楽市楽座
僕はこの世界に疑問がある
まずはこの前の僕にしか見えない選択肢のようなもの
次に僕はこの世界にいたような感覚がある。城の構造、物の場所。会話の仕方
本来知りえるはずもないことを僕は無意識のうちにこなしている
現に僕は当たり前のように服を取り出し、着ている
ここはおそらく安土城だろう。安土城があるということは織田信長としては晩年ということだ
あとで丹波に何年かを聞かなければ、じきに僕は史実上では殺される
本能寺で明智光秀によって
待てよ、僕の選択によっては歴史が変わるかもしれない。
大好きな明智光秀を裏切りのレッテルを張らずに済むかもしれない
そもそも真実を知らない
まずは僕が誰であるかを思い出さなければ。何か手掛かりになるかもしれない
支度も終わったところで僕は蘭丸を呼んだ
「支度が終わったよ、城下まで行こうか」
「かしこまりました殿、お供いたします」
僕は知っている階段を降り蘭丸とともに城を出る。前には丹波が馬を用意して待っていた
「殿、馬の準備はできております」
「よし、向かうとするか」
どうやら馬の扱い方も知りえているようだ
手慣れたように手綱を握り前に進む
さあ行こうか楽市楽座の安土城下まで