ルク&ベリッサとの戦い③
ロードとディムアは、マオを探しに、カバリア遺跡のフィールドへ来ていた。
デ「…マオ、どこに行ったんだろうな…。」
広いフィールドを見渡しながら、ディムアは言う。
ロ「今、このフィールドを進んでいるようですよ。」
デ「わかるのか?」
ロードの言葉に、ディムアは彼に視線を向ける。
ロ「はい。いつ離れてもいいように、お互いの場所は大体ですが把握しています。」
携帯電話の画面を、ロードはディムアに見せる。
2人がいるこの場所と、マオが今いるであろう場所に、矢印が付いている。
デ「そうか。それならすぐに見つかりそうだな。」
安心したように、ディムアは小さく笑う。
ロ「…っ!」
そのとき、ロードは何者かの気配を感じ、周囲を見渡した。
その直後、銃声と共に、ディムアに向かって銃弾が放たれた。
デ「っ!!」
ロードは素早くディムアと一緒に地面を転がり、間一髪で銃弾を避けた。
ル「あぁー!避けるなよな!?」
その直後、悔しそうなルクの声が聞こえた。
ロ「…また君ですか?懲りないですね。」
彼の姿を確認して、ロードは呆れたように言う。
デ「今度は不意打ちか…。」
ディムアも呟き、小さくため息をついた。
ル「何とでも言えば?どんな手段を使っても、お前を倒してその女を捕まえるんだよ!」
悪気もない態度で、ルクはロードとディムアを指して声を上げる。
ベ「不意打ちしたのに外すとかさー、ちょっとないよねー☆」
ルクの後ろに立つベリッサが、彼に向かっていつものおっとり口調で辛辣な言葉を笑顔で言った。
ル「いや…今のはあいつらが突然避けたから…。」
しどろもどろしながら、ルクはベリッサにそう返す。
ベ「それはー、ルクが気配を消せてなかったからだよー☆もっと精進しようー☆」
ル「は、はい…。」
笑っているのか怒っているのかわからないベリッサに、ルクは落ち込んだ様子で頷いて見せた。
ロ「…仲間割れをしている今のうちに、行きましょうか。」
デ「そうだな…。」
ロードとディムアは静かに言い合い、その場から立ち去ろうとした。
ル「おっと!逃げさせねーよ!」
ルクは2人の前に立ちはだかり、行く手を阻む。
ル「えーっと、お前らと戦うのは3回目だったな!3度目の正直ってやつだ!今回こそ倒してやる!」
ルクは言い、銃口を2人に向ける。
ロ「…仕方ないですね…。」
ロードは渋々杖を構え、詠唱を始めた。
ルクが引き金を引く前に、ロードは素早く〝エレクトリックボム〟を唱えた。
その瞬間から、ルクの身体が痺れ始める。
ル「…こ、こんな甘っちょろい魔法でやられる訳が…!」
そう言いかけたが、数秒置きに、身体に電気が流れる痛みが走り、ルクは動けなくなる。
ル「…なんだ、これ…!?お前、俺に、何した…!?」
ロ「しばらくの間持続的にダメージを与える攻撃魔法です。急いでいて早く終わらせたいので、少し手荒ですが、許してくださいね。」
ダメージを受けながらのルクの問い掛けに、ロードは困ったような笑みを見せて答える。
ベ「あははー☆最悪ー☆」
そんなルクを見て、引きつった笑顔でそう放ったベリッサは、ガルベスタタイフーンを唱えた。
それと同時に、ディムアの唱えたシャワーオブアローの4本の魔法の矢が出現し、ベリッサの身体を直撃した。
ベ「くっ…!?」 ダメージを受けたベリッサは、その場に膝を付く。
ロ・デ「…っ!」
ガルベスタタイフーンの風の攻撃に、ロードとディムアは耐える。
その直後、ロードのサンダーカウンターが発動し、ベリッサに雷が落ちた。
ベ「あぁっ!!」
雷を直撃したベリッサは、悲鳴を上げて膝を着いた。
ル「…わ、わかった!もう降参する!だから、もう止めてくれ…!!」
そのルクの叫びに、ロードとディムアは詠唱を止めた。
デ「え…?」
必死な表情のルクを、ディムアは思わず見つめる。
ロ「…降参ですか。3回目の戦闘にして、僕たちに勝つことは出来ないと、ようやくわかってくれたんですね?」
ル「あぁ…痛い程わかった。今まで悪かったな…。」
ロードの問い掛けに、ルクはうつむいてそう返した。
ロ「わかればいいですよ。」
そう言ったロードは、小さく笑みを見せる。
ル「…それでさ…。ちょっと照れ臭いんだけど、仲直りの握手してくれないか…?」
ロ「…仲直りという表現に違和感がありますが…。構いませんよ。」
照れたような表情で尋ねたルクに向かって、ロードは頷いた。
ル「…はは…。ありがと…。」
ロ「いえ…。」
ロードとルクはお互い歩み寄り、手を差し出そうとした。
しかし、ルクは隠し持っていた銃を構え、ロードに銃口を向けていた。
ル「…なーんちゃって。」
ロ「―っ!?」
ニヤリと笑みを浮かべたルクは、パワーショットを放ち、ロードを至近距離で撃った。
ロ「…うっ…!!」
パワーショットをもろにくらってしまったロードは、膝を着いてうつむき、苦痛な表情を浮かべた。
デ「ロードっ!!」
ディムアは慌ててロードの隣に行き、彼の顔を覗き込む。
ル「よっしゃあ!!ざまぁみろ!!」
その瞬間、ルクは喜びの声を上げた。
デ「…どうしてこんなことを…!卑劣すぎる…!!」
怒りと哀しみのこもった瞳で、ディムアはルクを強く睨み付ける。
ル「だから言っただろ!?どんな手を使ってでも、お前らを倒すってな!」
悪びれる様子もなく、ルクは悪どい笑みを浮かべていた。
ベ「わー☆ルクナイスー☆見直しちゃったよー☆」
後ろから、自らのリカバリーで回復したベリッサが、そう言って笑顔で歩み寄ってきた。
ル「へへっ、照れるな。笑 じゃあ、この女をさっさと捕まえようか!」
ベ「オッケー☆」
ルクとベリッサは、ディムアにじりじりと迫る。
デ「…っ!!」
ディムアは立ち上がって2人を威嚇し、闇属性魔法を唱えようとした。
しかし、そのとき、ルクとベリッサの身体を、炎が覆った。
ル・ベ「あっつぅっっ!!?」
2人は同時に飛び上がり、声を上げた。
ディムアの後ろで、ロードがしっかりと立ち、ルクとベリッサに向けて杖を突き出していたのだ。
デ「ロード…!!大丈夫なのか…!?」
ロ「はい、大丈夫ですよ。」
安堵の笑顔を見せるディムアの問い掛けに、ロードは微笑んで頷く。
ル「う、嘘だろっ…!?あの弾を無防備で至近距離でくらって、なんでダメージを受けてないんだ…!?」
断続的に襲ってくる炎の熱さに苦しみながら、ルクは混乱した様子を見せている。
ロ「どうせ君はこんな手を使ってくるだろうとわかっていたので、僕の持つ全ての魔力を物理防御力に集中させて、君からの銃攻撃のダメージを極小にさせてもらいましたよ。」
ル「…なにぃっ!!?」
笑みを浮かべるロードの言葉を聞き、ルクは大きな衝撃を受けたようだ。
ベ「…じゃあ、ダメージを受けたように演技してたのー!?☆私たちを油断させる為にー!?☆」
ロ「はい、そういうことですね。」
ルクと同じく、炎の攻撃を断続的に受けながら声を上げるベリッサに、ロードは笑顔で頷いて見せた。
デ「…す、すごい…!」
ロ「そうですか?…ありがとうございます。」
ロードの戦術に感動しているディムアに、彼は優しく微笑み掛けた。
ル「…くっそぉ…!!よくも騙したなっ…!?」
ロ「何を言っているんでしょう?先に騙していたのは君の方ですよ?」
デ「その通りだ…。お前にロードを恨む資格はない。」
悔しそうに呟くルクに、ロードとディムアは、そう冷たく言い放った。
ベ「…うぅ…もう本当にやめてー…☆死にそうなんだけどー…☆」
ル「…あぁ…。本当に、悪かったよ…!もう本当に、降参だから…!止めてください…!!」
炎の断続的な攻撃魔法の〝フレイムフィールド〟で、だいぶ弱ったルクとベリッサは、ロードにそう懇願する。
ロ「今度こそ降参しますね?」
ル「本当に…降参します…!!」
ロードに尋ねられ、ルクは大きく頷く。
ロードが杖の構えを解くと、ルクとベリッサへの炎の攻撃は途絶えた。
ル「…ま、また、負けた…!くぅっ!!」
傷だらけのルクは、悔しそうに地面を叩く。
ロ「…何度も言いますが、そろそろ僕たちに付きまとうのは止めませんか?」
杖をしまい、ロードはルクに声を掛ける。
ル「俺は諦めないぞ…!いつかお前らに勝てるときが来るはずだ…!数打ちゃ当たるってな…!!」
ゆっくり立ち上がったルクは、ロードとディムアを睨み付ける。
ロ「…わかりました。次また来たときは、半殺しくらいにして、二度と戦えないようにしてあげますね♪」
ル「うっ…!そ、それは勘弁して…!」
怖い笑顔を浮かべたロードの言葉に、ルクは涙目になる。
ベ「ルクー☆ビビってんじゃないよー☆」
ベリッサも後ろで怒っているようだった。
ル「び、ビビってなんかない!…脅したって無駄だからな…!また来てやるから覚悟しとけよ!」
ベ「はいはーい☆たいさーん☆」
そう言い残し、ルクとベリッサは、ふらふらと走り去っていった。
ロ「やれやれですね…。ディムア、大丈夫ですか?」
デ「…私は大丈夫だが…。ロードは本当に大丈夫か…?」
ロードに尋ねられ、ディムアは彼を心配そうに見つめる。
ロ「大丈夫ですよ。心配ありがとうございます。」
デ「…よかった…。」
微笑んで答えたロードに、ディムアも安心した笑みを零して呟いた。
ロ「…さて、余計な時間を取られてしまいましたね。行きましょう。」
デ「うん。行こう。」
顔を見合わせた2人は、マオの居場所を目指して、再びフィールドを進み出した。




