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Dj「 taku」のお悩み相談  作者: さくしゃ
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Dj takuのミッドナイトラジオ!

 「皆さま、こんばんわ!Dj takuのミッドナイトのお時間がやってまいりました。なぜかわからないけど、このラジオ番組は悩み相談が好評なようだから、音楽とかのコーナーは無しでみんなの悩みにフルで答えていくよー!今日の相方はもちろん!その溢れんばかりの母性が声から伝わって、実際の年齢よりも10個上に見られてしまう実年齢28歳のアナウンサー最上華!」

 「……違うし」


 マイクにも入らない声で何かをぼそっと言う。


 「え?あんだって?」


 とりあえず、こう言うときは志村けんさんのように顎をしゃくらせておけば、とりあえず怒りのあまりに殴ってきて相手が悪い空気になるから、使ってみる事をお勧めする!


 「実年齢よりも5歳上に見られるだけだもん!」

 「おーっと!ここで華さんの右ビンタが私に弧を描いて向かってく!ぶべらぁぁぁぁ!」

 「ふぅ……邪魔者が消えたところで。最上華のミッドナイト始まります」

 「いや!これ俺の番組ぃぃぃぃ!」


 ガラスの向こう側からCMに入った合図がくる。


 「はーい!CM入りました」

 「お茶です。後30秒でCM開けます。CM後からは、早速お悩み相談になります!よろしくお願いします」

 

 スタッフの指示が入り、華さんと俺は返事をする。


 「「はーい」」


 お茶を一口飲んで、喉を潤す。


 「はーい!本番まで!10秒前!7……321」


 スタッフの合図にマイクのスイッチを入れる。


 「Dj takuのミッドナイトラジオ!茶番にお付き合いいただきありがとうございました!ね!華さん!」

 「……」

 「……はい!華さんとは次のCM中になんとか仲直りしておきます!」

 「……無理です。生理的に……」

 「あ……ははは!うん!」


 志村けんさんのような聞き方はマジでお勧めできないわ!その後の空気がマジで地獄!


 「それでは、早速お悩み相談に行きましょう!」

 「……」

 「……ちょっと!華さん!お仕事の時間!お便り読んで!」

 「ちっ!……話しかけんじゃねえよ……はい!皆さん、こんばんわ!Dj takuとアナウンサーの華がお送りするミッドナイトラジオ!今夜は、どんなお悩みが届いているのかな?えーとペンネーム「夕日に乾杯」さんからの投稿です」


 コエェ!何!この変わりよう!スイッチ入った瞬間に完璧な司会進行なんだけど!


 「takuさん、華さんこんばんわ。いつも楽しく夜勤中に聴きながら仕事してます。うん。仕事中にラジオに集中しすぎて事故が起きても私たちのせいにしないで下さいねぇ……いるだよなぁ!何かあるとすぐに、テレビとかに出てる人のせいにするおかしな奴ら!」

 「ちょっと!華さん!お仕事!お仕事中!」

 「あ!すみません!本当のことを言ってしまいました。では、続けますね。私は、最近漠然とした不安に駆られることが多いです。このまま物価上昇したらどうしようとか、私はこのまま生きていっていいのだろうか?とか、私の本当の人生とはどんなものなのかとか。そんなどうしようもないことばかり考えて不安になってしまいます。私の仕事も夜勤専従と歳をとってだんだんキツくなってきました。仕事をやめようか迷っています。takuさんならどうしますか?教えてください……ああ、ありますよねぇ。私だって本当はこんな奴と仕事なんて……」

 「華さん!せめて名前で呼んで!」

 「仕事をしているとありますよね。私もアナウンサーになった頃によく悩みました。さあ、…さんはどうですか?」


 あれ?今、名前呼ばれなかったような?気のせいかな?うまく誤魔化されたような?


 「そうですね。私は、あなたの状況を詳しく知らないので、想像でしかお答えできませんが、仕事を続けるにしてもやめるにしても、どの道、後悔はすると思います。あなたの投稿を読んでいると、もっと良い未来があるのではないか?でも現状のまま行った方が安全な日々を送れるんじゃないのか?ってことをずっと考えているんですよね?あなたがどうしたいのかはわかりませんが、今の考えでは、どの道後悔するだけだと思います。確かに「現在」を生きてる私たちには1秒先の未来はどうなっているかわかりません。もしかしたら、事故にあって死んでしまっているかも、脳梗塞で倒れてしまうかも、考えたらきりがありませんね。そんな未来が来たらどうしようとか考えて不安になってしまいますよね。でも、私たちが生きているのは「今、この時」です。その「今この時」をどうなっているかもわからない未来に対して悩んで時間を過ごすのは勿体無くありませんか?「現在」はすぐに過去になってしまいますよ?時間は止まってはくれません。あなたが悩んでいる間にも時間は進んでいきます。そして、現在を作り上げているのは1秒前までの過去のあなたです。そして、未来を作るのは現在のあなたです。現在を楽しく過ごしていれば、1秒後も楽しく過ごしています。しかし、未来に対しての不安を抱えていれば、1秒先もきっと同じことを考えて過ごしています。それでは、あなたの考えるもっといい未来とはいつ到来するのですか?大事なのは、「今、この時」ですよ。私なら、「考えるべき悩みと考えなくても良い悩みに分けます。夕日に乾杯さん」の悩みは考えても無駄ですよね?未来がどうなっているかなんていくら考えてもわからないからです。そして、未来を決めるのは、現在あなたがどう行動したかによって決まります。あなたはどんな行動をしていますか?そんなことに悩んでいる時間はありますか?他に叶えたい目標はありますか?例えば、草野球がやってみたかったなどなんでもいいです。自分がやりたくても諦めていたことにチャレンジしてみませんか?未来に対して漠然とした不安を抱えるのは、「今、現在」の自分は目標がなく、目指すべきところが定まっていないから不安になるのです。例えば、あなたが、友達とドライブに出かけることになったとします。その時、目的地がなく適当にドライブすることになり、見知らぬ道に入ったとします。道がわかるものは何もありません。そんな時あなたは不安になりませんか?それと同じです。大事なのは「今、この時」です。未来を作るのは、「今」あなたがどう行動したかです。それによって決まります。未来に対して不安を抱かない人なんていないです。でも、踏み出さない限り、あなたの目指すいい未来にはいけません。勇気を出す時です!頑張って!」

 「はーい!……さん。熱い話をありがとうございます!本当にその通りですよね。私もそう思います。「夕日に乾杯」さん!頑張ってください!では、そろそろお時間ですので、今夜はこれにて失礼します。華のミッドナイトラジオ!でした。また、明日」

 「いや!これ俺の番組ぃぃぃぃ!」


 「はーい!OK!お疲れ様!」 

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