混沌
「ここは・・・」
また真っ暗な空間に来ていた
例によって僕の顔をした男が現れる
「よう、お前が誰かはわかったか?」
「僕は、僕の名前は・・・」
「言っちまえよ、もう抗えない。お前は元のお前を捨てなければならないのだ」
男は笑いながらやさしく話した
「そんな、それでも僕は僕でありたい」
すると急に男の表情は一変した
「貴様!いいかげんにしろ!。自分だけが何かを失ったと思うな。この俺だって、俺だって・・・」
「いやいい、俺はお前でお前は俺だ。いいかその答えを早く見つけないと手遅れになる」
「何を言ってるのかわかりませんよ!僕だって急にこんなことになって」
男は何も言わず消えていった。暗い部屋に一人取り残される
「一体、何なんだよ」
暗い部屋には僕の声しか響かない
「そういえば、この体をよく見てなかったな」
そう思い手の平を見てみた
「大きいな、それにタコがたくさんある」
大きくごつごつした手は僕のものではないようだ
顔を触るとひげが生え、まげが結ってある
この体はやっぱり僕のではない。みんなの言うとおり今は織田信長なのかもしれない
ただそれを自分で直接知ってしまっては怖くてできない
鏡を避けるようにしよう
そう思い僕は目を覚ました
寝ていた感覚はない。どうやら無意識の空間も自分でコントロールできるようだ
目が覚めると蘭丸が襖の前で正座をしている
彼の役目の本質は理解しているが、それを使うことはないだろう
僕はまだ女性を抱いたことはない
初体験は女性でありたいと思う織田信長2日目の朝である