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季節をこえて君といたい  作者: 木幡慎一
22/22

第二十話

いつも読んで頂きありがとうございます。

期間も空き長くかかってしまいましたが、そろそろ終盤です。

不定期にもかかわらず、ずっと読んでくれて本当にありがたく嬉しいです。

きっとお姉さんの事だ。僕はすぐにそう思った。

「そ、それで今宮園さんはどこに?」

「それが…… 私にもわからなくて。学校はもう行かない、とだけきてそれっきり。私もこんな事初めてだからどうしていいかわからなくて…… 」

「なるほど……」

僕は無言でカバンに授業道具をしまい込む。

「ちょっとあんた、どこ行く気?」

「宮園さんを探しにいくよ」

「探しに行くってどこにいるかわかるの?」

「わからないけど、どのみちこのまま授業なんて受けてられないよ」

「……」

さやかさんは俯いている。沈黙がながれ、震えたようなような弱々しい声が聴こえた。

「私姫がいなくなったら……」

涙ぐんだ表情をするさやかさんを見るのは初めてだった。僕は安心させられる言葉を探すがそんなのは出てくるはずかない。

考えて導きだした言葉は僕自身が一番信じられなかった。「もし、宮園さんが学校を辞めるなら…… 僕も辞めるよ」

「え? ちょっとあんた何言ってんの?」

僕の父親がきいたら絶縁間違いなしのフレーズだろう。でも、そうなったっていい。宮園さんを一人にさせずにいれるなら。

心配そうにしているさやかさんに「だよね」と自分に呆れたような笑顔をみせて教室を出た。そんな僕を追いかけて背中に叫ぶ。

「おい! わたし、あんたに惚れてるかもしれないんだ」

「え?」

耳を疑うとはまさにこのことだ。僕は自分の耳を今全力でうたがっている。

「相談があるって言ったろ? 私も姫と同じくらいあんたの事が好きかもしれない」

どうやら聞き間違いではないらしい。

様々な考えが頭をよぎる。さやかさんが? なぜ? スポーツマンっぽい彼氏いなかった?

「えっと…… え?」

だめだ、やっぱり情報が多すぎて脳が追いつかない。

「だから、絶対姫を連れて帰ってこいよ。そうじゃないと許さないからな」

これは一種の激励だ。そうに違いない。

無理矢理自分にそう納得させると「うん、必ず」と答えて僕は宮園さんを探しにいく。

外にでると白く眩しい空に雲が敷き詰められ、空気がひんやりと僕をつつんでいる。

僕は手を擦り合わせ息を吐く。

「まずは、家に行ってみるか……」


閑静な住宅街を抜けて宮園さんの家の前につく。深呼吸をして震える右手でインターホンを鳴らす。

少しの沈黙のあと、「はい」と声が聴こえた。

「あの、ぼくは宮園姫奈さんの友人の荻野といいます。連絡がつかないので心配になり伺ったのですが、宮園さんはいますでしょうか?」

「え? あ、海斗君?」

驚いたような反応だ。そしてこの声に聞き覚えがある。

「あ、はい。もしかして、宮園さんのお姉さんですか?」

「うん、正解。姫のことでしょ? 姫今いないよ」

やっぱり……

「どこに行ったとかわかりますか?」

「……とりあえず家入る?」

「え?、いいんですか?」

きっとこの間の事を怒っているだろうと思っていた僕は家に入れてくれることに驚く。

「うん……入って」といってお姉さんは僕を家に入れてくれた。

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