第4話二人の少女
物語も少しづつ動き出します
「ふむ、この調子なら楽に合格できるだろう」
「有難うございます」
「センセー、日誌持ってきたよー」
「おお、ありがとう」
「じゃあ僕はこれで」
「私も行くね」
「ああ、気をつけて帰りなさい」
「それ、進路の用紙?」
「ああ」
「みせて!!」「あ、おい!」
「あれ、葉山君の志望校ってここだったんだ。私と同じだね。」
「そうだったのか、えっと・・・」
「クラスメイトの名前も覚えてないの・・・?」
「あ、浅野美雪さん」
「今思い出した感じよね。」
「細かいことは気にしない。」
「まぁ、いいけどね」
「あれ?」
「どうしたの?」
「気のせいか・・・・」
桜がいた気がしたんだけどな・・・・?
「ふーん、一緒に帰らない?」
「ごめん、僕塾あるから」
「そっか、じゃあね。」
「また、明日」
「おっかしーなー、何がいけなかったんだろう?」
僕は今日返された模試の結果をみて首をかしげていた。
「結構いけると思ったんだけどなー」
予想に反して点数は低かった。
「葉山君?」
「え?あ、浅野」
「どうしたの?こんなところで」
「僕は塾の帰りだよ。浅野は?」
「図書館で勉強してたんだ。本屋によってたら遅くなっちゃって」
「そうなんだ。浅野は家どっち?」
「え?なんで?」
「もう遅いから送っていくよ」
「葉山君やっさしー」
「ありがと、ここだから」
「おう、じゃあね」
「あ、葉山君」
「何?」
「葉山君って今付き合ってる人とかいる?」
「いや、いないよ?」
「じゃあ私と付き合わない?同じとこ目指してるもの同士だし
勉強の効率もあがるよ?」
「別にいいけど・・・」
「じゃあ今から彼女ってことで!」
そういって彼女は僕の頬にキスをした。
「おやすみっ!」
「おやすみ・・・」
そして僕は家路に着いた。
「ただいまー」
「おかえりー、お風呂はいっちゃいなさい」
「わかった」
僕が、自分の部屋に戻ると桜が窓から顔を出していた。
「ちゃんと勉強したか?桜」
「するわけないよー」
「まぁ、当然か。」
「ねぇ、雪兄は好きな女の人が自分以外の男の人と一緒に
いたらどう思う?」
「はぁ?どうゆうこと?」
「ごめん!なんでもないから忘れちゃっていいよ!おやすみ!」
「おやすみ・・・」
そういって桜は寝てしまった。
「あいつ、何であんなことを聞いてきたんだ?僕はそんなことはないから
あいつがそういう状況になったってことか?まさかな・・・?」
僕はそんなことを考えていたら、いつの間にか寝てしまっていた・・・