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青色模様  作者: 海老優雅
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早乙女蓮の現状について。

初投稿、初執筆作品です!!


『恥の多い生涯を送ってきました。』

この一文が今の俺、早乙女蓮の全てを表しているような気がして、普段誰でもすらすら読めてげらげら笑えるような小説や、漫画しか読まないのに、つい手に取ってまじまじとたった四文字の漢字と青年の描かれた表紙を眺め、一分固まった後、レジへと足を運んでしまった。

 別段自分が一般という集合から外れているとは思わないし、人間として最低限のものを持っていないとも思わない。満員のバスや電車にお年寄りが乗ってくれば席を譲るし、近くの席の人が消しゴムを落とせば自然と体が動くし、リア充を見つければすれ違いざまに心の中で願い事を三回唱える『爆発爆発爆発。』

だからこれから俺が話すことは別に俺が堕落し、おかしくなっていく話ではない。

 父は転勤族で自分も父についていく機会があり、小学校五年生でそれまで通っていた学校から離れ、一年という微妙、いやこの場合絶妙というべきか、とにかく小学校卒業まで残り一年という時間を残して転校した。そしてこれが凶と出て、孤立した。いまどきの言葉で言うならぼっちというのだろうか。今にして思えば、周りの同窓生に関しても周りに人を集めて楽しそうに話しているようにも見えたが、本物の友人と呼べるような間柄の者もおらず、三人、四人、あるいはそれ以上であろうか。まあ何人で集まってみても孤独は孤独。一人ぼっちでないだけというわけで、ほとんど全員が心の奥の奥、一番醜くて一番澄んでいる部分を見せられる相手のいない、孤独な人間だったのである。

 そのままの状態で中学に進学し、男子中学生特有の自分の世界観を頭にかぶるようなことをしながら三年間を過ごし、中学を卒業した。

 そして一年前、父親の転勤に合わせて両親に頼み込み、小学生の時分住んでいた土地にある高校に進学した。理由は小学生の時分には幾分か、自分にも友人がいたと思ったからである。これは自分だけに当てはまることかも知れないが、小学生の頃は誰でも多少の喧嘩などはあれど、特別嫌いな、苦手な相手もおらず、そこそこには仲良くできていたように思えるので、きっと小学五年生まで住んでいた土地に戻れば、一度人間関係をマイナスからゼロにした状態で。運がよければ少しばかしプラスにした状態でスタートできるのではと考えたからである。

実際その考えは的中し、高校入学当初は、昔友人だった人々のおかげで、そこそこに楽しい学校生活を送れていたような気がする。しかし、入学して少し経った頃、とある理由からテニス部に所属した自分は、とある理由からテニス部に所属していた先輩たちからいじめられ、そのいじめが瞬く間に拡大。今ではクラス、いや、学年にまで広がり、結局自分は高校でも孤立した。二年になってもその状況は続き、今に至るというわけである。

これだけならまだ自分の人生に対して恥の多いとは言わない。

 この文章が自分を表す最大の理由は、いつ何時においても、自分が一人でいることに対して自分が不快に思っていない。むしろ、心地いいとさえ思っていることである。

 しかし強いて言うなら、周りの視線が嫌である。周りに見下されて、自分を矮小に見られるのが嫌なだけなのである。

 他にも恥の多いと言わしめる理由はあるのだが、それはまた別の機会に考えることとしよう。もうすぐ授業が始まる。

 そう思いそれまで取っていた誰にも迷惑をかけない姿勢。狸寝入りの防御姿勢から一転、教科書の準備に入ると、前方、正確には右斜め前からくすくすという笑い声とこちらをチラチラと見る嫌な視線に気が付いた。

 そちらを相手方に気付かれないように横目で見るとそこには三人の女生徒がいた。あれを一般ではリア充というのだろうか。自分と似たカテゴリーの者を周りに集め、それ以外の者を見下し馬鹿にする。彼氏彼女がいることをリア充だとするという考え方がもともとの意味であるようだが自分にはこっちの考え方のほうがしっくりくるように思える。日本語は欧州情勢と同じくらい複雑怪奇なもので、日々更新されるのだから多少意味を曲げ伸ばしするくらい別にかまわないだろう。

 そこで少し横目で見た時間が長かったのか、そのうちの一人と目が合ってしまった。

 もちろん目が合って一瞬で双方目を反らした。だれしも一度は経験があるだろうが、相手が誰であろうと意図せず目が合うというのはあまり気分のいいものじゃあないし、気まずいものなのである。

 俺は彼女を知っている。いや、知っていた。彼女の名前は雨宮詩乃。自分との関係性はと問われれば、旧友というのが適当であろうか。彼女と俺は小学生の頃確かに友達だったのである。

向こうは自分のことなどもう忘れてしまっているかもしれないが、俺は覚えている。俺がまだこの町にいた小学生のころ仲良くしていた記憶がある。昔は、といっても小学生の頃の記憶なので定かではないが、とても優しくおとなしい性格だったように思う。

 それが今となっては量産型高校生とでもいおうか、たいそう『イマドキ』の高校生になったんじゃないかと思う。

 新しいクラスになって偶然同じクラスになったため、話しかけようと試みたこともあったが、どうにも話しかけづらい。どうにも周りにいる女子というのが具合を悪くしているようだ。もし仮に俺が周りに女子がいるにも関わらず話しかけたとしよう。するときっと彼女たちは俺のことを気持ち悪がるか、後で陰口のネタにしておいしくいただくのだろう。

内輪で陰口を叩くだけならまだましだ。わざわざこちらや、さらには周りに聞こえるように言うのがたちが悪い。ビールのCMですら青少年が興味を持って悪い道へ進まないようにと節度を持って放送しているというのに。よく教師や周りにいる同窓生が口にする「陰口いうくらいなら直接いってほしい」っていうのがあるが、それも必ずそうとは限らない。特に俺の場合はそうだ。あれはあくまでも陰口を言われる当人に友達がいて、その友達にその陰口のせいで嫌われるのが厭だからだ。

 すこし前に考えていた話に戻るが、俺がテニス部を辞めた理由もこれに関係あるのである。さっき雨宮詩乃のことを友達だったと表現したが実はこれには少し違う点がある。いや、考え方によっては少しとはいえないような違いがある。

 実は俺と彼女は親友と呼んで差し支えのない関係だったのだ。

 親同士の交流もあり、毎日のように遊んでいたような気がする。

 あの頃はとても楽しかったと思う。

 毎日、オレンジになった道を歩き、月にあいさつをしてから家に帰る。海や山に行ったりもした。そういえば、その山の中に昔、彼女と一緒に秘密基地を作ったような気がする。誰も使っていない小さな小屋があってそこに座布団を持ってきたり使わなくなったダンボールを持ってきたりして、トランプをしたりおままごとをしたりした。まさに二人だけの世界だったと思う。夕日が綺麗だったのもやけに鮮明に覚えている。今日の帰り道に寄ってみるのも悪くないだろうか。

ここまで読んでくださった皆様ありがとうございます!!

まだまだ稚拙な文章。更なるレベルアップのため、よろしければアドバイスをよろしくおねがいします!!

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