第十九話
カーテンの隙間から漏れる日光に目を細める。
陽射しは強いが外は寒い。
僕は目を強く閉じた。眩しかったのもあるけど、理由は宮園さんのお姉さんに強く言った事を後悔していたからだ。
「最悪だ。きっと嫌われた……」
やってしまった……
お姉さんは僕をどう思っただろう。不信感や嫌悪感、その両方あっても不思議じゃない。
枕元に手をはわせてスマホを探した。生暖かい布団の温もりを感じたまま宮園さんからのメッセージを確認する。
僕は寝る前に宮園さんにメッセージを送っていた。なんて送ろうか悩むに悩み、頭をフル回転させたが、結局は大丈夫ですか?と端的に送った。
「うん、大丈夫!昨日ごめんね、学校でちゃんと謝るから」と一応返ってはきてるものの文面だけではどういう心境か判断できないし、もしかしたら失意のどん底にいるかもしれない。けれど、返信がきたことで僕は少しだけほっとした。
すぐに返信を送ろうとして手を止める。
こういう場合、どういう内容を送れば正解なのでろう。女性経験皆無の僕は全く検討がつかない。まだ寝ぼけているせいか僕の思考回路はおかしな方向へ向かう。
なぜ女性にたいする返信がここまでシビアな世の中になったのかという謎の議論が突如脳内で始まる。
まず、男性には下心というものがあり、女性側にそれを感じ取られると警戒され、たとえ純粋に心配をしたとしても素直にうけとってもらえない場合がある。
実は凄くピュアな心なのだが女性には理解されがたいらしい。
逆に女性には人を繊細に気遣える心があり、目に見えない雰囲気のようなものを感じ取り、状況に応じて適した行動をとることができるがそれも男性陣からすれば理解されづらいのかもしれない。
つまり、下心と感じ取られないような女性らしい気遣いをすればいいのかもしれないが、そんなことは僕にはできない。
自分の中で繰り広げられる不毛な議論に「わからん」と終止符をうち、スマホと向き合う。
お姉さんと仲直りできた? と聞きたいけど家庭の問題に僕の入る余地はないだろう。
結局僕は、「気にしないで!」とだけメッセージを返して、不意に雪マークを目にして僕はスマホを枕に投げる。
「降雪確率三十パーセントって……まさかふらないよな? 」
可能性をいいだしたら僕は宝くじを拾って億万長者になるかもしれないし、王女を助けてどこかの国の王になるかもしれない。まぁ、その可能性は1パーセントもないだろうが、三十パーセントとはつまり、わからないとういことじゃないのか?
かといって降るかどうかわかりませんじゃ苦情が殺到するだろう。
しかし、よく考えてみれば三十パーセントという細かい可能性すらも示してくれているおかげで降る「かも」という「かも」の部分伝えてくれている。
そのおかげで予期せぬ天候にも対応できるし予定を立てやすい。結果素晴らしいということではなかろうか。
次々と湧き上がるくだらない考えに「どうでもいいや」と終止符をうち学校へ向かう。
早朝、クラスは少し静かだった。普段なら騒いでいるグループも朝だからか大人しめだ。
僕の視界にいつもの華やかさはない。カラーに慣れた後に見る白黒テレビのようだ。
僕は視界を宮園さんの席に向けた。白黒になった理由がハッキリとわかる。
「あ、宮園さんがまだ来てないからか……」と呟き席についた。スマホを確認してもメッセージはまだ返ってきていない。
「ちょっと!海斗!」
聞き覚えのある、この生物的に強い声は……
ふり向くとさやかさんが涙目で僕をみていた。様子が少し変だと気づくと同時に嫌な予感がした。
「え? どうしたんですか?」
「姫が…… ひめが学校辞めるって……」
さやかさんの震えた声が僕の心臓を強く揺さぶった。
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