ツタンカーメンとの戦い
「ウォォォォ~!」
ピラミッドダンジョンに足を踏み入れたときに聞こえた不気味な声が、すぐ近くで聞こえた。
「―!!」
そして、大きな足音を立てて、大きなモンスターが現れた。
マ「…で、出た…!!ツタンカーメンだよっ!!」
怖がるように、マオは声を上げる。
ロ「現れましたね…。ディムア、気を付けて戦いましょう!」
デ「…わかった…!」
ロードの掛け声に、ディムアは戸惑いながら頷き、2人は戦闘態勢を取った。
ツタンカーメンが雄叫びを上げると、自らの近くに、複数のモンスターを召喚した。
モンスターたちは、一斉に3人に遅い掛かってきた。 ロードはライトニングを唱え、ツタンカーメンと、その周辺にいる数体のモンスターに雷を落とした。
同時に、ディムアはシャワーオブアローを唱え、ツタンカーメンに向けて連続で3本のマジックアローを放つが、素早い動きで1本避けられてしまった。
ロードのライトニングで麻痺した複数のモンスターは、一瞬動きを止めたが、ツタンカーメンは麻痺せず、ロードに向かって素早く拳を突き付けた。
ロ「っ!!」
ロードは咄嗟に魔力で防御するが、拳の勢いに押され、体勢を崩した。
すぐさまロードのウィンドカウンターが発動し、ツタンカーメンの体を風が切り裂いてダメージを与えた。
マ「ロード、大丈夫!?」
ロ「はい、大丈夫です!」
マオに声を掛けられ、ロードはしっかり頷く。 周辺のモンスターにマジックアローで攻撃し、応戦している隙を狙い、ツタンカーメンがディムアを殴り飛ばした。
デ「うぁっ!!?」
その勢いで、ディムアは壁に激突し、倒れ込んだ。
ロードはガルベスタタイフーンを唱え、ツタンカーメン、周辺の複数のモンスターを、大きな風で切り裂く。
数体のモンスターは消滅し、風でツタンカーメンの動きを封じている隙に、ロードは倒れたディムアの元へ急いで駆け寄った。
ロ「ディムア…大丈夫ですか!?」
デ「…大丈夫…。」
ロードが心配そうに尋ねると、ディムアは頷くが、少し苦しそうな表情を浮かべていた。
マ「ロード!!マジックアローが飛んで来るよ!!」
ロ「っ!」
マオのその言葉で、ロードは咄嗟にディムアの身体を支えて横に地面を転がり、ツタンカーメンが放ったマジックアローを避けた。
デ「…私のことは気にするな!!自分がやられるだろ!?」
自分を心配するロードに、ディムアは強めの口調でそう言い放つ。
ロードはウォーターシェルを唱え、ツタンカーメンを水の弾で弾き飛ばし、マジックアローの詠唱を阻止する。
ロ「仲間を守るのは当然のことなので。それに、僕はやられないので大丈夫ですよ。」
そう言って、ロードはディムアに小さな笑みを見せた。
デ「…っ。」
ディムアはロードから視線をそらし、ゆっくり立ち上がり、呼吸を整える。
マ「ツタンカーメンの動きが鈍くなってる!もう少しで倒せるよ!」
ロ「わかりました!一気に倒しましょう!」
デ「…うん…!」
マオの言葉を聞き、ロードとディムアは同時に詠唱をする。
ロードはフレイムトルネードを唱え、ツタンカーメンを炎で包む。
追い討ちを掛けるように、ディムアがシャワーオブアローを唱え、4本のマジックアローを、ツタンカーメンに確実に突き刺した。
「ウォォォォォォ…!!!」
ツタンカーメンは悲鳴を上げ、炎が消えたと同時に、消滅した。
辺りに残っていた数体のモンスターも消え去った。
マ「…やったー!倒したね!!」
マオはロードの肩から離れ、飛び上がって喜んだ。
ロ「やりましたね。お疲れ様です。」
デ「…よかった…。」
ロードが微笑みを見せると、ディムアは力が抜けたように、その場に座り込む。
ロ「大丈夫ですか?」
デ「…あぁ…。案の定、足を引っ張ってしまったな…。ごめん…。」
ロードに顔を覗き込まれたディムアは、少し悲しそうな表情で、そう呟く。
ロ「そんなことないです。ディムアが一生懸命戦ってくれたおかげで、ツタンカーメンをスムーズに倒すことが出来たんですよ。」
デ「…いや…でも…。もっと強くならないとって思った…。」
ロ「そう思うのはとても良いことですね。これからも一緒に強くなっていきましょう。」
デ「…うん、そうだな。」
ロードの前向きな言葉を受け、ディムアも少し笑みを見せ、頷いた。
マ「…あっ!ロード、これじゃない!?」
ツタンカーメンが消滅した所を見ていたマオが、何かを拾い、ロードの元へ持って来た。
それは、ツタンカーメンが耳に付けていたイヤリングだった。
ロ「…はい。これで間違いなさそうですね。マオ、ありがとうございます。」
マ「うん!じゃあ、これを情報屋に持って行けば、メア族のことを教えてくれるんだね!」
デ「…っ。」
2人のやり取りを聞き、ディムアは表情を曇らせ、うつむいた。
ツタンカーメンとの戦いに必死で、忘れかけていたが、これからこの2人は、自分のことであるメア族について、情報屋によりいろいろ知らされてしまうのだ。
メア族のことを知ってしまった後の2人の反応を想像し、もしかしたらもう仲間でいさせてもらえなくなってしまうかもしれないと、ディムアの気持ちは沈んでしまっていた。
ロ「では、街へ戻りましょう。ディムア、歩けそうですか?」
デ「…。うん…。」
ロードに尋ねられ、ディムアは小さく頷く。
マ 「レッツゴー!」
意気揚々と進み出すマオを先頭に、3人はダンジョンを後にした。
このとき時間はもう夜で、情報屋はいなくなっていた。
メア族のことは明日聞くことにして、3人はマリンデザートで宿を取り、その日の旅を終えた。
マ『今日は、メガロポリスの通り道である、マリンデザートの街を訪れた。そこのフリーマーケットで、知りたい情報を売るという情報屋の店を発見する。その情報屋にメア族の情報を求めると、10万ゲルダという高額な金額を提示してきた。しかし、ロードの機転により、情報屋の欲しがるアイテム、ツタンカーメンのイヤリングを取ってくるという条件に変更させることに成功。我々は、ツタンカーメンが棲むピラミッドダンジョンに潜入した。カバリア島初のダンジョンだったが、ロードにかかればダンジョン内のモンスターも、ツタンカーメンも倒すのは朝飯前だった。マリンデザートのフィールドでも、ルクとベリッサが戦いを挑んできた。勝てもしないのに、懲りない2人である。メア族のディムアも、ロードが教えた雷属性の魔法を習得し、少しずつ強くなっている模様。明日、情報屋の所へ戻り、ツタンカーメンのイヤリングを渡すと、いよいよメア族についての情報を知ることになる。楽しみだ。』
マリンデザートの宿にて、マオは研究所に文章を送信した。
2*潜入!ピラミッド―完―




