表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Grenze 境界  作者: 8X
1/11

現在の状況

 こんばんは、あかりです。はじめまして。

 今私は、ちょっとどうしたらいいか分からない事態に陥っています。


 どういうことかというと、まずお城の地下牢にいます。石でできてて非常に冷たいです。あとベッド。超硬い。あと臭い。なんかかゆい。


 考えられない!半日前、私は学校への道をいつものように歩いていただけなのに。しかも終業式。明日から楽しい夏休み、って少し浮かれていたくらいです。

 封筒を咥えた猫が道を横切っていったんですよ。茶色のトラ猫でした。

 柔道部の山内先輩の足元をちょろちょろしてたから、先輩の猫なのかと思ってたら足で追い払ってたから違ったようです。

 「ねこー。」

 って声をかけたら振り返ってしばらく私の顔を見てました。それから私に近寄ってきて、その封筒を差し出してきたんです。なんだかお利口な猫だなぁってナデナデしてあげました。

 封筒。この封筒が悪かったんです。


 中にカードが入ってて、とりあえず猫が誰かの手紙を持ってきちゃったりしてたらいけないと思って、持ち主の手がかりにと開きました。開きますよね、普通。警察に届ければよかったのかな。

 でも開けてしまいました。


 開いたカードは真っ白でしたが、次の瞬間吸い込まれました。

 青い空と、電柱と、サラリーマンと、学生、車、なにもかもが渦になって小さなボールになって私から遠ざかっていきました。

 私自身も、カードの白い世界とねじれて混ざり合って渦になっていったように思いました。

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ