に足を止めた。


デ「…今、マオの声がしたような気がする…!」


ロ「はい…僕も聞こえました…。」


2人はそう言い合い、耳を澄ます。


衝撃音と共に、マオのものらしき微かな悲鳴が、2人には聞こえた。


ロ「…あっちの方からですね。」


デ「うん…!」


ロードが奥の方を指すと、ディムアは頷く。


2人は再び走り出した。




マ「…。」


トムベスの攻撃を受け続け、マオは傷だらけで倒れていた。


マ(もう…データはたくさん取れた…。これ以上攻撃受けたら壊れちゃうかもな…。よし、逃げよ…。)


そう思ったマオは、その場から立ち去ろうと、飛ぼうとした。


しかし、身体は動かなくなっていた。


マ(…!!?し、しまった…!攻撃を受けすぎて動けない…!!!)


じりじりと迫り来るトムベスを前に、マオは絶望を感じる他なかった。


トムベスの拳が、マオに向かって振り下ろされる。 マ「―っ!!」


マオは強く目を瞑った。


そのとき、辺りに雷鳴が鳴り響いた。


それと同時に、自分の身体が何かに抱き上げられた感覚があり、マオは恐る恐る目を開けた。


デ「マオ…大丈夫か…!?」


マオを抱き上げたディムアが、心配そうに彼を見つめ、呼び掛けた。


マ「…ディムア…。」


マオの声は、力を失った小さなものだった。


そして、雷鳴の正体は、ロードがトムベスに放ったライトニングだった。


ライトニングを直撃したトムベスは、痺れて動きを止めている。


ロ「危ない所でしたね。もう大丈夫ですよ、マオ。」


ロードは言い、マオに微笑み掛けた。


マ「…ロード…うぅっ…。」


ロードを見つめるマオの瞳から、大粒の涙が零れた。


ロ「僕の大切な助手がお世話になったようですね。これからたっぷりとお礼をさせてもらいますよ。」


トムベスに向け、ロードは笑みを見せた。


ト「ガァァァ!!」


短い時間で麻痺状態が解けたトムベスは、雄叫びを上げると、周囲にモンスターを出現させた。


マ「…こいつは…トムベス。耐性は、無属性魔法と風と土…。弱点は銃…。2人とも、気を付けて…!」


ロ「はい、了解です!」


デ「うん、わかった。」


力が抜けた様子で言ったマオに、ロードとディムアは同時に頷いて見せた。


ロードはガルベスタタイフーン、ディムアは〝マジックタイフーン〟を唱え、周囲のモンスターを一気に減らす。


2人の魔法により吹き荒れる風を切るように、トムベスはディムアに大きな拳を突き出して突進してきた。


デ「っ!!」


ディムアに直撃する寸前に、ロードはアイスクリスタルを唱え、トムベスに横から氷塊を勢いよく放った。


その衝撃で、トムベスは吹っ飛び、壁に叩き付けられた。


デ「…ありがと…!」 ディムアはロードに微笑み掛ける。


ロ「いえ。マオを任せてしまってすみません。無理しないでくださいね。」


デ「うん、大丈夫だ。」


2人は頷き合い、再びトムベスに視線を向けた。


そのとき、ロードとディムアにマジックアローが1本ずつ飛んで来て、2人の身体を射た。


ロ・デ「っ!」


2人は体勢を崩す。


それと同時に、ロードのウィンドカウンターが発動し、目が1つで羽を羽ばたかせて飛んでいるモンスターに風がまとい、切り裂く。


マ「そいつは〝リマ〟…。耐性は土と風…弱点は物理と銃…。もう1体の、壺をかぶった蛇みたいなのは〝チブチャ〟…。耐性は光と水…弱点は物理と銃だよ…。」


ディムアに抱かれたまま、マオはモンスターに視線を向け、そう説明をした。


ロ「リマは風、チブチャは水が耐性ですね。ありがとうございます!」


ライトニングを唱え、リマとチブチャを退治しながら、ロードは頷いた。


体勢を立て直し、再び突進して来たトムベスに、ディムアはライトニングを唱え、稲妻を落とした。


すかさずロードはフレイムトルネードを唱え、トムベスと周囲にいるモンスターを、まとめて炎で覆う。


ト「ガァァァァ…!!」


モンスターたちは消え去り、トムベスは炎の熱に苦しむような呻き声を上げた。


マ「もうちょっとで倒せそうだよ…!頑張って…!」


ロ「わかりました!」


デ「うん!」


マオの言葉に、ロードとディムアは頷く。


その直後、最後の悪あがきか、トムベスは大きな拳で地面を強く叩き付けた。


すると、辺りに濃い土煙が舞い、視界が急激に悪くなった。


デ「…何も見えない…!?」


マ「ヤバい…!攻撃して来る…!?」


土煙のせいで目が開けられず、ディムアとマオは焦ったようにそう口にする。


ロ「…大丈夫です…。ディムアとマオには、絶対攻撃させません…!」


デ「…っ!!」


咄嗟に2人を護る体勢を取ったロードの言葉に、ディムアの鼓動は速くなる。


次の瞬間、土煙の中から、トムベスの大きな拳が突如飛んで来た。


その拳を、ロードは魔力を防御力に集中させた杖で受け止めた。


すると、大きな衝撃音とともに、ロードのサンダーカウンターが発動し、トムベスに大きな雷が落ちた。


ロ「…見えました!」


土煙が薄くなり、肉眼でトムベスが見えた瞬間、ロードは再びアイスクリスタルを唱えた。


飛んで来た氷塊とともに、トムベスは壁に勢いよく直撃し、大きな音を立てて崩れ落ちた。


マ「…崩れた…!」


そう呟いたマオと、ロードとディムアも一緒に、その光景を息を呑んで見つめる。


バラバラになったトムベスの体は、やがて消滅した。


ロ「…倒しましたね。2人とも、お疲れ様でした。」


デ「…お、お疲れ…。」


トムベスが完全に消滅したことを確認したロードに笑顔を向けられ、ディムアは頬を赤らめ、視線を逸らし、小さく答えた。


マ「…よかった…。」


弱っているマオも、安心したように声を漏らしたが、まだ表情が曇っている。


デ「…マオ、あのモンスターに、こんなにボロボロになるまでやられてしまったんだな…。ちゃんと回復するのか?」


傷だらけのマオをまじまじと見つめたディムアが、心配そうに尋ねる。


ロ「大丈夫です。きちんとメンテナンスをすれば、明日には元気になりますよ。」


デ「そうか。よかった。」


ロードが答えると、ディムアは微笑みを見せた。


マ「…ロード…ディムア…。」


自分を心配してくれる2人を見つめ、マオはまた涙が出そうになる。


ロ「…さて、またモンスターが襲ってくる前に、ダンジョンを出ましょう。」


デ「うん、そうだな。」


ロードの言葉にディムアは頷き、3人はダンジョンの出口へと向かった。



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