表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/92

カバリア島研究の任命

研究員見習いの〝ロード〟は、その日も奥深くのダンジョンにて、珍しいモンスターを退治していた。


息絶えたそのモンスターは、何かを落とした。


ロ「…これは…。」


ロードはそれを拾い上げ、見つめる。


マ「なに?何か見つけたの!?」


小動物型AIのロードの助手〝マオ〟が、彼の隣に飛び寄り尋ねる。


ロ「先程倒したモンスターが落としたようです。」


ロードは手に持つ物をマオに見せる。


マ「どれどれ…。わぁ!またオレのデータにない新しいアイテムだよ!また新発見だね!」


興奮したようにマオは声を上げる。


ロ「そうですか。では、これも研究所に持ち帰りましょう。」


マ「うんっ!」


嬉しそうな表情のマオを見て、ロードは小さく笑う。




マ「本当にすごいなぁ。」


ロ「何がですか?」


マ「ロードが、だよ。まだ誰も行ったことのないダンジョンとか、新しいモンスター、アイテムもすぐ見つけるしね!」


ロ「そんなすごいことをしているつもりはないですよ。」


マ「もう、謙遜しなくていいんだよ。研究員見習いとは思えないよ!」


ロ「マオのサポートが優秀だからです。いつもありがとうございます。」


マ「…えへへ、照れるなぁ。」


笑顔を見合わせ2人はそう話しながら、研究所へ向かった。




ロードとマオは、研究所に戻って来た。


サ「…あ、ロードくんとマオ、お帰りなさい!」


ロードの上司の〝サブリナ〟が、2人を出迎える。


ロ「ただいま戻りました。」


マ「ただいまー!」


2人はサブリナにそう返す。


サ「…あのね、今日の業務が終わったら、2人に大事な話があるの。時間大丈夫?」


そう言ったサブリナは、深刻そうな表情を浮かべている。


ロ「大事な話…ですか。はい、大丈夫ですよ。」


彼女のその表情を見て、どんな話なのか気になりながらも、ロードは頷く。


サ「ありがとう。じゃあ、帰りの時間、相談室で待ってるわね。」


サブリナは小さく笑い、その場を後にした。


マ「どうしたんだろう…。大事な話って、なんだろうね…?」


マオはロードに不安そうな表情を見せる。


ロ「そうですね…。サブリナさんの表情からして、あまり良い話ではないかもしれませんね。例えば、マオが僕の助手を降りなくてはならなくなってしまった…というのはどうでしょう?」


マ「…っ!?そんなの嫌だ!オレはずっとロードと一緒にいるんだ!!」


ロードの言葉を聞き、マオは彼に抱きついた。


ロ「…というのは冗談ですよ。」


マ「…もー!怖いこと言わないでよぉ!」


ロードは微笑み、頬を膨らませるマオの頭を優しく撫でた。




そして、その日の業務が終わった2人は、相談室へ向かった。


ロ「…失礼します。」


ドアをノックして静かに開けると、中ではサブリナが既に座っていた。


サ「あっ、ロードくんとマオ、お疲れ様!そこ座って。」


サブリナに促され、彼女の座る相向かいの椅子に、ロードは座った。


マオは、ロードの隣の机の上に腰掛けた。


ロ「…大事な話とは、何でしょうか?」


ロードは静かにサブリナに問い掛ける。


サ「…実は、これが今日の会議で渡されたの。」


サブリナは、1枚の紙をロードに差し出す。


その紙を受け取ったロードは、マオと一緒に、その紙に書かれている文章を読んだ。


ロ「『研究員見習いのロード、小動物型AIの助手のマオを、カバリア島の研究要員として任命する。』」


マ「…えっ!?カバリア島!?」


マオは目を見開き、声を上げる。


ロ「カバリア島…。たしか、今まで何人も研究員が行って研究している島ですよね?」


サ「ええ。でも、カバリア島は危険な場所が多すぎて、今まで行った研究員は皆、命の危険を考えて、研究を断念して早い段階で帰還してしまっていたの。」


サ「それで、ロードくんの魔法の強さと今までの研究成果を見込んだ上の人たちが、あなたをカバリア島の研究要員として任命したの。全研究員の中でも飛び抜けて優秀なあなたなら、カバリア島で素晴らしい研究をしてくれると思うって。」


マ「…すごい!ロードがめちゃくちゃ優秀なのはオレも充分わかってたけど、上からもそんなに評価されてたなんて!」


嬉しさのあまり、マオは飛び上がる。


ロ「…僕なんかが、カバリア島の研究なんて出来るでしょうか?」


少し戸惑いながら、ロードはサブリナに尋ねる。


サ「ええ!私も、ロードくんならカバリア島の研究を頑張ってくれると思っているわ!受けてくれるかな…?」


ロ「…わかりました。頑張ります。」


決意を固めたロードは、サブリナにしっかり頷いて見せた。


サ「ありがとう!よろしくね!」


安心したように、サブリナは笑顔を見せた。


マ「わぁぁ、カバリア島かぁ!楽しみだけど、ちょっと怖いかも…。」


マオは興奮しながらも、少し不安そうな表情を浮かべる。


ロ「僕と一緒にいれば大丈夫ですよ。マオ、よろしくお願いします。」


マ「うん!ロードと一緒なら安心だよね!よろしく!」


2人は笑顔を見せ合った。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ