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真夏と海と深い闇  作者: ユミル
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3章 秋の訪れ家出

… 家族が真夏と私の他にいるのですか?貴方は真夏の父親ですよね…帰ってきてお願い貴方…笑香は言葉にならない声を呟く! 娘はあれから友達と遊ばず勉強してるようだ、こうなると友達と一緒が良いのではと考えてしまう。メールとコールは、返信が無くとも続け、何故もっと早くこうすれば良かったのにと、後悔の念が湧く。また父親等居なくとも以前のように娘が良い子に戻れば何の問題もない、2人は仲良しだからとも思えた。

風が吹いていたようだけど、消えたみたいだ。

娘との会話は無理にせず避けて、モーツァルトを聴きながら、コーヒーを飲み読書して本の世界に浸れば、くだらない妄想はさっきの風のように消える。娘は私を明らかにすれ違う時、顔を背けて避ける。笑香はプレートに食事やお茶の時間を書き、部屋前にそっと置く。風の音が聞こえるまた吹いてきたようだ!急に寒けを感じて震えがした、頭痛も!木枯らしのような音が聞こえて、窓のカーテンを閉じ頭を押さえてしゃがみ込むと美しい本の世界は消え暗闇に襲われる

親子 3人の生活は一変したが、生活費は増えた。娘が高校進学しても、ゆとりある生活を送れるのは、夫が大事思ってるからだ。それだけで十分!

食事時間にも降りてこず、前菜からデザートまでの冷凍食品を頂く、熱いコーヒーとスープも添えるとレストランの一品。嫌な問題は消してしまうのが一番…忘れよう病気になる。自室の娘を心配しても、夫の事を心配しても誰も笑香を心配しないんだからお互い様。コーヒーの香りに癒される幸せ。

春の寒の戻りのように花冷えみたいな花の雨。

季節外れの冬のように寒い朝、掃除して整理した中から厚手のセーターを出し羽織ると急に暑くなるが寒気はなくなる!ついでに靴やバッグの手入れをする。

2階でもバタバタ、するから娘が整理してるのだ。アテにされないのが胸にチクリと痛い!

ドスンと重い音が、降りてくる⁉︎何の音⁉︎

「真夏?丁度良いお茶飲みましょう?」ガタン、ドスンドスン、「真夏?」

「要らない。今から私この城でるから」

「何言ってるの真夏?」「こんな冷たく暗い寂しいところいたくないから、もう嫌…!私ずっと何日も考えた。カップラーメンを食べてカップ酒を飲む、お父さんてみたことないでしょうお母さん

お父さん王様よね可哀想に思えた! お母さん自分だけ温かな食事、デザートお茶、いつも好きな音楽で楽しく平和。変でしょ?変だと思わない?異様な感じ。

友達と遊ばずにお母さんと一緒に出かけたけど私も。だって子どもだよ私。何か買ってくれるし楽しい方に行くでしょ!でも気がつくと家族バラバラ、楽しかった時間などもう無くなっているのに、進学も消えお母さんは何も言わない。多分お父さんと私は一緒の気持ち!

お父さんね帰ってこなくなる前日に、窓越しにみてたの…もう暗くなっていく庭の方、畑。

[お父さぁん! おかえり〜‼︎ いつも遅いのに今日は早くて嬉しい!]小さく見えた背中に飛びつくと (おー真夏まってたけど食べてしまったよごめんなー。一緒に夕食したら美味いから、いやぁ悪いな先に食べてしまったょ)って]

「真夏ちょっと待っていつの話し?それ」

「お母さん黙って聞いて!テーブルには空のカップ酒、カップ麺と私の分の麺!すごく明るい居間なのに暗くて家の中が寒々しくて…テレビも音楽も無く……音が無いのが怖かった!子供心にも変だとは思って、でもどこがどうと言えなく…早く何か言わないと、お父さんは助けて欲しいンダと思ったの!お父さん優しく笑って(悪いなぁ真夏、悪いな悪い) 翌日からお父さん居ないこのお城から逃げたの…」「何で逃げるの自分の家から!勝手に話し作らないで真夏」「恐ろしい城の女王… さよなら真夏もいたくないから逃げる」 ドアが開き、ガタゴト重い音が遠く離れて行く。

突然で言葉も行動も理解出来ない笑香はこんなに寒いのにあの娘なんて薄着でと嫌なことを考えるのはやめた。

小雨ぱらつく中、厚手の上着が必要な寒さ、暑い日は続いていたけど上着も着ずに、遊びに行くように本当に軽装で門を出て行く。バッグも小型ケースも私の物、まだ追えるのに言葉もかけれるのに、足が石のように固まり動けなかった。娘は待っていたのか、手を振りゆっくり歩いていた。

胸が張り裂けそうな痛み…ガラスのようにピシッと音がしてヒビ割れた!痛い!深い穴が眼前に広がって落ちる虫が見えた。真夏は視野から消えた。笑香は穴に落ちなかったが…破れそうなヒビが元に戻らず…想い出を繋ぎ合わせ、一緒のテーブルで語れるように、想い出集めに必死で、頭の中は過去に飛んでいた。




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