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青色模様  作者: 海老優雅
11/11

妹ってやっぱいいですね

お久しぶりです!!

今日からまたゆっくり書いていきます!

大分休んで申し訳ありませんでした。

日曜日。休日。

いつもなら昼頃まで寝て昼食をとってゲームするみたいな感じなのだが、今日はそういうわけにはいかない日で、俺は駅前にいた。理由は大したことではないのだが妹が訪ねて来るので迎えに行かないといけないとのことだった。

電車は定刻通りに来て、妹はパタパタと降りてきた。

「おはようお兄ちゃん」

「おはようカンナ」

できるだけ笑顔で対応した。これが俺の妹早乙女カンナ。

髪は短めで前髪はピンでとめられている。これが昔俺がプレゼントしたとか、そんなエピソードがあれば、このまま妹とのラブストーリーに発展しそうだが、残念ながら妹がつけているのは俺がプレゼントしたものではなく、おそらく妹が自分で買ったものだと思う。

いつも通りならこのままデパートにでも行って甘いものを食べたり近所で遊んだりするのだが、今日はどうしようか。

デパートの甘味処はこの前いったし、カラオケも最近行った気がする。さすがに俺の趣味の店に付き合わせるわけにもいかない。少々悩みどころだ。

「なあカンナ。どっか行きたいところとかあるか?」

考えてもわからないので直接聞いてみることにした。

すると返ってきたのは予想外の答えだった。

「何言ってるのお兄ちゃん?今日はお兄ちゃん家に直行だよ?」

そう言って妹はスタスタと歩き出した。

家に到着すると、引越業者のトラックがマンションの前に停まっていて、妹がそれじゃあ運び込みお願いしますなどといっていた。

「え。」

1時間弱で運び込みが終わり、俺の部屋には、大量のダンボールのが運び込まれていた。

「おいカンナ!これはどういうことだ!?」

俺が強めの口調で聞くとカンナはケロッとした様子で

「え、お母さんたちから何も聞いてないの?今日から私ここに住むんだよ?」

「は?」

咄嗟のことに俺は少しの間その場で固まってしまった。

「お父さんの急な転勤で北海道に行くことになってたんだけど、カンナが寒いところはいやだっていったらお兄ちゃんのところに行きなさいって言われて……お兄ちゃんほんとに何も聞かされてなかったの?」

「おう、」

「まったくお母さんったらそーゆーとこテキトーなんだからー」

プンプンと怒った仕草をした後コホンと小さく咳払いして

「改めまして、今日からこっちに住むから、よろしくねお兄ちゃん」

と言ってきた。

こうして我が家に妹が住むことになった。

荷解きをしながら妹に大体の状況とこれからのことを聞いた。

母さんは父さんについて北海道に行ったらしい。それから、今度イクラが大量に届くらしい。潰れないのだろうか。

父さんはどうせ転勤するなら北海道より沖縄に行って泡盛が飲みたかったと言っていたそうだ。北海道にも美味しいお酒はあるだろうに。随分ミーハーなものだ。

妹は俺と同じ高校に通うようで、編入試験ももう終わっているそうだ。

3時間ほどで荷解きが終わり、俺たち2人はカンナの要望で、カンナの編入祝いをするための料理の材料の調達のためにデパートに来ていた。

野菜コーナーでトマトを選んでいると、後ろから急に声をかけられた。

「蓮くん、こんなところで奇遇だね。デート中?」

振り返るとそこにいたのは右手に買い物カゴを持ち、左手にネギを握りしめた雨宮だった。

誤解を解くための言葉を探して俺があたふたしている間に口を開いたのはカンナだった。

「もしかして、雨宮詩乃さんですか?」

「はい。そうですけど……」

カンナに尋ねられた雨宮はカンナがわかっていないらしく、少し困ったようにこちらを見た。

「やっぱり!姉々だ!私のことわかる?カンナだよ!!」

「え。嘘、カンナちゃん?蓮くんの妹の?」

「そう!そのカンナ!姉々久しぶり!」

「ほんとに久しぶり!カンナちゃんも5年ぶりだよね?すごくおっきくなってて分かんなかったよ!」

2人はしばらく思い出話に耽っていて、カンナの提案で俺たちは近くのファミレスで一緒に昼食を取ることになった。

昼食中もカンナと雨宮は俺のことそっちのけでずっと色んな話をしていた。

この町はそんなに広いわけではなかったから、当然カンナと雨宮も顔馴染みで昔は3人で遊んだこともあったと思う。

昔からカンナは雨宮に懐いていて、姉々と呼んでいたのだが、2人とも高校生になった今、その呼び方を使うのはお互い恥ずかしかったらしく、話し合いの結果詩乃さんと呼ぶことになったようだ。

呼び方の親しさは遠のいてしまったが、話している感じからするに、2人の関係は今も昔もあまり変わっていないようだった。

「詩乃さん、今日の夜ウチで私の編入祝いするんですけどよかったら来ませんか?」

俺が回想に耽っている間に、いつの間にかそんな話を始めようとしていた。雨宮は少し悩んだようだったが、カンナにグイグイ攻められて

「それじゃあお邪魔しようかな」

などと言っていた。

俺の中にはもちろん嬉しい気持ちがあったが、その反面焦る気持ちもあった。

今の我が家は雨宮に見せられる状態ではない。

どうしようか悩んだ末に俺は雨宮とカンナに追加の材料の買い出しを任せて、大急ぎで家に帰り、家の片付けをするという策をとった。

まずは散らかったものを収納する。

こういうときはいつだって最悪を想定しなくてはならない。まずは俺の部屋にある、見られたら困るものをさっきカンナの荷解きをしたときに出たダンボールに入れてガムテープで閉めて押し入れにいれた。

次にマンガ本や小説の類をシリーズごとに分けて棚に入れる?ゴミ箱は中のゴミを白い袋に入れて空にする。ベッドシーツを変えてファブリーズをかけ、ついでにゴミ箱にもファブリーズをかける。リビングに置いたままにしているダンボールはひとまず部屋の端に避けて、掃除機をかける。洗濯物も全部取り込み棚にしまうところまでする。大体の片付けが終わるまでに1時間以上かかっていた。軽く大掃除でもした気分だ。カンナたち遅いな……

少し心配になってカンナに連絡をしようとスマホを取り出すと、カンナからメールが届いていた。


続きは今日の夜か遅くても明日の朝には投稿します。

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