人生初の壁ドンです
【あらすじ 成人してkらは→してからは、のうきんを発揮して→脳筋を、しずらくなり→しづらくなり】 「はぁ、はぁ、見つけた……。はぁ、俺の……。」
何故かやたらと動悸してらっしゃる獣人さまに壁ドンされてますっ!
風音ましろ23歳。異世界に落とされて早一年。自慢じゃないけど彼氏いない歴=年齢の残念女。少女漫画でよくある憧れのアレは人生初めてにして洞窟の中で背中から壁ドンされました!なぜだっ!
私の名は風音ましろ。子供の頃から剣道を習い、10歳の時に居合道を始め中学の部活から弓道部に入り、成人してからはパルクールにどハマリした根っからの体育会系。
そんな私に彼氏などできるはずもなく、見かねた友人から恋愛小説を勧められて読んでた。何故か異世界物だったけど。今ではそれが帰ってよかったとおもってる。
その日は電車で居合道の師匠のとこへ大会前の詰めの稽古をする予定だった。すぐに取り出せないように霧箱詰めにして、専用余袋で包んで斜めに肩から担いでいた。もちろん所持許可証は肌身はなさず持ってる。
片手には友人に勧められた小説を持って、「異世界の恋愛が現代に役に立つのかなぁ?」なんて思いつつもはまれたのは主人公の友人が居合道をするかっこいいキャラだったからに他ならない。
ちょっとした親近感ってやつだ。
そのお気に入りキャラがストーリー終盤で主人公を庇って死んでしまった。うわぁ、マジかよ。もう主人公とか恋愛模様とかどうでもいい。女の私が男泣きしたくなるくらいには潔い死に様に電車でなければ泣きたいくらいの気分で、もう稽古の気分じゃない。
そんな私を衝撃が襲った。体が浮いて投げ出された。
気がついたら真っ白な空間だった。
「え、なにここ。」
何もないただ真っ白で上も下もわからなくなりそうな空間。そう、空間と呼ぶにふさわしい何もない場所に立っていた。
『風音ましろさん、ようこそ私の世界へ。』
どこからか聞こえた声にキョロキョロと周囲を見渡す。