03:戸惑う少年と身構える少女の会話
黒色猫様、もし待っていてくださったなら遅くなってすみません!
もしかしたら書き方が少し変わっているかもしれません。
………なんなんだろう、この空気は………
さっき連続で失敗をしてしまったせいか、少女は慎重に考えてから行動するようにしたようだ。
………が、その連続での失敗の影響なのか、もともとそういう性格なのかはわからないが、どうもネガティブ思考になっているようで、さっきからたびたび振り返って話しかけてこようとはしているみたいなのだが、こっちを向いた少女の口からは、うぅ、とか、あぅ、とか、言葉にはなっていないものしか出てこない。いや、いくら僕でも話しかけるたびにさっきみたいにはならないと思うよ?………たぶん。
しかし、このまま少女を放っておけば案内されている間中この空気のまま変わらないような気がするし、それはちょっと気まずい。
かといってじゃあ僕から何か話しかけようか、といっても特に話すべきことも聞きたいことも………ってそうだ、僕、そういえばこの子の名前、聞くの忘れてたんだった………まぁちょうどいいや
「あの~ちょっといいですか」
「は、はいっ、なんでしょうかっ!」
わぁ~、ただ話しかけただけなのにめちゃくちゃ身構えられたよ。ちょっとショック。
「いや、まだ名前聞いてなかったなぁ~、なんて思ったんだけどもし良かったら教えてくれない?」
「………名前、ですか?」
少女は少しキョトンとしたあと、ニコッと笑った。
「そういえばまだ名前を言ってませんでしたね。改めまして、私はアリウムと言います。短い間かも知れないけどよろしくね」
「アリウムさん、ですか?」
「アリウム、でいいですよ。ついでに敬語もやめてもらえたらうれしいなぁ、なんて思ってます」
「わかったよ」
この少女、もといアリウムは敬語で話されるのは嫌いらしい。ドレスなんか着てるからそのほうがいいのかな、と思ったんだけど。いや、むしろこういう場くらいは敬語はやめてほしい、ということか。
「ところでいまさらな気もするんだけど、どこに向かってるの?」
名前を聞いてから気づいたけど、僕はアリウムに全くといってもいいほど何も聞いていなかった気がする。
いい機会だからついでにいろいろ聞いてみよう。
「それはまだ秘密ですよ♪」
と思ったんだけどいきなり秘密、と言われてしまった。
でも言えない理由があるから、ではなく、きっと僕を驚かせたいんだろう。すごく楽しそうに笑ってるし。
それにいままでのアリウムの行動を見る限り悪い子ではなさそうだ。きっと悪いようにはならないだろう。………たぶん。
まぁどうせアリウムに見つけられなければ無くしていたかもしれない命なんだから、死ぬならそれはそれで構わない。どうせこんなもののために悲しむ人なんていないんだし。
とにかく今はアリウムについていこう。この表情がコロコロよく変わるおもしろい、でも優しそうな少女についていけば何か今までは触れることすら許されなかったものを手に入れられる、そんな気がするから。
「そういえばあなたは私と同じくらいの年齢に見えますけど、何歳なんですか?」
「さぁ?」
「え?何歳かわからないんですか?」
「誕生日がいつかわからないから」
「親からは教えて貰ってないんですか?」
「今までの会話から察して欲しい」
「………うぅ、ごめんなさい………」
………また泣かせてしまった。
ちょっとこの先が不安だなぁ………
ついに少女の正体が判明!………っていっても名前だけだけど………
主人公の一話&二話での
喋り方が敬語とnot敬語がまじったものになっていることに気付いた。
という訳でこの話でnot敬語に統一してみた。
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