第2話幸せな生活
私、九条桜はかつて無いほどに緊張していた。
なぜなら遊んでばかりいたせいでまったく出来なかった数学のテストが返ってくるからだ。
「神様、仏様。今日だけは信じますからお願いします・・・赤点だけは、どうか赤点だけは!免れますように!」
私は、祈った。普段は、まったく信じていないくせに、今日だけは信じますからと都合のいいことを言って。
「まったく・・・何、都合のいい事を言ってるんだか・・・」
「未来〜助けてよ〜」
「あたしにはどうにも出来ないってば」
彼女は藍沢未来。私の小学校の頃からの親友だ。
「まぁ、後は祈るしか出来ないでしょ」
「自業自得でしょ?テスト期間だって言うのに遊んでばかりいてまったく勉強しなかったんだから」
「棗〜そんな殺生な〜」
彼女は日向棗。私のもう一人の親友。
「せめて赤点にならないよう祈ってなさい」
「数学のテストだけ燃えたりしないかな〜」
「そんな事あるわけないでしょ・・・・」
「ほら、授業はじめるぞ〜」
「うわ〜やっぱり返ってくるのか〜」
「当たり前でしょ。赤点にならなきゃいいわね」
「うん・・・」
私の名字が九条だからテストが返ってくるのは少し後かな?
「あっ、未来どうだった?」
「いいほうかな?今回も一夜漬けだし」
「何で一夜漬けでそんないい点数取れるのよ・・・」
「あたしはもとが良いからね〜」
「嫌味?」
「もちろん!」「九条」
「あ、呼んでるよ桜」
「いってきま〜す」
「九条・・・もうちょっと頑張ってみても良いんじゃないか?」
「はい・・・分かってます」
「それならいいが・・・」「桜〜、どうだった〜?」
「ぎりぎり大丈夫〜」
「よかったじゃん!」
「棗〜どうだった?」
「大丈夫だったよ」
「何でいつもこんな点数取れるのよ〜」
棗はいつも私たちと遊んでいるのにテストでは高得点をキープし続けているのだ。
「私は桜と違って寝る前に復習してるから」
「え〜!?寝る前に勉強なんて絶対したくないよ〜」
「そうでもしなきゃ勉強する時間無いでしょ?」
「勉強なんて学校でやるだけで充分だよ〜」
「そんな事言ってたら何時までも成績あがらないよ?」
「赤点さえとらなければいいもん・・・」
「いや、さすがに赤点ギリギリはまずいでしょ・・・」
「さて、どっか寄ってく?」
「私は、本屋行くけどその後ならいいわよ」
「ごめん私、結果報告しなきゃだから」
「そっか、桜雪村先輩に勉強教わってるんだっけ?」
「うん、だから結果報告に行かなくちゃ」
「いいよね、彼氏がいる人は」
「は!?」
「付き合ってるんじゃないの?」
「ち、違うよぉ!!」
「てっきり付き合ってるものかと思ってたけど」
「た、確かに雪兄の事は好きだけど雪兄は私のことただの幼なじみとしかみてないよ・・・」
「そっか・・・」
「とりあえず報告に行ってくるから」
「わかった、また明日ね!」
「うん、また明日ね!」
私は、急いで家に向かった。
さて、始まったばかりのこの話ですがどうだったでしょうか? 皆様のご期待に添えられるように頑張りたいと思います。