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季節をこえて君といたい  作者: 木幡慎一
19/22

第十七話 続き

書き忘れにより十七話は一旦分断して投稿します。後で一つにしようと思います。少しだけの投稿なので見づらかもしれませんが読んでもらえると幸いです

家から飛び出したはいいものの行く宛てなどない。仕方ないから電車にのり学校にいく途中の商店街を通っていた。夕日が空を赤く染めていて揚げ物のいい匂いが立ち込めている。

笑顔か多い商店街の活気は私の沈んだ心を少しだけ軽くしてくれた。

「お、姫ちゃん!」

コロッケを売っているお肉屋さんに声をかけられる。太っていて少し強面だけど見慣れると可愛い見た目をしている。

「あ、お肉屋さん、こんにちは」

「どうしたの? 一人?」

お肉屋さんは心配そうに私を見つめてコロッケを差し出す機会を伺っている。

「うん、ちょっとね」

「またお姉ちゃんときてよ。たまに学校帰りにうちのコロッケ食べてること内緒にしとくから」

「そうか、前はお姉ちゃんとよくきてたっけ……」

「ん? どうした? 喧嘩でもしたのかい?」

「うん、喧嘩というか、ちょっとね……」

「そうか、まぁ姉妹なら喧嘩くらいしないとな。いつまでたっても大人になれねぇ」

「喧嘩しないと大人になれない?」

「そうだよ。血が繋がってたって違う人間どうし、思ってることも考えてることも違うんだ。ぶつかりあってお互い大人になってくもんさ」

うん、と頷く。

「そうだよね、違う人間……だもんね」

私はまた少し寂しくなって表情を曇らせたるとお肉屋さんの顔が真剣な表情に変わった。

「でもね、姫ちゃん。考えは違っても他人と家族の一番の違いはどっちも相手の事を百パーセント想ってるってことさ」

「え……」

「だってそうだろ? 家族には幸せになってもらいてぇだろ?」

「う、うん……」

「家族だからこそ、大切だからこそ言わないこともあるし言うこともある。すれ違う事もあるし共感することだってある。それが家族だ」

ヤバい泣きそうだ。このままだとお肉屋さんに泣かされる。

「お、お肉屋さん!」

「お、おう、どうした?」

「お腹空いた! コロッケちょうだい!」

「あいよ! 揚げたて用意するからちょっと待ってな!」

そう言ってお肉屋さんは笑顔でお店の奥に行く。

「海斗君に謝らないとな……」

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